令和元年度 事業所で発生した障がい者虐待の状況

令和元年度 事業所で発生した障がい者虐待の状況

2020年8月28日付で、厚生労働省から「令和元年度使用者による障害者虐待の状況等」が公表されました。

障害者虐待防止法に基づき、都道府県労働局が把握した使用者による障がい者虐待の状況等を取りまとめたものです。

虐待の通報及び届け出があった事業所総数は1,458事業所で、その内535事業所で虐待が認められ、是正指導が行われました。

虐待が認められた前年の事業数は、541事業所です。

虐待を受けた障がい者数は、当年が771名、前年は900名で、14.3%減少しました。

771名が受けた虐待の種別では、「経済的虐待」が681名と88%を占めます。

「経済的虐待」とは、賃金の差別や障がい者の財産を不当に処分することなど。今回公表された虐待事例では、地域別最低賃金を下回る雇用契約などが報告されています。

このケースでは、「事業主は健常者と比較して作業能率が劣っているため、地域別最低 賃金額を下回る賃金額で労働させてよいものと認識していた旨を申し出」たので、「使用者による経済的虐待が認められたことから、労働基準監督署は、事業主に対し、地域別最低賃金額との差額を支払うよう是正指導を行」いました。

他の虐待種別では、「心理的虐待」が63名、「身体的虐待」が30名、「放置等による虐待」が19名、「性的虐待」が10名と公表されています。

《生きるちから舎ニュース 2020年8月28日付》

別稿で「障がい者虐待行為 令和2年度の状況」を掲載しています。ご参照ください。