東京都葛飾区柴又にある3つの観光施設は、車椅子で利用できます。アクセス方法と施設毎のバリアフリー状況を紹介します。

寅さん記念館・山田洋次ミュージアム・山本亭は、江戸川沿いに隣接して並ぶ観光施設です。しかし高低差があり、階段があるルートもあります。車椅子ではスロープ路とエレベーターを利用して移動します。
柴又駅からは徒歩8分の案内です。駅方面から地上路を進むと、そのまま低地にある「寅さん記念館」と「山本亭」へアクセスできます。
「山田洋次ミュージアム」は地上からエレベーターで高地に上がった高さにあります。「山田洋次ミュージアム」から陸橋を渡ると、「寅さん記念館」の上の公園に行けます。この高地から江戸川の堤防につながります。堤防から江戸川河川敷へは、スロープ路があります。

車利用の場合、駐車場は江戸川河川敷にある「柴又公園駐車広場」の利用が便利です。駐車料金は障がい者減免制度があり無料に減免されます。
河川敷の未舗装駐車場ですが、身障者用駐車区画は用意されています。フラットに近い路面ですが路面は未舗装なので、車椅子では雨上がりの利用は避けた方が無難です。
堤防の上まで、緩やかなスロープが設けられています。そこから山田洋次ミュージアムに繋がる陸橋に車椅子で移動できます。
堤防の上からさらにスロープ上ると、寅さん記念館の上の公園に車椅子で行くことが出来ます。帝釈天、江戸川、矢切の渡しなどが眺望できる公園です。

堤防から高台の陸橋を渡ると「山田洋次ミュージアム」に着きます。「葛飾柴又寅さん記念館」と「山田洋次ミュージアム」の入館券は、低地にあるチケット売場で扱っています。したがって「柴又公園駐車広場」からアクセスした場合、最初にあるのは高地の「山田洋次ミュージアム」ですが、エレベーターで低地に下りて、先にチケット売場に行く必要があります。
3つの観光施設はいずれも障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の観覧料金が無料に減免されます。葛飾区の施設は、現時点では障がい者の氏名などを記録する運用ルールです。そのため減免手続きに少し時間がかかります。
低地にある「山本亭」のチケット売場は、「山本亭」内です。「山本亭」方面から寅さん記念館の上の公園へ行くルートは階段です。
寅さん記念館のバリアフリー状況です。1997年に開館して、2015年にリニューアルされました。
寅さんの少年時代をテーマにしたジオラマ、昭和30年代の帝釈天門前町のミニチュアなどがとても精巧で、ファンならずとも楽しめるクオリティーです。

明治時代にあった、人が押して動く「帝釈人車鉄道」は面白い。寅さん映画そのものにはそれほど愛着が無い人でも楽しめます。もちろん記念館はバリアフリーで、バリアフリートイレがあります。

山田洋次ミュージアムのバリアフリー状況です。とても小さな施設です。ワンルームで入口からすべてが見える大きさです。車椅子で移動出来るスペースはあります。一般的な人なら10分コースのミュージアムです。トイレはありません。
山田洋次ミュージアムへ上るエレベーターは、レンタルサイクル施設への動線でもあります。そのため自転車が入る大型エレベーターが用意されています。大型の車椅子でも利用に問題はありません。
山本亭のバリアフリー状況です。江戸川沿いにある大正時代から使用された大邸宅です。大正末期から昭和初期にかけて増改築を重ねて造られた、当時の富裕層の志向を象徴している建築ということ。現在は葛飾区の施設です。

和洋折衷様式の「長屋門」から敷地内に入ります。庭園内を回りながら、邸宅玄関を目指すアプローチです。通路は小さなデコボコがありますが、気を付けて進めば車椅子での通行は可能です。一部狭い箇所もあるので、他の通行人に注意しながら進みます。
アプローチから置物、飾り物、防空壕、井戸などが見学できます。このアプローチは無料エリアで、受付は邸宅入口になります。

玄関入口は階段です。横にラフなスロープがあります。スロープを上った先はトイレの前で、バリアフリートイレがあります。
この先邸宅内は土足禁止。雑巾が用意されているので、トイレ前のスペースで車椅子を拭きます。このスペースにはトイレ用のスリッパが数足置かれているので、誰かにスリッパを片付けてもらい、車椅子で乗り込む必要があります。
邸宅内に入ると、廊下があり畳座敷が続きます。畳の上は車椅子での立ち入りは不可です。座敷に座ることが出来る人は、有料でお茶やお菓子をいただけます。
座敷に座れなくても、車椅子で廊下から庭園を楽しむことが出来ます。山本亭のハイライトは、室内からみる書院庭園。270坪の素晴らしいお庭です。「山本亭」は、知名度はあまり高くありませんが、お薦め出来る施設です。

柴又にある3つの観光施設は、車椅子で利用できます。エレベーターとスロープを上手に使うのが、車椅子観光のポイントです。
葛飾区にはハイレベルなバリアフリー施設「葛飾区郷土と天文の博物館」があります。別稿で掲載しているのでご参照ください。
(本稿は2017年5月の取材に基づいています)