東京都葛飾区の都立水元公園には、車椅子で利用できる大規模な菖蒲園があります。現地のバリアフリー状況を紹介します。

都立水元公園は親水公園。水郷のような景観が特徴の、広大な面積を有する都立公園です。
場所は東京都と埼玉県、千葉県の県境。アクセスは車が便利です。有料駐車場が複数あり、都立公園なので駐車料金の障がい者減免制度があります。
公園内に1万4千株の菖蒲が咲く大規模な菖蒲園があります。その全域が車椅子で散策できます。車椅子利用者にお薦めできる入園無料の菖蒲園です。
公園内はほとんど高低差がなくフラットな地形です。一般的な車椅子利用者なら、移動に苦労するポイントはありません。
大規模な菖蒲田が幾つも繋がっています。鑑賞路はすべて舗装路。いくつかの菖蒲田内には木製の歩道が整備され、花の中を車椅子で散策できます。木製歩道はフラットで幅は十分にあるバリアフリー仕様。車椅子で問題なく利用できます。
広い菖蒲園なので、満開の週末でも見学が出来ないことはあり得ません。現地に行けば車椅子でも何とかなる、絶対的なスペースの余裕があります。以上のように素晴らしい菖蒲園ですが、古くからある公園なので、車椅子利用者にはいくつかの注意点があります。
駐車場は3カ所で300台以上収容可。菖蒲満開の時期の週末は、満車になることが多いようです。身障者用駐車区画は全てで9台分と案内されています。第一駐車場は2台分でした。身障者用駐車区画が満車の可能性が高い駐車場です。
園内のほとんどの公衆トイレには、バリアフリートイレが併設されています。トイレのレベルとしては、いわゆる公衆トイレのレベルです。清掃は行われていますが、ウォシュレットなどの設備はありません。トイレットペーパーは置かれています。この種のトイレでは利用が難しい障がいのある方は、近隣の商業施設などでトイレを借りてから来園されることをお薦めします。
広い公園の中の大規模な菖蒲園です。数多くの菖蒲田を鑑賞すると、かなりの距離を移動することになります。晴れた日は暑さに注意。菖蒲開花時期の直射日光は強烈です。園内のには木陰になる場所もありますが、菖蒲田内に日よけはありません。炎天下を歩くことも多くなります。日傘、帽子をかぶるなど、暑さ対策を忘れずに用意してください。
公園内には売店と食事処があります。どちらも施設のハードが古く、今どきのバリアフリー設計ではありません。車椅子で利用できるかは、その人の障がいの状況次第ですが、あまり利用を当てにしないで来園されることをお薦めします。
現地には都内最大の菖蒲園という案内があります。都立水元公園には、大規模で且つバリアフリーな菖蒲園があります。
関東のバリアフリーな菖蒲園を別稿でまとめて紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2018年5月の取材に基づいています)