※静嘉堂文庫美術館移転工事のため、臨時休館中です。2022年秋ごろ、公開が再開される予定です。静嘉堂文庫美術館のバリアフリーを別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
東京丸の内。平成16年完成30階建ての明治安田生命本社ビルの中に、旧本社ビルが融合して残されました。
福沢諭吉が設立した生命保険会社です。三菱系で丸の内が本社。皇居のお堀に面した西欧古典主義建築の外観はそのまま残され、見る人に強い印象を与えます。
商業施設「丸の内MY PLAZA」と一体化した施設です。公開エリアは2フロアで、全館を見学できるのは土日の11時から17時までです。昭和初期のビジネス最前線の現場、昭和9年竣工の歴史建造物をバリアフリーに見学できます。
この建物は、平成9年に国の重要文化財に指定されています。その内観です。見学コースは2Fから。車椅子ユーザーはエレベーターを利用してください。エレベーターを降りるとすぐに受付があります。入館は無料です。
2Fは中央部が吹き抜けで、周回部に往時の施設があり自由に見学ができます。おそらくは取締役会などが開催されていた立派な会議室。往時のコンビレーターが残る、立派な食堂。重役の執務室、重厚な応接室が複数。健康相談室、今でいう保健室などがあります。
これらの部屋の家具が立派です。専属デザイナーの作品で、スパニッシュ様式、イギリス様式、ルネサンス様式など、部屋のデザインテーマに合わせたオリジナルの家具が配置されています。カーテン、絨毯もコーディネイトされています。業績が好調であった時代の勢いを感じさせる調度類です。
1Fへは通常は階段で降ります。車椅子ユーザーは、先ほどのエレベーターを利用します。1Fは営業所「丸の内お客様ご相談センター」。現役の事務所です。開放されている土日はお休み。無人の営業所をみることになります。
その隣が広いラウンジです。無料で自由に利用できるので、丸の内散策の休憩に利用できます。
昭和20年の敗戦で、GHQに接収された建物です。米・英・中・ソの4か国による対日理事会が設置され、マッカーサーが出席しています。そして昭和31年まで接収が続きました。10年以上の期間、星条旗が掲げられていた建物です。
平成16年に完成したビルで、施設全般バリアフリーです。ただ、以前の旧施設をそのまま残した周辺だけはバリアがあり、それをカバーするために昇降機が設置されています。
「丸の内MY PLAZA」には地下駐車場があり、丸の内パークインに加入しています。地下機械式ですが、身障者用平置きスペースが2台分ある駐車場です。
(本稿は2018年7月の取材に基づいています)