名古屋オアシス21 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

名古屋の中心地を象徴する「オアシス21」は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

「オアシス21」は名古屋中心地の公園でもあります。地上フロアの屋外に広がるスペースは「緑の大地」。芝生広場が広がり、桜などが植栽されるオープンな空間です。

久屋大通公園などからアクセスは、段差解消箇所があるので車椅子での移動は可能です。「緑の大地」のトイレにはバリアフリートイレが用意されています。

車椅子で行く名古屋 オアシス21 バリアフリー情報

地上14mの高さに浮かぶ「水の宇宙船」の屋上部は開放されています。エレベーターは地下階から屋上までつながる1基のみで、エスカレーターは無く、階段しかありません。

車椅子で行く名古屋 オアシス21 バリアフリー情報

したがってエレベーターが混みあうことがあり、運が悪いと地上階からはなかなか車椅子でエレベーターに乗れないことがあります。

車椅子で行く名古屋 オアシス21 バリアフリー情報

宇宙船の屋上外周は園路になっています。フラットな構造で道幅にも余裕があるので、車椅子での空中散歩は可能です。

車椅子で行く名古屋 オアシス21 バリアフリー情報

106m×36mのオパール形状の宇宙船は、約150tの水が満たされています。「水の宇宙船」の屋上部にはトイレはありません。

車椅子で行く名古屋 オアシス21 バリアフリー情報

地下は2層構造で、B1に相当するフロアはバスターミナルに直結します。地上階から地下フロアへは、別のエレベーターがあります。また地上階からスロープで地下へ降りることもできます。このフロアのトイレにもバリアフリートイレがあります。

B2に相当する地下フロアは、イベントなどが開催される「銀河の広場」。フラットな構造で車椅子での利用は可能です。このフロアのトイレにもバリアフリートイレがあります。

「銀河の広場」の横にオアシス21の商業施設がありショップやグルメ店が並びます。広場から商業施設にかけても、車椅子での移動が可能なフラット構造です。そして「銀河の広場」のフロアから、栄の地下街に直結します。

車椅子で行く名古屋 オアシス21 バリアフリー情報

「銀河の広場」を起点として栄地下街に入ると、目の前が名鉄栄町駅です。そこから北方面の地下鉄久屋大通駅までは、段差なく車椅子で地下街を移動できます。

南方面の地下鉄栄駅に向かうと段差があります。ここには段差を迂回する「簡易エレベーター」があります。小さなエレベーターなので、大型の車椅子は入らない可能性があります。

車椅子で行く名古屋 オアシス21 バリアフリー情報

ここをクリアできれば、栄の三越まで地下街に段差はありません。地下街からは三越のB2に直結します。三越内のB2からB1への移動は狭いエレベーターになります。三越B1から上のフロアは一般的なエレベーターがあります。

車椅子で行く名古屋 オアシス21 バリアフリー情報

「オアシス21」の「水の宇宙船」は、広がる水面と名古屋中心部の景観を楽しみながら、車椅子で散策ができます。

(本稿は2019年4月の取材に基づいています)

「名古屋城 車椅子観光ガイド バリアフリー情報」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

車椅子で行く新宿地下通路バリアフリー情報 雨に濡れずにどこまで行けるか

新宿駅周辺には地下通路がありますが、車椅子で利用できるルートは限られます。JR新宿駅を起点にして、段差が無く、且つ雨に濡れずに車椅子で行くことが出来る地下通路の範囲を紹介します。

新宿駅東西自由通路

〇新宿駅東西自由通路

2020年7月から供用された新しい地下通路です。文字通り、西口地下広場と東口地下広場を結びます。

新宿駅東西自由通路

現時点では駅改良工事中で通路脇は囲いなどがある状況ですが、車椅子での移動は可能です。

新宿駅東西自由通路

○中央通り地下通路

新宿駅西口地下から都庁方面に伸びる地下通路です。地下区間内は道路の横断は出来ません。西口地下ロータリーで、右ルートか左ルートを選択します。

右ルートでは「新宿センタービル」までは雨に濡れません。左ルートは「京王プラザ」の手前で屋外に出ます。わずかな距離ではありますが、京王プラザへは屋外のロングスロープを利用します。

