明治23年に宮内庁のふ化場として開設された、栃木県日光市中禅寺湖のほとりにある施設です。正式名称は「国立研究開発法人水産研究・教育機構日光庁舎」。河川や湖沼などに棲むさけ・ます類について学ぶ観察園です。園内のほとんどは未舗装砂利路面で、車椅子での移動は出来ますが楽ではありません。未舗装路面でも移動できる車椅子利用者に限りお薦めできる施設です。
アクセスは車が便利。園入口の横に来園者用無料駐車場があり、身障者用駐車スペースが設けられています。ここが満車の場合は、道路を横断した場所にある県営無料駐車場の利用が推奨されています。
駐車場から園の入口付近は舗装路面が整備されています。敷地に入り右側にあるのが受付棟です。さかなと森の観察園は有料の施設ですが障がい者減免制度があるので、受付で障害者手帳等を提示して入館手続きを行って下さい。入園者すると魚のエサがいただけます。
昭和11年に建てられた旧庁舎を活用した資料館まで舗装路面が続きます。
資料館の正面右側が車椅子用の段差回避入口です。
手動ドアを開けて資料館内に車椅子で入ることが出来ます。
旧庁舎は皇族の控え室を兼ねて建てられたということ。趣のある館内に資料が展示されています。資料館内は車椅子で観覧できます。
資料館から先、魚が飼育されている池の区間は未舗装砂利路面ですが、車椅子が動かないことはありません。ルートを選び慎重に移動します。
大小6つの池を巡る未舗装砂利路面の観察コースです。車椅子ですべてを巡るのは大変なので、体力に応じて観察することをお薦めします。
受付でいただいたエサをあげると、魚が群がります。小さな子供でも楽しめる企画です。
池で飼育されているお魚に関する解説版があります。ニジマスやレイクトラウトは移入された外来種です。
無理のない範囲で池の観察を終えて、園入口近くにある「おさかな情報館」を目指します。
おさかな情報館は平成18年に開館した施設です。ただし入口までは、舗装路から数メートル砂利路面を横断します。
短い区間ですがゴツゴツした路面を通ります。固い路面でタイヤが埋まることはないので、車椅子が動かないことはありません。
おさかな情報館は靴を脱いで利用する施設です。段差はありません。入口で車椅子のタイヤを拭いて入館します。できれば雑巾を持参されることをお薦めします。
おさかな情報館の内部はバリアフリー仕様です。車椅子から展示資料を閲覧できます。
おさかな情報館は「水産研究・教育機構が行っている『未来を切りひらき、豊かで安全・安心な国民の食生活を守るための研究開発業務』について、ご紹介」する施設です。
おさかな情報館の中にバリアフリートイレがあります。一般的なサイズの個室でウォシュレット付き便器が備えられています。
奥日光のさかなと森の観察園は、未舗装路面を移動する施設です。それができる車椅子利用者にはお薦めできる研究施設です。
(本稿は2024年11月に執筆しました)