「道の駅」は車椅子で利用できる施設ですが、現地のバリアフリー状況はそれぞれです。車椅子目線での情報と施設の特徴を紹介します。
本稿は山梨県の国中峡中・峡西・峡南(甲府市、甲斐市、中央市、昭和町、南アルプス市、早川町、身延町、南部町、富士川町、市川三郷町)にある「道の駅」情報です。開業年が新しい順に紹介します。
「道の駅なんぶ」(南部町)
2018年開業。施設内に段差がないフラット構造の施設です。主にショップと食事処、観光情報コーナーで構成されます。
身障者用駐車区画は屋根付きで2台分。「地域振興施設」棟と「交流促進施設」棟の中に、それぞれバリアフリートイレが用意されています。この2棟の間は屋根がある「多目的広場」です。
ショップ名は「なんぶ村の駅」。「食のテーマパーク」として特産の「南部茶」をはじめ農産物、お菓子、お酒、水産物まで、幅広い品揃えです。
食事処は「南部よろこび茶食堂」。フラットな構造で、席を選べれば車椅子で利用出来ます。
「南部氏展示室」は南部氏の歴史や史跡を紹介する無料の展示コーナーで、車椅子での見学は可能です。
他に屋内ではキッズルーム、屋外には芝生広場やドッグランが用意されています。
「道の駅富士川」(富士川町)
2014年開業。施設内に全く段差のないフラット構造の道の駅です。広い敷地に商業棟とトイレ棟が並び、2F部はウッドデッキテラスで連結。まるで1棟構成のような外観です。身障者用駐車区画は屋根付きで3台分。バリアフリートイレは1階に2つ、2階に1つ用意されます。
商業棟は「観光交流センター」。出入口は3カ所あり、すべてワイドスパンの自動ドアです。農産物や物産品が並ぶ売店と軽食レストランが入ります。売店、レストランとも、フラットで通路幅は広く、車椅子での利用に問題はありません。
トイレ棟は2F建てでエレベーターがあり、2Fでウッドデッキにつながります。
2Fの屋内から外のデッキにでるドアは手動式で、床面はフラットです。デッキから見える山々の名称解説板があります。「太鼓堂」という展望台が更に上にありますが、エレベーターはなく、螺旋階段で登ります。
「道の駅みのぶ富士川観光センター」(身延町)
道の駅登録は2005年ですが、2014年にリニューアルオープンしました。東京ドーム11個分の大規模公園「富士川クラフトパーク」の中にある施設です。
身障者用駐車区画は3台分あります。バリアフリートイレは、レストラン棟、道の駅施設内、他に公園全体では10カ所のトイレ棟全てにバリアフリートイレが用意されます。
道の駅の主な施設は、お土産品が並ぶ「おみやげ館」、「観光情報館」、展示施設「道の駅ギャラリー富士川・切り絵の森美術館」と「ふれあい交流館」、体験施設「西島和紙工房てすき屋」と「ものづくり館」があります。いわゆる農産物直売所はありません。
隣接してカジュアルフレンチレストラン「スヴニール」が営業しています。
「道の駅しらね」(南アルプス市)
2003年に供用が開始された、案内所、休憩所、トイレだけの施設です。道の駅としての商業施設はありません。身障者用駐車区画は2台分。バリアフリートイレは1つ用意されます。
道を渡った先に「JA南アルプス市」の直売所があり「道の駅しらね農産物直売所」という看板を出しています。道を隔てて直売所がある道の駅です。
直売所の敷地内に広い駐車場があり、身障者用駐車区画の用意があります。直売所には段差回避スロープで上ります。
店内はフラット構造でバリアフリートイレがあります。売り場の通路幅は並みレベルで、車椅子で買い物ができます。果物の栽培が盛んな地域で、夏場は、さくらんぼ、桃、ぶどうが有名、冬場はキウイフルーツが出回ります。
「道の駅とよとみ」(中央市)
旧「豊富村」に1998年に開業しました。2009年に「直売所甲子園」で優勝して初代グランドチャンピオンになった道の駅です。
身障者用駐車区画は2台分。駐車場から施設へは段差がある構造で、身障者用駐車区画からのルートに段差解消箇所があります。施設周辺には段差箇所が複数あります。車椅子では施設内に入るまで、段差解消ルートを選んで進みます。
バリアフリートイレは1つあります。スペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置、ユニバーサルベッドが備えられています。
農産物直売所は山梨の地場産野菜を中心に、新鮮なものを適正な値段で販売しています。豚肉ブランド「富士桜ポーク」にも力が入っています。精肉も充実、ソーセージなども豊富に販売されています。
レストランはフラットで可動式のテーブル席。車椅子で利用できます。自慢のメニューは富士桜ポークのお料理です。
「道の駅しもべ」(身延町)
※2022年7月にリニューアルオープンしました。以下はリニューアルオープン以前の状況です。
1997年開業。近隣に商業集積や一般集落がない山中にあります。「下部農村文化公園」と併設され、園内にはバーベキュー広場、移築民家、芝生広場、そば処、特産物販売所、ホタルの学習ができるホタルドームなどがあります。
身障者用駐車区画は1台分。駐車場は広く、乗降しやすいスペースは一般駐車区画でも確保できます。
バリアフリートイレは、駐車場横の別棟トイレ内と、メイン施設棟である「下部ふるさと振興館」内にそれぞれ1つ用意されます。
各施設に向かうルートには傾斜や段差がありますが、段差箇所にはスロープがあります。傾斜の強いスロープではないので、車椅子で移動可能です。
メイン施設棟「下部ふるさと振興館」内には、ショップ、体験調理室、休憩コーナーがあります。
農産物、加工品、地元名産品などが並ぶショップの通路幅は並みレベルで、車椅子でもそれほど不自由することなく店内を移動できます。この年代の道の駅としては、ゆとりがある設定の通路です。
体験ができる広い調理室は、ガラスで丸見えの構造。冬場には味噌作り体験が行われます。
棟の奥には自由休憩スペースがあり、二頭の熊の剥製があります。車椅子で熊二頭との記念撮影ができます。
別棟で茅葺の民家を再現したそば屋「木喰庵」があります。床面はフラットでテーブル席があるので、席を選べば車椅子で利用可能です。
「道の駅とみざわ」(南部町)
供用は1988年からで、1993年に山梨県で最初に道の駅登録になった施設です。基本設計は古い施設ですが、スロープがあり車椅子で利用できます。
身障者用駐車区画は施設棟側の駐車場に2台分。バリアフリートイレは計2つ用意されます。
おおきなタケノコのモニュメントが目印。直売所と食事処があります。食事処はスペースに余裕があります。春の自慢のメニューはタケノコご飯です。
山梨県「道の駅」の紹介記事は、別に「山梨県郡内編」と「山梨県国中(峡北・峡東)編」を掲載しています。クリックすると別稿が開きますので、ぜひご覧下さい。