千葉県市川市にある科学館です。開館は1994年。施設全般少し老朽化していますが、車椅子やベビーカーで利用できるバリアフリー施設です。展示の中心は産業史と先端技術。大人向きの歴史と科学を紹介するコーナーから、幼児向けの遊べる展示まで、幅広い層が楽しめる科学館です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
3駅から徒歩15分前後の案内です。駅から車椅子で移動するには、やや距離があります。
普通車80台を収容する来館者専用駐車場があり、滅多に満車になることはありません。駐車場には屋根なしで身障者用駐車スペースが用意されています。

ここから科学館の入口まで、舗装路で100ⅿ程度の距離があり、屋根はありません。

広い前庭の先に科学館入口があります。出入口は自動ドアで段差はありません。

館内に入ると正面に受付があります。千葉県立現代産業科学館の入場料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付で障害者手帳等を提示して無料入場券を発券していただきます。また駐車料金にも障がい者減免制度があり無料に減免されます。受付で駐車券を提示して、減免印を押印していただきます。

バリアフリートイレは、1Fと2Fに各1つ用意されています。下の写真は1Fのトイレです。スペースは一般的なサイズで、便器設備は更新されて綺麗でした。ユニバーサルベッドはありません。

展示の観覧は2Fから。館内に2系統のエレベータがあり、観覧ルート順に便利に利用できる場所に設置されています。

2F展示のテーマは「現代産業の歴史」。広くてフラットな展示室に、現代産業黎明期からの様々な機械などが展示されます。大人向きのフロアです。車椅子で問題なく観覧できます。

写真は車の新旧比較展示です。100年間での進化をビジュアルで理解できます。


2Fから1Fへの通常ルートは階段です。階段踊り場の巨大な展示物は、車椅子で2Fから見下ろすか、1Fから見上げるかの観覧になります。

1F展示場のバリアフリー状況です。1Fは前半が「先端技術の招待」、後半が「創造の広場」と「放電実験室」「サインスステージ」などです。
「先端技術の招待」は、大人向けの展示。1990年代の先端技術の紹介が過半ですが、それでも完全に理解できている人は少ないのではないでしょうか。

「創造の広場」は幼児向け体験展示や子ども向け実験展示などが中心です。カラーやデザインも子ども向けです。今回取材時は、コロナ対策で、多くの展示物の利用が制限されていました。

近年誕生した科学館に比べると、施設および展示物は年輪を感じますが、戦後の千葉県産業復興史など、色あせない内容の展示があります。千葉県立現代産業科学館は、穴場的な魅力があるバリアフリー施設です。
堀之内貝塚公園の一角にある「市立市川歴史博物館」を別稿で紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2021年5月に執筆しました)