東京都庭園美術館「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」を車椅子で観覧しました。現地のバリアフリー状況を紹介します。会期は2019年4月20日から7月7日までです。
旧朝香宮邸の室内をギャラリーにした展覧会です。1Fと2F、そして新館が展示会場として使用されます。アール・デコの旧朝香宮邸。その雰囲気の中でキスリングを鑑賞できる展覧会です。
テーブルなど本館の各部屋にある家具はほとんどが撤去され、鑑賞スペースが設けられます。また通常の屋内見学コースとは違う鑑賞ルートが設定され、いつもは公開されている部屋でも、立入が禁止される場所もあります。

東京都庭園美術館は目黒駅や白金台駅から徒歩で10分弱の距離にあります。
身体障がいのある人の来館に限り無料で駐車が認められます。予約をしなくても駐車できますが、事前に駐車場の利用を連絡しておくと受入がよりスムーズになります。

「キスリング展」は障害者手帳の提示で本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されます。旧朝香宮邸の入口で手帳を提示して入館手続きをします。
旧朝香宮邸のエントランス及び2Fは段差があり、車椅子では簡易スロープを設置して通行します。
旧朝香宮邸内は部屋の出入口など各所に小さな段差あり、車椅子では慎重に移動する必要があります。
新館はバリアフリー設計で車椅子での利用に大きな問題はありません。バリアフリートイレがあります。
駐車場を利用した場合の現地の詳しい状況です。駐車スペースは旧朝香宮邸の先です。スタッフが誘導するので従ってください。車椅子利用者が旧朝香宮邸のエントランス付近で乗降することはできます。
旧朝香宮邸のエントランスは階段で、段差回避スロープはありません。車椅子で行くとスタッフが簡易スロープを設置してくれます。エントランス内に階段箇所は2か所あり、それぞれを簡易スロープで上ります。

2つ目の簡易スロープを上ったところが受付です。ここで障害者手帳を提示して入館続きを行います。
1Fの展示は「序 キスリングとアール・デコの時代」。3つの部屋がギャラリーです。鑑賞コースが定められています。
1Fの鑑賞後、一般来場者は階段で2Fへ上がるコース設定です。車椅子利用者は、スタッフの誘導にしたがって新館方面に進み、いったん外に出てエレベーターを利用して2Fへ上がります。

エレベーター棟は、旧朝香宮邸の横に増設されました。旧朝香宮邸2Fはフロア内に階段があります。
2Fでエレベーターを降りて進むと、すぐに階段があります。ここもスタッフが簡易スロープを用意してくれます。
2Fは8部屋がギャラリーとして利用されます。部屋の出入口は小さな段差がありますが、車椅子での移動は可能です。鑑賞ルートにしたがって車椅子で進みます。
2Fのテーマは「第1部」で「1910-1940キスリング、エコール・ド・パリの主役」と「セザンヌへの傾倒とキュビズムの影響」です。
階段しかない3Fにある「ウィンターガーデン」は、本展開催中は見学できません。

旧朝香宮邸2Fの次は新館です。車椅子では同じ階段を簡易スロープで下ります。2Fから下りるときは、スタッフに声をかけて下さい。スロープを用意していただけます。
その先はエレベーターで1Fへ。エレベーター乗降場所から新館へは、車椅子で問題なく移動できます。
新館の展示は、最初は「第1部」の続きで「独自のスタイルの確立」。そして「第2部 1941-1946 アメリカ亡命時代」「第3部 1946-1953 フランスへの帰還と南仏時代」です。
新館内はバリアフリーで車椅子での利用に問題はありません。ミュージアムショップとカフェは車椅子で利用可能です。

キスリングの個展は、日本では2007年以来の開催です。本展では92点の作品が展示されます。藤田嗣治と映る写真の展示もあります。
旧朝香宮邸がギャラリー。東京都庭園美術館ならではの展覧会です。3カ所を簡易スロープで移動しますが、「キスリング展」は車椅子で鑑賞できます。