創建は神代。東京都文京区根津にある都内有数の歴史を有する神社です。拝殿・唐門などは、徳川五代将軍綱吉が造営したものが今に残ります。そのため、境内は基本的にバリアフリーではなく、車椅子での参拝は困難です。参拝にどれくらいの運動能力とサポートが必要なのか。現地の状況を紹介します。
根津神社はツツジの名所で「文京つつじまつり」が開催される期間は、有料で「つつじ苑」が開放されます。「つつじ苑」エリアの詳しいバリアフリー情報は、別稿の「根津神社文京つつじまつり 車椅子観光ガイド バリアフリー情報」を参照してください。
アクセスの状況です。東京メトロの根津駅、千駄木駅から、それぞれ徒歩5分の案内です。表参道から境内に入るなら、根津駅からのルートのほうが若干短距離で、かつ境内に入ってからは、車椅子で移動できる舗装路面を通り社殿に近づけます。
車利用の場合は、境内北側に有料駐車場が用意されています。祈祷、婚礼参列などの車両は、北参道から境内に入り参拝者専用駐車場を利用できます。

広い境内の多くは、未舗装の砂利路面、石畳の路面で、趣のある境内ですが、車椅子での広域移動は苦労します。平坦な舗装路が整備されているのは、表参道口から「唐門」の手前までです。途中にある「神橋」の橋のカーブはそれほど強くはありません。

手水舎は周囲に小さな段差がある構造です。

「楼門」は江戸時代の造営で、下の写真の随身は水戸光圀がモデルではないかと伝承されています。

社殿前の「唐門」は段差がある構造で、段差回避ルートはありません。

拝殿前の路面は未舗装砂利路面で、一部舗装路があります。賽銭箱がある参拝所前は、小さな段差はありますが、車椅子から参拝可能です。
拝殿前から右に伸びる舗装路面は、車椅子が通行できる幅はなく、かつ路面はデコボコしています。

拝殿前から左に伸びる舗装路面は、車椅子で移動可能です。

社殿は江戸時代に造営された「透塀」で囲われています。下の写真は「乙女稲荷」前のテラスから撮影しました。

根津神社内の人気パワースポットが「乙女稲荷」です。

小さな祠が祀られています。

そこまでの参道に、奉納された赤い鳥居が立ち並びます。幅は狭く人がすれ違えません。また狭い石畳の路面なので、車椅子のタイヤは乗りません。そして傾斜路または階段路です。鳥居の参道は、車椅子通行は不可能です。

鳥居の参道は祠を中心に両方向につながります。

人気の散策ポイントです。

社殿を中心に江戸時代に造営されたものが残る歴史ある根津神社。そしてパワースポット乙女稲荷が人気です。祭事の日とツツジの季節を外せば、極端な混雑はないことが多い古社です。バリアフリーではありませんが、ご自身やご家族の運動能力、体力に応じて、参拝してください。
東京十社の情報を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2021年6月に執筆しました)