新宿地下通路バリアフリー情報

○ワンデーストリート

新宿駅西口地下から「京王モール」を抜け「京王新線」の乗り場から、「ワシントンホテル」まで繋がる地下通路です。

「ワンデーストリート」には複数箇所、階段箇所があります。新宿駅方面から車椅子でいけるのは「ヤマダ電機」までです。その先に最初の段差があります。逆にワシントンホテル側からだと、すぐに段差があります。

新宿地下通路バリアフリー情報

○シーズンロード

ワンデーストリートの中間地点から「新宿モノリス」を経由して、京王プラザホテルの横「中央通り地下通路」出口付近を結ぶ地下通路です。「シーズンロード」へは、車椅子で段差なく、且つ雨に濡れずにはたどり着けません。そして「シーズンロード」自体に、途中に段差箇所が多数あります。

新宿地下通路バリアフリー情報

「ワンデーストリート」と「シーズンロード」の段差箇所には、車椅子利用者用のインターフォンが設置されています。しかし全ての段差でサポートを受けるのは、とても手間がかかります。

新宿地下通路バリアフリー情報

○メトロプロムナード

地下鉄丸の内線新宿駅から新宿三丁目まで繋がる地下通路です。新宿駅西口地下からは、数段の段差をエレベーターで回避します。

新宿駅西口地下

同東口地下街からはスロープで移動できます。

新宿駅西口地下

「メトロプロムナード」は終点の伊勢丹まで車椅子で行くことが出来ます。途中にある多くの商業施設へも、車椅子で移動可能です。ただし紀伊國屋書店など、一部のビルは段差があり車椅子では移動できません。

新宿地下通路バリアフリー情報

○新宿サブナード

西武新宿駅地下方面から、靖国通りの地下を伸びる地下街です。2023年に「メトロプロムナード」の連絡箇所にエレベーターが設置されました。

サブナード

ここ以外に「新宿サブナード」を車椅子で雨に濡れずに行くには、「西武新宿駅」から駅ビル「PePe」経由で地下に下りるか、車でサブナードの地下駐車場を利用します。これ以外に段差回避するルートは2つありますが、いずれも地上屋外を経由します。新宿駅地下と繋がる雨に濡れない地下ルートは、階段とエスカレーターを利用するルートしかありません。詳しくは別稿「新宿サブナード 車椅子で通行可能なバリアフリールート情報」を参照してください。

新宿地下通路バリアフリー情報

○新宿東口から南口周辺の状況

新宿東口から南口周辺は、段差が無く、且つ雨に濡れずに車椅子で行くことが出来るルートはありません。新宿駅東口地下からは「メトロプロムナード」以外は、地上屋外に出るルートしかありません。

「バスタ新宿」や「ニュウマン」方面から、雨に濡れずに新宿駅地下に下りるには、入場券を購入して新南改札から駅構内を利用します。このルートは駅構内でエレベーターを利用します。

新宿地下通路バリアフリー情報

JR新宿駅の地下を起点にして、段差が無く又は簡単に回避出来、且つ雨に濡れずに車椅子で行くことが出来る範囲は、現時点では以下になります。

①「中央通り地下通路」の「新宿センタービル」まで

②「ワンデーストリート」の「ヤマダ電機」まで

③「メトロプロムナード」全線及び「新宿サブナード」

(本稿は2023年6月に加筆しました)

新宿サブナード 車椅子で通行可能なバリアフリールート情報

新宿東口側、靖国通りの下にある地下街「新宿サブナード」は、1973年に開業しました。それ以後、本格的なバリアフリー改修は行われていません。靖国通りの歩道に「新宿サブナード」への入口が多数ありますが、すべて階段です。エレベーターはありません。

2023年にJR新宿駅から地下鉄新宿三丁目駅をつなぐ地下通路と「新宿サブナード」の連結箇所にエレベーターが設置されました。これによって車椅子で「新宿サブナード」にアクセスできるルートが大きく変わりました。

