千葉県冨里市に2022年6月に開業した「末廣農場」は、直売所とレスストランが営業する観光施設です。その隣接地には三菱三代目社長「旧岩崎久彌末廣農場別邸公園」が整備されています。両施設のバリアフリー状況を紹介します。

末廣農場へのアクセスは車が便利です。100台強を収容する来場者用の駐車場があり、身障者用駐車スペースが3台分設けられています。

駐車場から施設エントランスにかけて全く段差のないバリアフリー構造です。

バリアフリートイレは施設棟の入口にあります。スペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

施設棟内は中央の通路を挟み、直売所とレストランが営業しています。

直売所では新鮮野菜、物産品、加工品、岩崎久彌氏のつながりで「小岩井農場」の商品などが販売されています。

店舗内に小岩井農場を紹介するコーナーが設置されています。車椅子で買い物ができるバリアフリーなお店です。

レストランはセルフサービスのお店で、喫茶から食事まで幅広いメニューが提供されています。店内はスペースに余裕があり、稼働式のテーブル席があるので、セルフサービスに対応できれば車椅子で利用できるお店です。

末廣農場のお庭に、かつてこの地を走っていたSLが展示されています。運転席に乗り込むことができます。

次に旧岩崎久彌末廣農場別邸公園を紹介します。末廣農場と道を挟んだ立地です。別邸公園用の駐車場も用意されています。入園は無料です。

道路の歩道から園内に入ります。

この地は明治3年に政府の開墾地となり、大正元年に末廣農場が誕生、大正8年から岩崎久彌氏が農場経営に関わり、戦後に久彌氏が移住、久彌氏は昭和30年に90歳でこの地で永眠しました。

園内の歩道の最初の数メートルは、未舗装路風の舗装路です。

その先の通路は未舗装路ですが、硬い路面にウッドチップが撒かれた路面で、車椅子が動きます。旧岩崎久彌末廣農場別邸公園内の散策路は、車椅子で通行できます。

園内にお花畑が整備されています。車椅子で近づけます。

その先にある東屋へも、車で近付くことができます。

そして主屋へと進みます。車椅子が動く未舗装路です。

久彌氏が晩年を過ごした主屋が見えてきます。大正末期から昭和初期の建築と推定されています。庭先には楓の大木があります。

10室以上の部屋がある大邸宅です。現在内部は公開されていません。

近づいて外観を見学します。天井裏や床下の一部は鉄板で補強されている耐震構造ということです。旧岩崎久彌末廣農場別邸公園は、未舗装路を通りますが、車椅子で散策と見学が楽しめる公園です。

千葉県柏市の国重要文化財「旧吉田家住宅歴史公園」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2022年10月に執筆しました)