東京都台東区上野公園、国立科学博物館の特別展「ミイラ 永遠の命を求めて」を車椅子で観覧しました。現地のバリアフリー状況を紹介します。同展の会期は2019年11月2日から2020年2月24日までです。
上野公園内の国立科学博物館へは、JR上野駅公園口からアクセスすると、アップダウンが少ないルートで移動できます。
来館者用の駐車場はありません。近隣の都立上野公園第一駐車場は、上野駅工事のため2019年11月17日をもって閉鎖されます。
上野公園内の通路は、舗装されていますが小さなデコボコがある路面が多く、車椅子での移動は快適ではありません。フラットな舗装箇所もあるので、ルートを選んで通行して下さい。
特別展「ミイラ 永遠の命を求めて」への専用入場口があります。障がい者減免制度があり、観覧料は障害者手帳の提示で本人と介助者1名が無料に減免されます。
専用入場口から入り、しばらく進むとチケットチェックポイントがあります。ここで障害者手帳を提示します。そして会場入口で再度障害者手帳を提示する運用です。
車椅子利用者は会場入口奥のエレベーターで、地階の特別展会場へ下ります。スタッフの誘導に従ってください。
展示会場はワンフロアで、会場内に段差はありません。通路幅は余裕があり、極端に狭くなる箇所はありません。全体的に車椅子での移動に問題のないレイアウトです。
メイン会場の観覧を終了すると、一般見学者はエスカレーターで第2会場へ移動します。車椅子利用者は、スタッフの誘導で会場入口に戻り、エレベーターで中地下階に上がります。
中地下階エレベーター口から第2会場入口までは上がりスロープ路です。第2会場入口から展示コーナへは下りスロープ路になります。どちらも一般的な車椅子利用者なら通行出来るレベルの傾斜です。第2会場内も車椅子で移動出来るスペースの余裕があります。
最後がショップになります。極端な混雑がなければ、車椅子で買い物ができるスペースがあります。第2会場からは、自由に利用出来るエレベーターで地上階へ出ます。
出口へのルートは、地上を通り日本館の地階へ行くエレベーターに乗り地階へ下ります。日本館の地階をそのまま進み出口へ向かいます。出口の先、巨大なクジラのモニュメントの下にあるスロープで上野公園の地上路へ上ります。
43体のミイラの展示があります。多くのミイラは、横に寝かした状態での展示です。展示台の高さは、車椅子からの目線に等しいか少し高いものが多く、車椅子からの鑑賞は、真横または少し見上げる角度になります。特に「第1章南北アメリカのミイラ」は、このような展示方法のミイラが多く、車椅子から見にくい展示がありました。
もっとも見やすい展示なのは、第4章の最後の日本のミイラです。サイズが大型で、寝ているのではなく座っているような姿勢のミイラで、車椅子からしっかり鑑賞できました。この他にも車椅子からでも鑑賞できるミイラはあります。
今回取材時は入場待ち時間ゼロのタイミングでした。会場内の車椅子での移動は、ほとんど問題なく出来ましたが、ミイラ展示のケースに近づくには、ある程度の行列が発生しています。もっと混雑していると、車椅子での展示ケースに近づいた鑑賞は苦労すると思います。近づかないと、小型サイズで寝た状態、そして低い位置に展示されるミイラは、車椅子からは見ることが出来ません。
科博の特別展「ミイラ 永遠の命を求めて」の車椅子での観覧は、空いていれば問題はありません。会場内が大混雑していると、一部の展示の鑑賞は相当苦労することが予測されます。