旧名称は「羽田空港国際線ターミナル」です。2020年3月に第三ターミナルに名称変更され、駅名も変わりました。理由は国際線の増便に伴い、同月から羽田空港第二ターミナルでも国際線が発着するためです。コロナ禍が発生した直後のことです。
その後のコロナ禍の拡大に伴い、国際線の状況は激変しました。2022年5月時点でも、多くの店舗が休廃業しています。
国際線の発着便数が減少しても、羽田空港第三ターミナルが閉鎖されることはありません。江戸情緒を楽しめる「江戸小路」、そして羽田空港を眺望する展望デッキは、飛行機に搭乗しない人の観光施設としても人気です。むしろコロナ禍以後は、密にならない安全安心な観光スポットとして注目されてきました。現地のバリアフリー状況を紹介します。
羽田空港第三ターミナルは、京急本線駅と東京モノレール駅に直結しています。車椅子でのアクセスに問題はありません。
駐車場は羽田空港P5を利用します。P5に限らず、羽田空港の駐車場は身障者の利用において独特の運用ルールがあるので詳しく紹介します。
羽田空港駐車場は駐車料金の障がい者減免制度があり、料金が半額に減免されます。入庫時に障がい者マークのある入庫レーンに進んでください。P5の場合は大型車用の入庫レーンです。駐車券を発券する前に、発券機にあるインターファンまたは呼び出しボタンで管理事務所に連絡します。P5はインターファンです。
インターファンで「障がい者利用」と申告すると、「障害者手帳を見せてください」と言われます。発券機の上部にあるカメラに向かい、障害者手帳の顔写真があるページを提示します。障がい者と運転者が別の場合は、「横に乗っています」など、本人が乗車していることを申告します。
「確認できました」「減免券を発券します」と言われます。すると精算時に自動的に半額に減免される駐車券が発券されます。もし入庫時に駐車料金の減免措置を受けなかった場合は、空港内の案内所で手続きをするか、出庫時の申請でも減免措置を受けることができます。
羽田空港P5は9階建ての自走式立体駐車場で、各フロアに身障者用駐車区画があります。
不正利用を防止するためだと思われますが、身障者用駐車区画を「ご利用の方はインターファンでご連絡ください」と案内されています。ここでは障害者手帳のチェックなどはありません。「利用します」と連絡するだけです。
P5は3Fが羽田空港第三ターミナル2Fに連絡しています。3Fに駐車できれば、P5内のエレベーターを利用することなく、第三ターミナルへ移動できます。
駐車場棟から第三ターミナルへの移動ルートには、車椅子で利用できる動く歩道があります。
第三ターミナルの2Fは到着ロビー、3Fが出発ロビー、江戸小路や展望デッキは4F 5Fにあります。まずエレベーターを利用して3Fに上がります。空港のエレベーターなので、かごのサイズは巨大です。
3F から別のエレベーターを利用して4Fに上がります。ここからが江戸小路です。ショップ&グルメ店が並びます。
人影は少なく、営業している店舗はまばらです。
神楽殿のようなイメージのステージがあります。コロナ禍以前はイベントが開催されていました。
江戸小路が続きます。休廃業店舗が目立ちます。
目玉の観光施設「はねだ日本橋」の橋桁にきました。4Fで下から日本橋を見上げます。
「はねだ日本橋」横から5Fへ、エレベーターを利用して上がります。
エレベーターの先から日本橋を渡ります。かなり傾斜がきつい橋です。気合を入れて車椅子を進めます。
橋横の壁面に江戸様子が描かれています。
解説によると「はねだ日本橋」は、19世紀前半の日本橋の2分1スケールということです。
日本橋の先には、江戸情緒の櫓が展示されています。
5Fから4F江戸小路の建物の屋根が見えます。細かい装飾が施されているのがわかります。
5Fから飛行機の模型の横を通り、展望デッキに向かいます。展望デッキもバリアフリー仕様です。
今回取材時は雨天でした。展望デッキからは羽田空港全体を見渡すことができます。
展望デッキは段差解消されています。車椅子でデッキ内の少し高い地点に行くことができます。
展望デッキには屋根があるエリアがあり、雨天でも外にでることが出来ます。
屋内から展望デッキ越しに空港を眺めることができる場所もあります。
第一、第二ターミナル方面まで、第三ターミナルの展望デッキから見渡すことが出来ます。
羽田空港第三ターミナルは江戸情緒の観光施設として、また飛行場のビュースポットとして、旅行者以外も訪れているバリアフリー施設です。
(本稿は2022年5月に執筆しました)