谷川岳ロープウェイ 車椅子で登る天神平 バリアフリー情報

谷川岳ロープウェイ 車椅子で登る天神平 バリアフリー情報

群馬県みなかみ町の日本百名山「谷川岳」に登る「谷川岳ロープウェイ」は、バリアフリー仕様です。実際に車椅子で利用した現地の状況を紹介します。

谷川岳ロープウェイ 車椅子で登る天神平 バリアフリー情報

谷川岳ロープウェイは「谷川岳ベースプラザ」から、標高1,319mの「天神平駅」をむすびます。天神平駅から屋外に出るスロープがあります。ここまでは車椅子で移動可能です。

天神平そのものは自然のままで、バリアフリー歩道はありません。また天神平にある天空レストラン「ビューテラスてんじん」へのルートは階段で、バリアフリールートはありません。

したがって車椅子で出来る事は、ロープウェイから景観を楽しみ、到着後は天神平駅から屋外に出て、可能な範囲で移動しながら眺望や高山植物を楽しむことになります。

谷川岳ロープウェイ

アクセス方法です。日本一のモグラ駅で有名な土合駅が最寄りですが、車椅子利用者は車でのアクセスになります。

谷川岳ベースプラザには有料駐車場があります。駐車料金の障がい者減免制度はありません。

駐車場の入口は坂下の1Fと坂上の6Fの2か所あります。駐車場は1Fから7Fまでのフロアが使用されています。

駐車場の入口は坂下の1Fと坂上の6Fの2か所

駐車場にはエレベーターが4基あり各フロアを結びます。身障者用駐車区画も複数のフロアに用意されています。

谷川岳ベースプラザには有料駐車場

1F、6Fのどちらの入口を利用しても身障者用駐車区画が利用できます。入場時に駐車場スタッフに車椅子利用を申告して誘導を受けて下さい。

谷川岳ベースプラザには有料駐車場

ベースプラザのバリアフリー状況です。谷川岳ロープウェイの切符売場は6Fです。どのフロアに駐車しても、先ずはエレベーターで6Fへ移動します。

6F内はフラットでスペースに余裕があります。売店や食堂があり、いずれも車椅子で利用できます。

ベースプラザのバリアフリー状況

バリアフリートイレは6Fにあります。ユニバーサルベッドはありませんが、一般的な仕様のトイレです。天神平駅にはバリアフリートイレはありません。

障害者用トイレは6F

ロープウェイの乗り場は7Fで連絡します。6Fから7Fへはスロープで移動します。少し傾斜は強いスロープですが、一般的な車椅子利用者ならなんとかなる傾斜です。

エレベーターで7Fへ上っても、駐車場に連絡するだけで、ロープウェイ乗り場には連絡できません。このスロープを行き帰りとも通ります。

6Fから7Fへはスロープで移動

7Fに上がるとロープウェイ乗り場まではフラットな連絡通路を通ります。車椅子での移動に問題はありません。

ロープウェイ乗り場まではフラットな連絡通路

谷川岳ロープウェイの乗車料金は障がい者減免制度があり、本人が半額に、1種の手帳の場合は介助者1名まで半額に減免されます。6Fのチケット売り場で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。

6Fのチケット売り場

谷川岳ロープウェイのバリアフリー構造です。ロープウェイ乗り場はフラットな構造で段差はありません。

谷川岳ロープウェイのバリアフリー構造

谷川岳ロープウェイのバリアフリー構造

プラットフォームとゴンドラの間は、隙間なく補助装置が出る構造で、衝撃なく安全に車椅子で乗降が可能です。

プラットフォームとゴンドラの間は、隙間なく補助装置が出る構

プラットフォームとゴンドラの間は、隙間なく補助装置が出る構

プラットフォームで乗降する間は、ゴンドラはとてもゆっくりと移動するので、車椅子での乗降に多少時間がかかっても問題はありません。

ゴンドラはとてもゆっくりと移動

ただしゴンドラの乗降口の横幅に余裕がありません。次に詳しく紹介します。

車椅子で乗車する場合は、スタッフが椅子席を跳ね上げてゴンドラ内のスペースを拡張します。

ロープウェイ車椅子乗車の注意点

ゴンドラの乗降ドアの広さは十分で問題はありません。高さも余裕があるので問題ありません。

ゴンドラの乗降ドア

問題は横幅です。ゴンドラ内に入り、跳ね上げたシートスペースに入る箇所が、一般的な車椅子のサイズでギリギリの幅です。横幅が広いタイプの車椅子や、横に器具が付いている車椅子では、入らない可能性があります。タイヤが太い車椅子も同様です。幅広の車椅子の場合は、利用の可否を事前に相談されることをお薦めします。

一般的な車椅子のサイズでギリギリの幅

車椅子は横向きでゴンドラに入ります。乗車スペースが狭いので、一般的な車椅子でも向きを正面に変えることは困難です。小型の車椅子であれば、ゴンドラ内で90°回転させて正面を向くことが出来るかもしれません。

車椅子は横向きでゴンドラに入ります

原則、横向きの乗車になるので、バックで乗車して、前進して降車するのが一般的です。必要に応じて、乗降はスタッフが介助していただけます。

谷川岳ロープウェイ

天神平駅のバリアフリー状況です。天神平駅の乗降設備及びバリアフリー環境は、ベースプラザと同様です。

天神平駅

天神平駅のバリアフリー状況

舗装スロープ路があり、天神平の屋外に車椅子で移動できます。

天神平駅のバリアフリー状況

その先は自然のままの空間です。路面の荒れ方はひどく、一般的な車椅子利用者なら、かなり無理をしても、見える範囲までの短距離移動が限界です。

天神平駅のバリアフリー状況

天神平駅のバリアフリー状況

前出の通り、レストランの利用は階段を通ります。バリアフリートイレはありません。

天神平駅のバリアフリー状況

1,502mの展望台へはペアリフトが運行していますが、車椅子での利用は出来ません。

天神平駅

谷川岳ロープウェイは、車椅子で標高1,319mの天神平へ登ることが出来ます。ただし幅の広い車椅子を利用している方は、注意して下さい。

みなかみ町の「道の駅みなかみ水紀行館」を別稿で紹介しています。ご参照ください。

(本稿は2019年9月の取材に基づいています)