神奈川県湯河原町の「町立湯河原美術館」は古い旅館の建物を活用した施設ですが、車椅子で利用できる展示室もあります。現地のバリアフリー状況を紹介します。

湯河原美術館の概要です。湯河原を愛し、現代日本画の主軸として活躍している平松礼二画伯。その他にも、湯河原と縁のある画家や作家の作品を中心にした美術館です。
パブリックスペースとして、整備された庭園が開放され、オープンテラスがあるカフェが営業しています。
1Fにはミュージアムショップや湯河原情報コーナー、市民ギャラリーなどがある施設です。

車椅子でのアクセス方法です。湯河原駅から徒歩圏内ではありません。アクセスは車が便利です。
来館者用の無料駐車場があります。ハッキリとした駐車区画がないフリーな駐車場ですが、路面はフラットな舗装路面なので、空いていれば車椅子利用者の乗降は十分可能です。
駐車場から庭園へ抜ける入口がありますが、このルートは段差路なので、車椅子では通行できません。

駐車場からエントランス周辺のバリアフリー状況です。駐車場側から美術館横の入口をむすぶスロープが用意されています。ただしこのスロープ路の入口は、車椅子では開閉しにくい手動ドアです。


美術館正面の入口は自動ドアです。ただしドアの手前に小さな段差があります。

館内のバリアフリー状況です。1Fのショップやカフェはフラット構造で、車椅子で利用できます。
バリアフリートイレは1Fに1つ用意されています。

町立湯河原美術館は障がい者減免制度があり、障害者手帳等の提示で本人の観覧料が無料に減免されます。1F受付で手帳を提示して減免措置を受けます。
展示室への一般ルートは階段です。車椅子利用者は、スタッフの誘導でのエレベーター利用になります。

2Fの常設館と企画展示室、3Fの平松礼二公開アトリエは、車椅子で利用できます。

「平松礼二館」はエレベーターから水平移動が出来ない段差構造なので、車椅子では利用できません。

各展示室の概要です。常設館は湯河原ゆかりの古典収蔵品20点程度を展示。3か月毎に展示入れ替えがあります。
企画展示室では地元作家や現在活躍している作家の展覧会が開催されます。どちらも車椅子からの展示作品鑑賞は可能です。
平松礼二公開アトリエは、画伯が「湯河原十景」を描くために設けたアトリエです。画材やキャンパス、製作道具やデスクなど、本物のアトリエが見学できます。
アトリエ内は靴を脱いで上がりますが、車椅子でそのまま入ることが出来ました。

平松礼二館は、画伯の作品の常設展示室です。年に4回企画展が開催されます。
庭園のバリアフリー状況です。コンパクトですが整備された庭園で、舗装された散策路が整備されています。

美術館正面側の入口から、段差なく庭園内に入ることが出来ます。

カフェのオープンテラスからはスロープが用意されています。

湯河原の自然に調和した美しい庭園です。

湯河原美術館は、平松礼二館だけは階段ルートしかなく車椅子で利用できません。その他の展示室やショップ、カフェ、庭園散策は車椅子で楽しめる施設です。
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(本稿は2019年12月の取材に基づいています)