新宿御苑 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

正式な名称は「環境省国民公園新宿御苑」です。新宿御苑は一部車椅子での利用が難しい箇所があります。現地のバリアフリー状況を紹介します。

3つの入苑門があります。「新宿門」は新宿三丁目駅または新宿御苑駅から、「大木戸門」は新宿御苑駅から、「千駄ヶ谷門」は千駄ヶ谷駅から、いずれも徒歩5分程度の距離で、車椅子でのアクセスに決定な問題がある入苑門はありません。

来苑者用駐車場は「大木戸門」の近くにあり、身障者用駐車区画があります。駐車料金は、運転者本人が障害者手帳を持っている場合、無料に減免されます。

3つの門と駐車場

入園料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。入苑門のゲートの中で、有人窓口に面したゲートを通り、スタッフに手帳等を提示する運用です。

入園料の障害者減免制度

園内散策路のバリアフリー概況です。苑内の主な散策路は舗装路面で車椅子での通行は可能です。ただし経年劣化で路面が荒れている箇所が多数あります。また小さなデコボコがある箇所や、一部区間が未舗装になる散策路があります。車椅子は慎重に移動してください。

園内散策路のバリアフリー概況

苑内のトイレにはバリアフリートイレが用意されます。ユニバーサルベッド(大型の介助シート)を備えたバリアフリートイレもあります。

園内散策路のバリアフリー概況

「中央休憩所」は段差なく利用できるルートがあります。「旧御涼亭」の入口は段差解消スロープが用意されます。ただし亭内の床面は小さなデコボコがあるので車椅子では慎重に移動してください。

園内散策路のバリアフリー概況

車椅子での通行が特に難しい箇所を紹介します。苑内の案内図で砂利道が表示されています。その中でも「バラ花壇」の周囲は、石が大きく砂利が深いので、車椅子での通行は困難です。

車椅子での通行が特に難しい箇所

「バラ花壇」の両脇にある「プラタナス並木」も荒れた砂利路面で、車椅子での通行はかなり苦労します。

車椅子での通行が特に難しい箇所

「バラ花壇」から芝生広場方面への未舗装面は、路面固く砂利が浅いので、車椅子でも何とか移動可能です。

車椅子での通行が特に難しい箇所

「風景式庭園」の芝生広場内は、ほぼフラットな芝なので頑張れば車椅子で移動可能です。

車椅子での通行が特に難しい箇所

「日本庭園」内の散策路は砂利路面です。

車椅子での通行が特に難しい箇所

特に茶室に向かう道や「旧御涼亭」に向かうルートは坂道で、車椅子での移動は苦労します。

車椅子での通行が特に難しい箇所

2019年4月30日から、原則土日祝日、「旧洋館御休所」の内部が一般公開されています。

旧洋館御休所の一般公開

所内へは段差を上り、内部は靴を脱いで見学します。所内見学コースの途中にも段差があります。車椅子のままでの「旧洋館御休所」内部見学は出来ません。

旧洋館御休所の一般公開

「大温室」の鑑賞ルートは車椅子で通行可能です。

大温室はバリアフリー施設

入口の先左側にバリアフリートイレがあります。

大温室はバリアフリー施設

最初にあるのは「人と熱帯の植物」。バナナがなっています。次が「熱帯池沼の食物」。池がありオオオニハスなどが咲きます。

大温室はバリアフリー施設

池に流れ込む滝があり、滝壺の横を進むと、次は「沖縄コーナー」。マングローブを構成する植物があります。

その先は「熱帯低地の植物」。ジャングルの植生というイメージで、見慣れない植物が多いゾーンです。

進むと「小笠原コーナー」。絶滅が危惧される希少な小笠原固有種が展示されています。ここから先はルートが緩い上り坂。

上り坂の脇にあるのが「乾燥地の植物」。サボテンなどの展示コーナーです。更に上ると滝壺の上部行き、温室全体を高い位置から観察することが出来ます。

その先は緩い下り坂。次のコーナーは「熱帯山地の植物」。珈琲の木など、山地に自生する植物の展示です。

大温室はバリアフリー施設

新宿御苑の温室の歴史は、明治8年に始まります。最初の温室は100㎡のガラス張り。明治26年に過湿式の洋風温室に改築。戦争で喪失した後、昭和26年に暫定公開が始まり、昭和33年に第三代の温室が完成。そして2012年に、第四代バリアフリー温室へと建て替わりました。

新宿御苑は、バトミントン、ボール、フリスビーなど遊具の使用は禁止です。「千駄ヶ谷休憩所」に近い「こども広場」だけは、小学生以下に限り、柔らかいゴムボールや縄跳びなど、他者に危険を及ばさない遊具の利用が認められます。

また指定のエリアに限定されますが、テーブルや椅子の持ち込み利用が認められるようになりました。しかしテントや火気の使用、音響機器、アルコール類の持ち込みは、一切禁止されています。

多くの来苑者で賑わう「春の特別公開」の期間は、アルコール類の持ち込みを禁止するため、近年手荷物チェックが行われます。ピーク時は検査に10分以上待つこともあります。このような状況の時に、もっとも入苑に時間がかかるのは「新宿門」です。

