山梨県甲府市の「甲斐風土記の丘曽根丘陵公園」は、東日本最大級の前方後円墳「銚子塚古墳」や5世紀の円墳「丸山塚古墳」などがある遺跡の丘で、そこにトンネルすべり台やアスレチックなどの大型遊具、芝生広場、展望広場、バーベキュー場、テニスコートなどが整備された大きな公園です。

その公園内に「山梨県立考古博物館」があります。開館は1982年ですが、バリアフリーに改修されて車椅子で観覧できる施設です。旧石器時代から明治時代までの山梨の歴史が展示紹介されている、山梨県立考古博物館のバリアフリー状況を紹介します。

アクセスは車が便利です。甲府南ICに近い国道358号線沿いに、考古博物館に近い公園の無料駐車場があります。考古博物館寄りの場所に、身障者用駐車スペースが設定されています。

駐車場から考古博物館のエントランスまで、200ⅿ程度距離があります。車椅子で舗装路を進みます。

駐車場から考古博物館のエントランスが見えないので、現地に案内図が掲示されています。

そのまま広い通路を直進すると、左側に考古博物館のエントランスが見えてきます。

エントランスまで段差のないほぼフラットな舗装路面です。

前庭には象の親子像があります。考古博物館のアイコンの一つです。

出入口は自動ドアです。入口で検温、手指消毒、簡単な記帳をして入館します。

館内に入るとすぐに記念撮影スポットが用意されています。受付はこの先です。

山梨県立考古博物館は、チケットを自動販売機で購入して発券します。観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されますが、無料に減免される人も、障がい者減免の無料チケットを、自分で操作して自動販売機で発券します。そして障害者手帳と減免チケットを受付に提示して展示室へ入室します。

考古博物館はワンフロアの施設で展示室はフラットな構造です。旧石器時代から古い順に、出土品などが展示されています。

展示品の数に圧倒されます。丁寧に観覧するには時間が必要な博物館です。

太古の時代の生活を再現したジオラマがあります。獲物や毛皮などがリアルな展示です。

考古博物館のマスコットは「いっちゃん」。そのモデルは一の沢遺跡から出土した土偶です。重要文化財に指定されています。

縄文時代中期の土偶の愛称は「のんさん」。酒呑場(さけのみば)遺跡から出土しました。これも重要文化財指定です。

殿林遺跡から出土した重要文化財指定の深鉢形土器。車椅子で近づいて観覧できます。

弥生時代の展示コーナー。上の平遺跡から出土した土器群などが展示されています。

弥生の展示コーナーも、スペースに余裕があります。

奈良時代以後の歴史時代の展示コーナー。国分寺の遺跡などが紹介されています。

江戸時代の鬼瓦。俵屋宗達の風神雷神図が模倣されたと考えられています。

展示室を出ると広いロビーがあります。開放的な大きなガラス窓越しに、前庭を眺めることができます。

ロビーにはミュージアムショップがあります。イミテーション土偶などが販売されています。

バリアフリートイレはロビーの横に1つあります。スペースはやや狭い個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。今回取材時、手洗い設備は使用禁止で、オストメイト装置で手を洗うように指示されていました。理由は不明です。

山梨県立考古博物館は本格的な考古博物館で、古いながらもバリアフリーは確保されています。車椅子で観覧できる施設です。
笛吹市にある「かいじあむ・山梨県立博物館」の情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年2月に書き直しました)