厚労省の令和4年度予算案が公開されています。
前年比が大きく伸びているのは、「医療的ケア児への支援の充実」4.0 億円(前年2.2 億円)。
医療的ケア児等への支援の充実を図るため、令和3年9月18 日に施行した「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」に基づく「医療的ケア児支援センター」の設置を推進するとともに、医療的ケア児等への支援者の養成、地域で関係者が協議を行う場の設置、医療的ケア児等に対応する看護職員確保のための体制構築、医療的ケア児等の家族への支援等を総合的に実施する、としています。
予算増額が大きいのは、「重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援」12億円(前年8.9億円)。
重度障害者の地域生活を支援するため、重度障害者の割合が著しく高いこと等により訪問系サービスの給付額が国庫負担基準を超えている市町村に対する補助事業について、小規模な市町村に重点を置いた財政支援を行う、としています。
他には「発達障害児・発達障害者に対する地域支援機能の強化」3.9億円(前年2.7億円)。
発達障害児者の各ライフステージに対応する一貫した支援を行うため、地域の中核で ある発達障害者支援センター等に配置する発達障害者地域支援マネジャーの体制を強化することで、市町村や事業所等が抱える困難事例への対応促進等を図り、発達障害児者に対する地域支援機能を強化する、としています。
新規に予算計上されたのは「障害者ピアサポート研修事業に係る指導者養成研修」10百万円。
都道府県・指定都市における障害者ピアサポート研修事業の実施を推進するため、当該研修事業を担う指導者の養成が必要であることから、国において指導者養成研修を実施する、としています。
前年と同じ予算額の主な政策は以下です。
「障害福祉サービス等提供体制の基盤整備(施設整備費)」 48 億円(前年48 億円)
「雇用施策と福祉施策の連携による重度障害者等の就労支援」7.7 億円(前年7.7 億円)
「障害者虐待防止の推進」6.2億円(前年6.2億円)
「聴覚障害児支援の推進」1.7 億円(前年1.7 億円)
減額予算となったのは「芸術文化活動の支援の推進」3.7億円(前年4.6億円)
障害者文化芸術活動推進法を踏まえ、芸術文化活動(美術、演劇、音楽等)を通した障害者の社会参加を一層推進するため、地域における障害者の芸術文化活動への支援のための都道府県センターの設置促進や全国障害者芸術・文化祭を開催する予算です。
「障害福祉の現場で働く人々の収入の引き上げの実施」については「補助率10/10の交付金」により「障害福祉職員を対象に収入を3%程度(月額9千円)引き上げるための措置を実施する。」と記されています。
《生きるちから舎ニュース 2022年1月20日付》