令和4年1月11日に国土交通省より交通事業者のバリアフリー化進捗状況をまとめた「令和2年度移動等円滑化に関する実績の集計結果」が公表されました。
それによると、ターゲットとしている1日利用者3千人以上の駅は95%、全事業者の車両数の76%がバリアフリー化済みとなりました。公共交通機関のバリアフリー化は、全体としては着実に進んでいます。
集計結果をみると、利用者3千人未満の小さな駅や、設備投資を行う体力がない中小交通事業者のバリアフリー化状況がわかります。令和3年3月時点の、小さな駅と中小交通事業者のバリアフリー化整備状況を紹介します。
〇小さな駅のバリアフリー化状況
総駅数 9,411駅
1日利用者が3千人未満の駅総数 6,160駅
段差が解消されている駅 2,730駅(総駅数の29%)
内基準第4条に適合している駅 1,654駅
基準第4条に適合している駅とは、段差が解消されている駅で、かつ開閉とびらに窓がある、かご内に手すり等が設置されているエレベーターがあるなど、基準に適合している設備がある駅を指します。
駅数を基準にすると約3割の駅に段差があります。
〇中小民鉄車両のバリアフリー化状況
集計結果はJR6社、大手民鉄15社、東京メトロと都営地下鉄、それ以外の中小民鉄に区分されています。
事業用の全車両数 52,649両
大手事業者の車両数 47,216両
内バリアフリー車両数 37,395両(79%)
中小事業者の車両数 5,433両
内バリアフリー車両数 2,480両(46%)
中小民鉄車両のバリアフリー化率は、半数に届いていません。
〇バスのバリアフリー化状況
バス事業者の状況です。
乗合バスのノンステップ車両の比率 64%(前年+2.6)
乗合バスのリフト付き車両の比率 6%(前年+0.3)
バスターミナル全体に占める段差解消施設数の割合 66%(前年+3.6)
いずれも前年よりは比率が向上していますが、ターミナル、車両ともに、バリアフリー化に時間がかかっています。1日当たりの利用者数が3千人以上のバスターミナルは、94%が段差解消されています。
《生きるちから舎ニュース 2022年1月21日付》