千葉県野田市の関宿城博物館は、車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。
利根川と江戸川に挟まれた堤防の上に建設された博物館です。かつてこの地にあった「関宿城」の天守閣を忠実に再現した建築で、1995年に開館しました。
博物館のテーマは「河川とそれにかかわる産業」。利根川の洪水と治水の歴史から、経済史、および関宿藩の政治行政史などが紹介されます。
アクセスは車が便利。無料駐車場があり身障者用駐車区画が屋根無しで2台分用意されます。
身障者用駐車区画から段差なく博物館エントランスへ進めます。
エントランス前には段差迂回スロープがあり、その手前には小さな段差を埋めた車椅子用ルートが整備されています。博物館への出入口は自動ドアです。
有料の博物館ですが、観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。展示室入口で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。バリアフリートイレは1Fの無料エリアに1つ用意されます。ユニバーサルベッドはありません。博物館は4フロア構造でエレベーターが1基あります。
1Fに3つの常設展示室があります。展示室1は「近現代の利根川・江戸川」。主に明治時代以降に行われた河川改修工事の紹介や「水塚」の実物大模型などが展示されます。
展示室2は「近世の利根川・江戸川」。江戸時代に行われた利根川の大掛かりな東遷工事などの紹介です。
展示室3は「河川交通と伝統産業」。江戸時代の「高瀬船」の大型模型の展示や、流域の民俗文化の紹介があります。
またゲーム的な操作をする展示があり、子供に人気です。いずれの展示室もフラットでスペースに余裕があり、車椅子で観覧できます。
2Fから上のフロアは小さな展示室になります。2Fは企画展示室。企画展開催期間以外は、関宿藩の歴史や関宿城に関わる資料などが展示されます。
3Fも小さな展示室で関宿の歴史に関する展示があります。両フロアとも室内はフラットで車椅子で観覧できます。
最上階の4Fは天守閣で、展望室になっています。ほぼ360°に展望窓が広がる構造で、窓の位置が低く車椅子からの目線でも眺望を楽しむことができます。
フロア内はフラットで車椅子での移動に問題はありません。
博物館本館の横に別棟があります。本館から駐車場の横を通り進みます。この区間はほぼフラットで車椅子での移動は可能です。別棟の出入口は横開きの手動ドアです。別棟内には小規模なお店があり、新鮮野菜やお菓子、おもちゃなどが販売されています。
別棟の半分は休憩スペースでフリーテーブルと椅子が配置されます。フラットな構造で可動式のテーブル席なので、休憩スペースは車椅子で利用できます。ここでお弁当をいただくことができます。
博物館の展示内容は詳しく、利根川とともにあるこの地方の歴史、文化、産業がよく解ります。千葉県立関宿城博物館は車椅子で観覧できるバリアフリーな博物館です。
(本稿は2019年7月の取材に基づいています)