深大寺そばで有名な東京都調布市の深大寺周辺を車椅子で歩きました。現地のバリアフリー状況を紹介します。
深大寺といえば蕎麦。そして国宝指定の仏様の参拝と鬼太郎茶屋などの土産屋巡り。緑と水に溢れる武蔵野の散策が楽しいエリアです。
ただし必ずしもバリアフリーではありません。ご自身やご家族の障がいの状況に応じて、車椅子での散策がどこまで可能か、しっかり計画をしてお出かけすることをお薦めします。
アクセスのバリアフリー状況です。駅からは距離があるのでバスの利用になります。一般的な低床式バスが運行されています。
深大寺には参拝者用駐車場はありません。車利用の場合は近隣の民間有料駐車場の利用になります。身障者用駐車区画が整備されている駐車場は見当たりません。
神代植物公園の駐車場は身障者用駐車区画があり、駐車料金の障がい者減免制度がありますが、そこから深大寺への最短ルートは段差路か坂道になります。迂回して武蔵境通りから行くと距離があります。
近隣の蕎麦屋はほとんどのお店に駐車場があり、食事をすると1時間程度なら、深大寺参拝の間そのまま駐車が出来るお店が多いようです。
深大寺通りや境内周辺の蕎麦屋は、概してバリアフリーではありません。入口に段差がある店、店内通路が狭い店、席はお座敷中心という蕎麦屋が多く、バリアフリートイレがある蕎麦屋は見いだせません。
どちらかといえば、参道および境内周辺にある蕎麦屋が、入口に段差がなく、スペースに少し余裕があるテーブル席のお店が多いように見えます。このお店の蕎麦が食べたい、という希望がある場合は、事前にお店にバリアフリー状況を確認することをお薦めします。
参考までですが、深大寺通りにある行列ができる人気店「湧水」は、店舗入口前の階段は半分がスロープになっています。
店内1Fの通路は車椅子でギリギリ通行可能で、1Fに4人掛けテーブル席が6卓あります。屋外のテラス席は簡易テーブルとベンチシートなので、車椅子では利用しにくい構造です。トイレは一般の洋式トイレと和式トイレがあります。席の予約は出来ません。
深大寺通りから参道にかけてのバリアフリー状況です。深大寺通りの歩道は小さな凹凸のある舗装面で、車椅子で通行できますがガタゴトと小さな衝撃がきます。
無料で観覧できる「深大寺水車館」は、少しガタゴトする通路を進み車椅子で施設敷地内に入ることが出来ます。ただし資料展示室と水車の中の展示は、段差などがあるので車椅子での見学は困難です。
「観光案内所」の隣の新しい公衆トイレには、バリアフリートイレが1つ用意されています。
参道や境内周辺には多くの土産店があります。新しいバリアフリーショップはありませんが、概して決定的な段差があるお店は少なく、車椅子で利用できるお店が多い状況です。
「鬼太郎茶屋」は店内通路幅には余裕がありませんが、お店のまわりや軒先は車椅子で立ち寄ることができます。路面も完全なフラットではありませんが、車椅子でも何とか移動できます。
参道の先「山門」を通るルートは段差路です。
参道から山門をみて、左に進むと「南門」、右に進むと「東門」があり、どちらもスロープルートです。
南門、東門、どちらから境内に進んでも未舗装路面に出ます。薄い砂利路面なので、車椅子で通行は可能です。
境内中央の参道は舗装路面で車椅子で通行できます。本堂の賽銭箱は段差の上でスロープはありません。
境内の東門から入った場所にあるトイレにはバリアフリートイレが1つ用意されています。
実際に拝観をしたことはないのですが、車椅子で国宝の「釈迦如来像」を拝む「釈迦堂特別拝観」をする場合は、寺務所係員の誘導で本堂横のスロープから上がり、「元三大師堂」経由で「釈迦堂」へと進む、特別ルートを通るそうです。特別拝観は有料です。
深大寺周辺は決定的な段差箇所などを回避すれば、車椅子で深大寺蕎麦をいただき、参拝をして、土産店を巡ることができます。
敷地内が一般開放されている「国立天文台三鷹キャンパス」は車椅子での散策が楽しめます。別稿で掲載しているのでご参照ください。
(本稿は2019年7月の取材に基づいています)