電動ベッドは進化しています。ケースバイケースですが、介護保険のレンタル対象になるなど、各種の助成や補助が受けられます。
車椅子ユーザーにお薦めなのは、高さ調節機能付きベッドです。自分の移動しやすい高さに調整ができます。車椅子の座面の高さに合わせることで、水平にベッドと車椅子を移動できます。特に、つかまり立ちが難しい重度障がいの人にお薦めします。介助の人も楽になります。
様々な種類のサイドレールやテーブルなどの付属品があり、使用者の障がいの状況に応じて選べます。
下肢に重い障がいがあり、腕の力を使って起き上がる人や、車椅子に移動する人の場合は、丈夫な手すりを選びます。手すり機能兼用のサイドレールもあります。
食事や薬の服用もベッドの上という人には、テーブルを用意すると便利です。高さ調節機能付きで、キャスターで簡単に移動できるものが主流です。
上枝下肢ともに重い障がいがある、寝たきりの方には、恐ろしい「褥瘡(じょくそう)」を予防してくれる、自動で寝返りに近い動きを定期的に実行する電動ベッドがあります。
ベッド自体の動きが細かく制御出来ます。背中と膝と寝る全体部分が、左右別々に動くものがあります。更には、頭部や足の部分だけを、独立して動かせるものもあります。ベッド全体が、極端にいえば「ぐにゃぐにゃ」に動きます。
介助の方も、定期的な寝返りの補助や、まくらやタオルをあてて体の向きを変えてあげる作業は大変です。自動寝返り機能付き電動ベッドは、夜通しの介助を楽にします。
重度の認知症の患者さんの介護ニーズから生まれたのが、スーパー低床介護ベッドです。ベッドが布団になります。介護の作業をするときは高くして作業性を上げ、お休みのときは低くして落下事故を防ぐベッドです。
写真のベッドは、高さは最低が5cm、最高が60cmの上下可動式。通常の電動ベッドのように背もたれも動かせます。重度の知的な障がいのある人の介護にも便利です。
自宅での生活にお困りの障がいのある人とご家族は、電動ベッドの活用をご検討ください。
(本稿は2019年11月に執筆しました)