静岡県熱海市の「熱海梅園」は、梅まつり期間以外でも通年開園しています。今回は2019年12月「もみじまつり」開催中に取材しました。現地のバリアフリー状況を紹介します。
来宮駅から徒歩10分の案内ですが、熱海はアップダウンが激しい地形です。車椅子利用者は車の利用が便利です。
来園者用の駐車場があります。梅まつり、もみじまつりなどのイベント期間中は有料になります。駐車料金の障がい者減免制度はありません。
駐車場には身障者用駐車区画はありません。有料期間中の利用であれば、駐車場スタッフに車椅子利用の旨を相談すると、その時点で、車椅子で最も利用しやすいと思われる駐車区画に誘導していただけます。
駐車場内から梅園へのルートは傾斜のある坂道で、上るには少し力が必用です。
梅園入口周辺のバリアフリー状況です。正面入口周辺はフラットな舗装路面です。
梅まつり期間の入園は有料です。障がい者減免制度はありません。他の期間は原則入園無料です。ただし特別なイベント開催時は有料になることもあり得るので、確認してください。
正面入口の近くにバリアフリートイレがあります。
今回取材した時点の状況では、正面入口のトイレが設備更新されて綺麗でした。他に2か所、梅園内にバリアフリートイレがあります。
梅園内散策路のバリアフリー状況です。熱海梅園は斜面にあります。フラットなのは正面入口周辺だけで、すぐに上り坂になります。
中腹までの傾斜散策路は角度があり、車椅子で上るには力が必用です。更に路面は多くの箇所で小さなデコボコなどがあります。
また園内の川を渡る橋は、ほとんどが車椅子では通行できない構造です。
中腹から「韓国庭園」方面へ上るエリアには車椅子用のスロープ路が整備されています。このスロープの傾斜はそれほど急ではありません。一般的な車椅子利用者と介助者なら通行できます。
最高地にある「足湯」は一般的な構造で車椅子のままでの利用は出来ません。
「韓国庭園」への正面入口の門の下には段差があります。
横側の出入口もバリアフリーではありませんが、無理をすればギリギリで車椅子通行が可能です。
「中山晋平記念館」の内部は段差構造です。車椅子では外観の見学だけになります。
「見晴台」は小さな段差がありますが、無理をすれば車椅子で乗り越えられないことはありません。
熱海梅園と同一敷地内にある、別施設の有料美術館「澤田政廣記念美術館」のバリアフリー状況です。
「梅見の滝」の上にあり「梅園橋」で熱海梅園と結ばれています。「梅園橋」はフラットなので車椅子で通行できます。
美術館専用の駐車場があります。身障者用駐車区画はありません。駐車場から美術館エントランスまでは、極端なアップダウンはなく移動できます。
美術館周辺のパブリックエリアに、複数の屋外作品が展示されています。これらは車椅子で鑑賞できます。
美術館の外観は凝ったデザインです。建物を鑑賞する価値があります。
美術館内は段差構造があり、エレベーターがないので2F展示室は車椅子で利用できません。
美術館の駐車場は、あくまで澤田政廣記念美術館の専用駐車場ですが、地形構造からいえば、美術館から「梅園橋」を通り熱海梅園に入ると、辛い坂道を車椅子で上らずに、ほぼ水平移動で、梅園内の高地に車椅子で行くことが出来ます。
熱海梅園は斜面にあるので、駐車場から梅園まで、そして梅園内は、ほぼ全域が傾斜路です。車椅子ルートは確保されていますが、体力を使う散策になるので注意して下さい。
(本稿は2019年12月に執筆しました)