新宿御苑は舗装された散策路は車椅子で移動できます。ただし路面が荒れている箇所が多いので、車椅子を慎重に進めて下さい。

日本武道館などがある「北の丸公園」は、新宿御苑と同じ環境省管轄の国民公園です。別稿で掲載しているのでご参照ください。

(本稿は2019年6月の取材に基づいています)

本郷給水所公苑バラ園と水道歴史館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

東京のバラの名所「本郷給水所公苑」は給水所の屋上にあります。隣接する「東京都水道歴史館」と併せて、現地のバリアフリー状況を紹介します。

「本郷給水所公苑」

所在地は東京都文京区本郷。御茶ノ水駅と水道橋駅の中間にある、東京都水道局が管理する「本郷給水所」の上部を人工地盤にして造られた公苑です。

公苑は和風庭園と洋風庭園に分かれ、バラ園は洋風庭園にあります。53品種、300株のバラが植えられていると公表されています。

本郷給水所公苑バラ園と水道歴史館

屋上庭園なので車椅子で行くとスロープを上ります。スロープは2箇所あります。

本郷給水所公苑バラ園と水道歴史館

車椅子利用者に推奨されているスロープは、公苑の南側、順天堂大学側のスロープです。

順天堂大学側のスロープ

公苑の西側のスロープは傾斜角度が強く、入口には自転車の通行を妨げる棒が3本立てられています。

公苑の西側のスロープ

車椅子用の南側スロープを上ると和風庭園側に入ります。和風庭園内は段差路が多く、車椅子での庭園内散策には不向きな路面です。公苑の外周路がフラットなので、車椅子では公苑の縁に沿うようにして洋風庭園に進みます。

和風庭園は段差路

洋風庭園内はほぼ全域車椅子で通行可能なフラット路面です。

バラ園は車椅子での散策可

バラ園は車椅子で移動できます。

バラ園は車椅子での散策可

開花シーズンは春と秋です。

バラ園は車椅子での散策可

「東京都水道歴史館」

「本郷給水所」の一角に建てられた無料の歴史博物館です。来館者用の専用駐車場はありません。

本郷給水所公苑バラ園と水道歴史館

1995年に開設された歴史館ですが、改装されて車椅子で見学ができます。3F構造でエレベーターがあります。かごのサイズが大きい車椅子で乗り込めるエレベーターです。

本郷給水所公苑バラ園と水道歴史館

バリアフリートイレは1Fにあります。一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。

本郷給水所公苑バラ園と水道歴史館

見学コースは2Fから始まります。2Fが江戸時代の水道の歴史の紹介、1Fが明治以後の歴史の紹介です。3Fはライブラリーで、水道に関わる図書や資料があり、閲覧が出来るフロアです。多言語対応の音声ガイダンス端末の無料貸出サービスがあります。2Fには江戸時代に使われた水道管などの実物展示や、長屋の再現などがあります。

「玉川上水ものがたり」のコーナーは、玉川兄弟の上水開発の物語を、アニメと人形劇で紹介しています。玉川上水は1654年に開設。江戸幕府が開かれて約50年後に完成した上水路。玉川上水が出来る前の江戸市民の水に関わる苦労話も紹介。江戸市民の生活をかけた上水開発の歴史を学べます。

本郷給水所公苑バラ園と水道歴史館

エレベーターで下りると、1F展示順路の途中にでます。ここの展示構成は、コース順に従って見たほうが楽しめます。

本郷給水所公苑バラ園と水道歴史館

最初は「癒しの水風景」からで、村山貯水池の取水塔の実物大のレプリカの中を通ります。村山貯水池は1927年、山口貯水池は1934年、そして小河内ダムが1957年の完成です。

その先には、牛馬用・犬猫用・人間用と3つの水飲み場が設けられた水道栓「馬水槽」のレプリカ展示。そして日本最大級の水道管の展示があり、明治以後の近現代の水道史が学べます。

現在の東京都内の区市の水道供給ライン編成の解説があります。この区は「金町浄水場」ライン、あの区は「朝霞浄水場」ライン、というエリア別の分布が可視化された模型で学べます。複雑にラインが入り組んだエリアや飛び地などがあり、とても勉強になります。

本郷給水所公苑バラ園と水道歴史館

1Fの休憩コーナーには、東京水をいただける給水コーナーがあります。

本郷給水所公苑バラ園と水道歴史館

「本郷給水所公苑」は車椅子でスロープを上りバラ園を楽しめます。「東京都水道歴史館」は車椅子で見学が出来るバリアフリー施設です。

江東区有明にある、下水について学ぶ「虹の下水道館」を別稿で掲載しています。ご参照ください。

(本稿は2022年9月に加筆しました)

東京都現代美術館・木場公園 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

2019年3月、大規模な改修をおえて東京都現代美術館が約3年ぶりにリニューアルオープンしました。隣接する木場公園と併せてバリアフリー状況を紹介します。最初にリニューアルによりバリアフリー化が進んだ箇所を紹介します。

