創建は9世紀後半。「宇多天皇の勅願により京都の石清水八幡宮より勧請し、下総の国総鎮守八幡宮としてご鎮座したのが始まり」と伝承される、千葉県市川市に建つ下総国総鎮守の社です。境内はほとんどが未舗装路面でバリアフリー仕様ではありませんが、車椅子で参拝できないことはありません。車椅子からみた現地の状況を紹介します。

京成八幡駅から徒歩5分の案内です。駅から線路沿いを進み、参道を通り境内へ向かいます。

30台を収容する参拝者用の無料駐車場があります。国道から一の鳥居がある参道に入り、踏切を渡り、参道の脇を走る一方通行路を進みます。参道から境内を正面にみて、左側が駐車場の入口です。

この奥が駐車場です。身障者用駐車スペースの設定はありません。

境内への門の通過が第一関門です。参道からみて右側に段差回避スロープがありますが、上がった先のスペースが狭く、小回りが利かないと門柱を上手に回避できません。

境内側からみた状況です。小回りが利かない人は、門柱の間にある木の段差を乗り越えなければなりません。

境内は部分的に舗装路面があります。門から本殿までは小さなデコボコがある舗装路面です。
手水舎は、車椅子から手を伸ばして水に届くかはその人次第の、微妙な構造です。

その横の名水には、路面状況が悪く、車椅子で近づくのはかなり困難です。

賽銭箱がある参拝場所は、2段の上です。車椅子では段の手前からの参拝になります。

社務所へは、舗装から未舗装路面へ移動し、小さな段差を越えます。車椅子で近づけないことはありません。

本殿前以外、境内は全域が未舗装路面です。しかし路面は固く、砂利は薄いので、見た目よりは車椅子が動きます。少し無理をすれば、車椅子ベビーカーでの境内の移動は可能です。

本殿の横には国指定天然記念物の「千本公孫樹」。見事な大木です。

現地には詳しい解説版が掲示されています。

裏側に回り込むと本殿とのツーショットが見えます。

お末社が多数祀られています。

これは厳島社。車椅子参拝は困難な路面です。

こちらは富士塚の浅間社。石段を上がり参拝します。

本殿横の神楽殿内には「大絵馬」があり、境内から観覧できます。

見どころの多い境内です。見た限りですが、バリアフリートイレは発見できませんでした。

境内はバリアフリー仕様とはいえませんが、葛飾八幡宮は少し無理をすれば、車椅子で参拝できる、見どころが多い古社です。
市川市にある科学館「千葉県立現代産業科学館」の詳しいバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2021年5月に執筆しました)