神奈川県横須賀市、観音崎にある横須賀美術館で開催されている企画展です。「みみをすますように 酒井駒子展」の会期は、2021年7月10日から9月5日の予定。その後は、東京立川の「PLAY!MUSEUM」に再度巡回し、12月から鹿児島の長島美術館に巡回します。
横須賀美術館はバリアフリー施設。車椅子での利用に大きな問題はありません。「酒井駒子展」の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で障害者手帳を提示して、無料観覧券を発行していただきます。駐車場を利用している場合は、駐車料金の障がい者減免制度もあります。

国内外、子供から大人まで、幅広い層から高い評価を受けている酒井駒子氏の初の本格的な個展。今回取材時は、小さい子供がいるファミリーの観覧が目立ちました。ミュージアムショップで販売されているポストカードなどの酒井駒子氏関連商品は、子供にも人気です。
展示室内は撮影禁止のため、写真による紹介は出来ませんが、会場の展示はフランス人建築家が担当した杉材で作られた、特製の額やケースが使用されています。「森の中を散策するような展示空間」。ユニークな展示手法です。
展示室のスペースは余裕があり、車椅子で「森の中を散策」することができます。
展示されるのは約250点の絵本や書籍の原画。杉材特製ケースの上面に作品が展示されるものもありますが、ほとんどは車椅子目線でも鑑賞できる低い高さ。子供の目線が意識されています。
最終展示室のテーマは「くらやみ」。展示室内に小さな部屋を設けて、その中に「よるくま」などの原画が展示されています。この小部屋の出入口は段差構造で、木製の細い簡易スロープが2本設置されていますが、乗り降り箇所に段差もあり、車椅子で乗り越えるのは怖い構造です。簡易型ベビーカーなら、利用できると思います。

横須賀美術館には無料で利用できる図書室があります。図書室でも酒井駒子氏の本が展示され、自由に閲覧できます。
「酒井駒子展」は、「くらやみ」の鑑賞だけは車椅子で苦戦しますが、幅広い層にお薦めできる企画展です。