千葉県佐倉市の「佐倉市立美術館」は、大正時代に建てられた銀行の建物を活用した施設で、車椅子で利用できます。
城下町として繁栄した佐倉の中心部、武家屋敷など数多くの史跡が残るエリアに建つ市立美術館です。4階構造で、2Fが企画展示室、3Fが市民のための展示室、4Fは多目的ホールです。
企画展示室では、有料の企画展や観覧無料の収蔵作品展が開催されます。有料の企画展は障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。
アクセスは車が便利です。美術館のエントランス脇に、一台分の身障者用駐車区画があります。空いていれば自由に使える駐車スペースですが、構造的に入出庫に苦戦する区画です。車庫入れが苦手な人は、近くにある「夢咲くら館」駐佐倉市立美術館車場の利用をお薦めします。身障者用駐車スペースが1台分あります。
3時間までは無料、3時間以上の利用になる場合は美術館の受付で割引券を申請してください。車両ナンバー認証式の駐車場です。精算機で料金を精算してください。
1F正面エントランスの入口は階段があります。車椅子では、正面右手の身障者用駐車区画の奥に進みます。そこに段差のない入口があります。
大正時代に建てられた銀行の建物は、1Fエントランスホールのファザード部で、その奥に新しい4階建ての建物がある構造です。段差のない入口から入ると、奥の新しい建物に入ります。
新しい4階建ての1F部は、ミュージアムショップとカフェでバリアフリーです。そしてこの1Fの男女別トイレ内にバリアフリートイレがそれぞれ用意されています。異性介護では利用でいません。また一般的な個室を拡張したバリアフリートイレで、車椅子は入らない大きさです。異性介護、または広いスペースの個室が必要な人は、「夢咲くら館」のバリアフリートイレを借りることをお薦めします。
4Fまでの上下階移動はエレベーターで。2基あるのでストレスなく車椅子で縦移動ができます。館内は全面的にバリアフリー。車椅子での利用に大きな問題はありません。
「佐倉市立美術館」の建物としての一番の見どころは、旧川崎銀行佐倉支店の内部をそのまま残した「エントランスホール」です。車椅子で館内に入ったら、通常の一般出入口に戻る方向に進みます。この動線ならバリアフリーに「エントランスホール」に行くことができます。高い天井の2階部までの吹き抜け構造のホールは大正時代の建築で、車椅子で見学ができます。
この建物は、銀行から町に売却されて「佐倉町役場」になりました。次には「佐倉市役所」、そして「佐倉市立図書館」、最後は「佐倉新町資料館」。その資料館が1992年に閉館し、1994年に現在の姿になりました。
「佐倉市立美術館」は、大正時代に建てられた銀行の建物を活用していますが、内部はバリアフリーで、車椅子で利用できる美術館です。
(本稿は2023年4月の取材に基づいています)