秩父の史跡 鉢形城歴史館 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

埼玉県寄居町の鉢形城は、昭和7年に国指定史跡となった戦国時代の代表的な城郭です。現在では鉢形城跡を整備した「鉢形城公園」が無料公開され、ガイダンス施設として有料の「鉢形城歴史館」が開館しています。公園はバリアフリーではなく、車椅子で散策できる範囲は限定的。「鉢形城歴史館」はバリアフリー施設で、入館料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。

鉢形城歴史館

ただし一般入場口から鉢形城歴史館に入館すると、展示室がある地階フロアへはエレベーターがなく階段で下ります。そのため車椅子利用者は地階の高さにある身障者用駐車スペースの利用が推奨されています。しかし受付は上階にしかありません。そのため入館は以下の手順になります。

鉢形城歴史館

先ずは一般駐車場を利用して上階の受付に進みます。駐車場からエントランスまではフラットな構造なので、介助者がいなくても問題ありません。

鉢形城歴史館

上階の受付で入館手続きを行います。有料入場者は入館券を発券していただきますが、障がい者減免制度による無料入館者は何もありません。上階スタッフが地階スタッフへ、受付を済ませた地階からの入館者がある旨の連絡をするそうです。

車で地階の高さにある身障者用駐車スペースに移動します。2台分の駐車スペースがあります。

鉢形城歴史館

そこからフラットな歩道路面を通り地階の入口へ進みます。出入口のドアは手動ドアです。展示室は地階のみで、観覧後の退館ルートは入館と同様です。

鉢形城歴史館

地階の出入口近くにバリアフリートイレがあります。一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。

鉢形城歴史館

近年展示のリニューアルが行われたと思われます。特にジオラマと映像を組み合わせた展示解説は秀逸です。現時点では7分半のコンテンツが2本用意されています。車椅子で観覧できるので、ぜひ2本立てでご覧下さい。

秩父地方の寄居町にある鉢形城歴史館は車椅子で観覧できるバリアフリー施設です。秩父ドライブ観光の際にはお立ち寄りください。

(本稿は2023年5月に執筆しました)

埼玉県寄居町にある荒川をテーマにした「埼玉県立川の博物館」のバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

特別史跡 静岡市 登呂遺跡 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

登呂遺跡は日本の稲作文化が初めて証明された遺跡で、科学的な日本考古学の出発点となった史跡です。昭和18年に発見され、昭和22年から3年間本格的な調査が行われました。その後平成11年から5年間かけて再発掘調査が実施され、その調査結果に基づいて遺跡が再整備されました。

見学施設としては、登呂ムラの地形や住居、倉庫などを復元した「東側居住域」、メモリアル広場などが整備された「西側居住域」、弥生の水田が復元されているエリア、静岡市立登呂博物館、有料駐車場などで構成されています。

登呂遺跡

住宅街にある史跡ですが徒歩圏に駅はありません。アクセスは車が便利で、有料駐車場があります。駐車料金の障がい者減免制度はありませんが、身障者用駐車スペースは設けられています。

登呂遺跡

静岡市立登呂博物館はバリアフリー施設で、1Fは無料展示エリア、2Fは有料展示エリア、屋上はテラスになっています。

登呂遺跡

1Fと2Fにバリアフリートイレがあり、エレベーターで屋上まで利用できます。また有料展示エリアの観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。

登呂遺跡

館内の復元展示物は車椅子で観覧できます。

登呂遺跡

無料展示室は写真撮影ができます。

登呂遺跡

平地式住居、高床式倉庫などの展示があり、登呂遺跡の概要が理解できます。

登呂遺跡

博物館から「学びの広場」方面に段差なく移動できます。

登呂遺跡

博物館は平成22年にリニューアルオープンしました。

登呂遺跡

学びの広場から登呂遺跡が復元された「東側居住域」へ向かいます。通路は未舗装ですが、硬くデコボコが少ない路面なので、車椅子が動きます。

登呂遺跡

しかし復元施設の周囲はデコボコや段差があります。車椅子では無理のない範囲に限られた見学になります。

登呂遺跡

高床式倉庫はかなりの無理をすれば、車椅子で近づけます。

登呂遺跡

平地式住居の内部見学は、車椅子では困難です。

登呂遺跡

車椅子では近づくことさえ困難な平地式住居もあります。また復元水田のあぜ道はデコボコが激しいので、車椅子での通行は困難です。

登呂遺跡

特別史跡登呂遺跡の車椅子での見学は、復元エリアの見学は部分的に可能、博物館はバリアフリー施設です。

静岡市を代表する観光地「三保の松原」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年10月に執筆しました)

足が悪い人のための 御茶ノ水 湯島聖堂 見学ガイド バリアフリー情報

東京都文京区湯島の湯島聖堂は、階段路と段差が多い施設で、車椅子での見学はほとんどできません。車椅子で施設内に入ることができるのは「西門」です。

湯島聖堂

門の下に小さな段差はありますが、車椅子で乗り越えることが出来ます。

湯島聖堂

西門から杏壇門の前までは車椅子で移動できます。昭和10年に建造された杏壇門は3段の階段があります。

湯島聖堂

門の下にも段があります。杏壇門の前から同じく昭和10年に建造された大成殿を見学するのが、車椅での限界です。

湯島聖堂

杏壇門の段差を通過できる人は、大成殿前の広場に進めます。杏壇門の下には「計り」が展示されています。

湯島聖堂

大成殿は回廊に囲まれています。広場はフラットな舗装路面です。

湯島聖堂

回廊内に絵馬掛けがあります。

湯島聖堂

大成殿の中には孔子、孟子、顔子、曾子、子思といった聖人が祀られています。

湯島聖堂

杏壇門から昌平坂学問所時代の1704年に建造された入徳門までは、長い階段路です。

湯島聖堂

入徳門に近い聖橋門からの通路は階段路です。

湯島聖堂

更に階段路を下ると昭和50年に建立された孔子像があるエリアに進みます。

湯島聖堂

孔子像は段差路の先、未舗装路面に建っています。

湯島聖堂

更に進むと昭和10年に建造された仰高門があります。仰高門も段差がある構造です。

湯島聖堂

仰高門の前は昭和10年に建造された斯文会館と駐車場です。ここが湯島聖堂の正門になります。正門からアクセスして仰高門と斯文会館を見学することは、車椅子でも可能です。駐車場は一般見学者は利用できません。

湯島聖堂

湯島聖堂は昌平坂に沿った傾斜地にある史跡です。車椅子ではごく一部、足の悪い人は無理のない範囲での見学になります。

湯島聖堂

隣接する「御茶ノ水ソラシティ」はバリアフリー施設です。別稿で掲載しているのでご参照ください。

(本稿は2022年9月に執筆しました)