東京都現代美術館

バリアフリートイレは全部で6か所あります。設備は多くのトイレで更新されました。下の写真は企画展示室2Fのバリアフリートイレです。ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

東京都現代美術館

また読者からの情報では、ベッドでの休憩や医療行為等が必要な障がいのある方は、救護室を利用させていただけるようです。詳しくは施設にご相談ください。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

企画展示室のエレベーターが1基増設され、1系統2基になりました。フロア別に開催される企画展の観覧では、1Fを基準階にして、2基を地階行きと上階行きに設定して運行します。

東京都現代美術館

1Fの中庭がパブリックスペースとして開放されました。ミュージアムショップの横に出入口があり、車椅子で中庭に出ることができます。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

中庭は2Fにつながりますが、ここは階段ルートだけです。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

レストラン「100本のスプーン」が改装されました。フラット構造で余裕のあるスペース、主に家族連れの利用を想定したレストランですが、車椅子で利用できます。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

施設中央部にミュージアムショップがあります。

東京都現代美術館

1Fのミュージアムショップ内の通路が、スペース的に余裕ができ、より車椅子で利用しやすくなりました。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報B1の美術図書室もレイアウトの見直しなどにより空間的な余裕が生まれました。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

貸出用の車椅子やベビーカーが多数用意されました。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

以下、東京都現代美術館全般のバリアフリー状況です。

東京都現代美術館は最寄りの駅から徒歩10分程度の距離があります。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

美術館専用の駐車場があります。身障者用駐車区画はリニューアル前と変わらず、屋外と地下に用意されます。

東京都現代美術館

屋外駐車場は屋根無しですが、エレベーターを利用せずにメインエントランスから館内に入ることができます。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

地下駐車場は雨天でも濡れずに美術館を利用できますが、上下階移動は1基のエレベーターになります。

東京都現代美術館

専用駐車場へは三ツ目通りから左折で入ります。屋外の身障者用駐車区画を利用したい場合は、駐車場スタッフに申告してください。

地下駐車場を利用したい場合はそのまま地下へ向かいます。B1に3台分の身障者用駐車区画があります。

東京都現代美術館

地下駐車場を利用すると機械式ゲートで駐車券が発行されます。障害者手帳の提示で駐車料金が減免されるので、受付で手続きを行ってください。無料券を発行していただけます。地下駐車場から自動ドアを通り、美術館B2へ移動します。

東京都現代美術館

東京都現代美術館有料展の観覧料は、障害者手帳の提示で本人と介助者2名まで無料に減免されます。展示室入口で手帳を提示する運用です。展示室は「コレクション展示室」と「企画展示室」があります。

東京都現代美術館

コレクション展示室のバリアフリー状況です。各フロアはフラットな構造で、上下階移動は1系統2基のエレベーターの利用。展示方法はその都度変わりますが、通常は車椅子で観覧できる展示です。

東京都現代美術館

企画展示室のバリアフリー状況です。企画展により設定は変りますが、基本構造はバリアフリーです。前出の通り、エレベーターが増設されました。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

講堂や研修室のバリアフリー状況です。B2にある講堂や研修室を利用する場合は、1Fからの専用エレベーターを利用します。B2にもバリアフリートイレがあります。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

屋外の状況です。リニューアルにより美術館の外側サインがデザイン変更されています。また屋外展示もあります。

東京都現代美術館

無料エリアですが、パークサイドエントランス周辺も見逃せないポイントです。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

次にパークサイドエントランスから「木場公園」へ。公園のバリアフリー概況を紹介します。

東京都現代美術館

木場公園は都立公園です。中央部に川があり北側エリアと南側エリアに分かれます。その両方に駐車場があり、木場公園駐車場は障がい者減免制度があります。また両エリアにある公衆トイレにはバリアフリートイレがあります。

東京都現代美術館があるのは北側エリアです。美術館を起点にして、目の前がフラットな未舗装路面の「多目的広場」、その横に「テニスコート」があります。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

公園を南に進むと「イベント広場」があります。正面は階段ルートなので、車椅子は迂回してスロープ路を上ります。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

その先に南北エリアを結ぶ「木場公園大橋」があり、車椅子で通行できます。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

南側エリアのバリアフリー状況です。「木場公園大橋」を渡ると「噴水広場」があります。その左側は大型遊具がある未舗装の「南の冒険エリア」です。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

舗装路を下ると右手は「入口広場」で、木材が浮かぶ「イベント池」があります。正面が広い芝生の「ふれあい広場」や「バーベキュー広場」、その横は「都市緑化植物園」です。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

南側エリアは舗装路を通る限り車椅子での通行は可能です。

車椅子で行く東京都現代美術館・木場公園バリアフリー情報

木場公園はバラの名所でもあります。バラ園の詳しいバリアフリー情報は、別稿「東京下町木場 車椅子で薔薇を楽しむバリアフリーな散歩道」を参照してください。

東京都現代美術館は車椅子利用者に優しいバリアフリー美術館です。隣接する木場公園は車椅子で散策できます。

(本稿は2022年8月に加筆しました)