サブナード

2023年6月現在、周囲は工事中です。

サブナード

エレベーターが1基、稼働しています。

サブナード

この他の車椅子でアクセスできるルートを紹介します。

○西武新宿PePeルート

昔からあり、数年前までは車椅子で行く唯一のルートであったのが「西武新宿PePe」B2からのルートです。

新宿サブナード 

「西武新宿PePe」には1系統2基のエレベーターがあります。西武新宿駅の降車口からの利用なら2Fで、それ以外の場合は1Fでエレベーターを利用してください。

新宿サブナード 

1F・2Fともにエレベーター乗降場所周辺には決定的なバリア構造箇所はありませんが、やや狭く人が多いので快適に車椅子で利用できるエレベーターではありません。そしてこのエレベーターは混むことが多く、2基中の1基が「車椅子・ベビーカー優先」になってはいますが、健常者の利用が多いエレベーターです。

B2でエレベーターをおりて「西武新宿PePe」地下出口へ進みます。右手に進むと段差なく「新宿サブナード」に行くことが出来ます。

新宿サブナード 

○LABI新宿東口館ルート

大きなビジョンが目立つ、ヤマダ電機の「LABI新宿東口館」B2からのルートです。現時点では、このルートが最もお薦めです。

地上路から「LABI新宿東口館」1Fへ入館してください。エレベーターはメイン系統が3基、そしてB3と1F間だけを結ぶ系統が1基あります。どちらも車椅子で利用できますが、混雑時は比較的空いているB3と1F間だけを結ぶ1基のエレベーターの利用をお薦めします。1Fの乗り場は靖国通り側の入口に近い場所です。B2でおりると「新宿サブナード」連絡口の近くに出ます。

「LABI新宿東口館」B2連絡口から「新宿サブナード」へ出る箇所は、サブナードが傾斜路になっています。そのため連絡通路の約半分には段差があります。車椅子ではフラットな連絡通路の右側半分を通り、「新宿サブナード」へ出るようにしてください。

新宿サブナード 

○三平ストア新宿店ルート

通路が狭くて混雑していることも多く、且つあまり利用すると営業妨害になる可能性もあるので積極的にはお薦めしませんが、三平ストア新宿店の1Fからエレベーターを利用して「新宿サブナード」へ行くことが出来ます。

1Fは靖国通りに面し段差なく店内に入店できます。左手奥にある2基のエレベーターで地階の食品売り場へ下ります。食品売り場内の通路を車椅子で通り抜けると、「新宿サブナード」に出ます。

○駐車場ルート

車で利用する場合は、サブナードB2地下駐車場からエレベーターで「新宿サブナード」に上がることができます。このエレベーターは駐車場とサブナード間だけで、地上には連絡しません。

新宿サブナード 

身障者用駐車スペースは複数箇所用意されています。また駐車料金は身体障害者手帳等の提示で30分無料に減免されます。

○バリアフリートイレの利用方法

「新宿サブナード」には1つバリアフリートイレがあります。このトイレのドアはロックされています。ドア横にあるインターフォンで利用したい旨を連絡すると、リモート操作でロック解除されます。トイレに入り手動で内側からカギを閉めて利用します。

出るときはトイレ内の指定のボタンを押し、手動のカギを開けます。利用後にドアが閉まると、オートロックがかかります。

新宿サブナード ○サブナード内のバリアフリー状況

サブナード内の通路は、一部傾斜はありますが、目立つ段差はありません。ショップやグルメ店のバリアフリーレベルはそれぞれですが、概ね車椅子で利用できるお店が多い状況です。「新宿サブナード」自体は、車椅子で利用できる地下街です。

新宿サブナード 

「新宿サブナード」は車椅子でのアクセスルートが限定的です。本稿が参考になれば幸いです。

別稿でJR新宿駅を起点にして、段差が無く、且つ雨に濡れずに車椅子で行くことが出来る地下通路の範囲を紹介する「車椅子で行く新宿地下通路バリアフリー情報 雨に濡れずにどこまで行けるか」を掲載しています。こちらもご参照ください。

(本稿は2023年6月に加筆しました)