三重の大規模商業リゾート VISON 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

VISON

2021年に三重県多気町に誕生した「三重故郷創生プロジェクト」による「SDGs」を切り口にした観光施設です。総事業費は約200億円。119haの敷地にホテル、温泉、ショップ、レストラン、農園などが展開される大規模なプロジェクトで「ナショナルチェーン店の出店をゼロとし、食をテーマとし圧倒的な専門性を持つことで、他にない唯一無二の商業リゾート施設を目指」す、としています。

丘陵地に建設された施設でアップダウンが多いのが特徴です。車椅子で利用する上で、知っていると役立つ現地の状況を紹介します。

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アクセスは車が便利です。「ホテルヴィソン」を利用する場合は宿泊者専用駐車場の利用が便利です。ホテルは丘陵の高い場所にあり、ホテルからVISONの他エリアに移動する通常ルートは屋外エスカレーター路です。アップダウンがあるので、ホテルを起点にして車椅子でVISON全域の散策することは困難です。

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一般来場者用の有料駐車場が複数個所あります。最初にあるP1は、マルシェヴィソンまでエスカレーターで上がる未舗装路面の駐車場です。

次にあるP2は、マルシェヴィソンの裏側にある未舗装路面の駐車場です。

VISONのショップ&レストランエリアを広域に利用したい場合、車椅子利用者はスゥイーツヴィレッジ裏にあるP3駐車場の利用が便利だと思います。一般駐車区画は未舗装路面ですが、舗装路面の身障者用駐車区画が多数用意されています。ここからでも他エリアに移動するにはアップダウンを通行しますが、他の駐車場からよりは高低差が少ない移動ですみます。和ヴィソンやサンセバスチャン通りがあるエリアへは「まほろ橋」を通行して移動できます。ただしある程度のアップダウンがあるルートです。

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P3からアトリエヴィソンに進み、そこから横断歩道を渡り和ヴィソンエリアに移動することもできます。このルートもそれなりのアップダウンがありますが、車椅子で和ヴィソンの中心エリアに行くなら「まほろ橋」経由よりも楽に移動できます。

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VISONの各ショップ&レストランエリア内も、アップダウンがあります。特に注意すべきなのは、マルシェヴィソンです。スゥイーツヴィレッジからマルシェヴィソンまでは、大きなアップダウンがありません。

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マルシェヴィソンは密閉型の施設ではなく、20年に一度のサイクルで木を張り替える計画がある屋根と部分的な壁がある構造物です。

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マルシェヴィソンは傾斜地に建っています。外側がスロープ路で、内部は階段がある構造です。車椅子では階段を迂回してスロープ路を利用して移動します。

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和ヴィソンやサンセバスチャン通りがあるエリアもアップダウンがあり、一部には急な傾斜路が用意されています。車椅子ではなるべく緩い傾斜路を選び移動する必要があります。

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和ヴィソンやサンセバスチャン通りにある店舗の多くは、車椅子で利用できるバリアフリー構造です。

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しかしほとんどの店舗は傾斜に建つため、隣の店舗に移動するにも、アップダウンがあることが多いエリアです。

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一棟の中に段差があり、2店舗が営業しているお店もあります。車椅子ではそれぞれの出入口から店舗を利用します。

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最後にバリアフリートイレの状況を紹介します。大規模な施設ですが、トイレの数は多くはありません。トイレはマルシェヴィソンに2か所、スゥイーツヴィレッジの店舗内に1つ、そして和ヴィソンに1つです。いずれのトイレにもバリアフリートイレがあります。下記の写真は和ヴィソンのバリアフリートイレです。広いスペースの個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。

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VISONは類を見ない大型施設です。車椅子で利用する場合は、駐車場の選択、アップダウン路や段差路、エスカレーター路に注意してください。

(本稿は2023年6月に執筆しました)

津市にあるバリアフリーな温泉旅館「榊原温泉湯の瀬」を別稿で掲載しています。ご参照ください。