神田駿河台に建つ「ニコライ堂」は車椅子で拝観できます。車椅子での拝観方法と、ニコライ堂に関する情報を紹介します。
ニコライ堂は御茶ノ水駅から徒歩2分、小川町から徒歩7分と案内されています。距離的には駅から近いのですが、坂道の途中にあり、御茶ノ水方面からは下り坂、小川町方面からは上り坂です。頑張れば車椅子で移動できますが、それなりの傾斜がある坂道です。また現時点では御茶ノ水駅のバリアフリー改修工事は未完成で、車椅子では利用しにくい駅です。
ニコライ堂には信徒専用の駐車場があります。一般拝観者は利用できませんが、身障者に限り利用可能です。必ず事前に利用を申請して許可を受けてください。また日時によっては利用できないことがあります。
拝観が可能な時間は13時から夏季は16時、冬季は15時30分までです。拝観献金は一人300円。入口に拝観料を入れる箱があります。無人対応なのでお釣りは出ません。コロナ禍以後は拝観時間に変更があるので、最新情報を確認してください。
教会入口は階段です。車椅子利用者は近くにいる教会関係者に声をかけてください。スロープルートに案内していただけます。
聖堂の中で一般拝観者が立ち入れるのは、出入口付近の一部だけです。ドームの下のお祈りの場所は、信徒だけの世界です。拝観エリアはフラットなので車椅子で移動できます。ロープが張られているので、立ち入り可能ゾーンは解り易く間違えることはありません。
聖堂の中には数多くの聖人の「イコン」があります。一つひとつ拝観する価値があります。また聖堂の内装は、ドームやテラスなど見るべきものが多々あります。
使われている十字架は「八端十字」。スラブ系の正教会で使われる十字で、一般的なラテン十字架ではありません。
ニコライ堂は通称です。正式な名称は「東京復活大聖堂教会」で「正教会」の教会です。正教会は一か国にひとつの正教会組織を作ることが原則で、この協会は「日本正教会」の教会。さらに「日本正教会」の中心となる教会である「首座主教座大聖堂」でもあります。全国にある「ハリストス正教会」のトップの教会です。ちなみに「ハリストス」とは、キリストのギリシャ語読み。正教会を「ギリシャ正教会」「東方正教会」と呼ぶのは、正しい別称です。
教会の歴史を紹介します。大聖堂が竣工したのは1891年。その後1923年の関東大震災でドームや鐘楼が崩落し火災が発生。建物はほぼ壊滅状態になりました。
1929年に復興。太平洋戦争の空襲では喪失しなかったため、現在の建物はこの1929年に復興されたものです。国の重要文化財に指定されたのは1962年のことです。
拝観できる範囲は限られますが、ニコライ堂は車椅子で聖堂内部を拝観できます。
ニコライ堂から徒歩圏にある西神田の「カトリック神田教会」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年9月に加筆しました)