東京都調布市の「都立神代植物公園」は、車椅子で花や草木を楽しめる植物園です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

神代植物公園は約49万㎡の広い公園です。植物園「本園」の他に、少し離れた「水生植物園」と、道を隔てた無料地区「植物多様性センター」の3つのエリアがあります。
「水生植物園」は深大寺の裏山から湧き出た水による湿地帯で「はなしょうぶ園」があり、木道などが整備されて車椅子で利用することができます。ただし「水生植物園」の約半分は「深大寺城跡」の史跡で、車椅子での散策は無理のないルートになります。
「植物多様性センター」は、屋内の展示室と屋外の学習園がある無料施設で車椅子での見学は可能です。センターに隣接して「自由広場」や「調布市総合体育館」などがあります。
有料駐車場は第一と第二があり、どちらも身障者用駐車区画があり、駐車料金の障がい者減免制度があります。混雑時は第二駐車場近くの無料臨時駐車場が開放されます。ここは未舗装路面の駐車場です。この中で本園に近い駐車場は第一駐車場です。
もっとも多くの来園者が利用するのは「本園」です。次に「本園」のバリアフリー情報を詳しく紹介します。

神代植物公園は駅から距離があるので、公共の交通機関ならバスの利用になります。小田急バスと京王バスが通り、どちらも一般的な低床式バスが運行されています。
車利用で本園に行くなら第一駐車場の利用が便利です。身障者用駐車区画は、本園正門に近い側に複数台分用意されています。

駐車料金は各種障害者手帳の提示で無料に減免されます。駐車場スタッフに申告して減免措置を受けるか、出口精算機のインターフォンで管理センターに連絡し、カメラに手帳を提示して減免措置を受けます。

バス停または第一駐車場から、ほぼフラットな舗装路を通り本園正門へ車椅子で行くことが出来ます。

神代植物公園の入園料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。

本園内散策路のバリアフリー状況です。正門入口から本園を右方向に進む順で、各エリアのバリアフリー状況を紹介します。
正門正面は「つつじ園」その横が「しゃくなげ園」。どちらも舗装通路から車椅子で鑑賞できます。
「ダリア園」「ぼたんしゃくやく園」は土の未舗装路面に入る必要があります。

デコボコはありますが固い路面なので、路面が乾いていれば車椅子で通行可能です。

その先の大温室は2016年にリニューアルオープンしたバリアフリー温室です。


そして広大なバラ園。噴水のある洋式庭園で、春バラが400品種5,200本、秋バラが300種類5000本植栽されています。

一部緩やかな傾斜面がありますがバラ園全域を車椅子で通行することができます。

雑木林の中の舗装路を進むと「カエデ園」や「うめ園」などがあるエリアに通じます。いずれも舗装路から十分に植栽を鑑賞することができます。この付近から「水生植物園」へ向かう「深大寺門」へ出ることができます。

本園の正門に戻る方向に進むと、左手に「芝生広場」があり中央に大きな「パンパスグラス」の群生があります。もちろん広場は芝生ですが、デコボコは激しくないので車椅子で踏み入ることが出来ます。

右手には「ふくじゅそう園」や「さくら園」など続きます。ここも舗装路から車椅子で鑑賞できます。散策路を進むと「花壇」があり、舗装路から鑑賞できます。

その先に段差回避スロープがある「植物会館」があり、更に舗装路を進むと正門に戻ります。
バリアフリートイレの状況です。園内の各所に独立棟のトイレがありバリアフリートイレがあります。屋内トイレは「大温室」内と「植物会館」内、そして「植物多様性センター」内にあります。

レストラン・売店の状況です。本園内の売店はバラ園と芝生広場にあり、車椅子での立ち寄りと買い物は可能です。
また正門近くには草木を販売する「植物売店」があり、車椅子で買い物が出来ます。
その隣にある「ガーデン売店」は、バラジャムなどオリジナル商品を販売。店内はやや狭い構造ですが段差はありません。
隣接するレストラン「グリーンサロン神代」は段差回避スロープがあり、店内はフラットで可動式のテーブル席があります。車椅子で利用できます。

神代植物公園はアップダウンが少ないフラットな地形で、舗装された散策路からほとんどのエリアを観察・鑑賞することができる、車椅子で利用しやすいバリアフリーな植物園です。

近隣の「深大寺」周辺の情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年11月に加筆しました)