東京都武蔵野市、吉祥寺駅の北口にゾウのはな子像はあります。現地のバリアフリー状況とはな子の歴史を紹介します。
2016年に亡くなった井の頭自然文化園のゾウのはな子。2017年5月に像が完成しました。設置場所は吉祥寺駅北口ロータリーの一角です。それほど大きな像ではないので、駅北口に降り立っても、パッと目に入りません。
北口のバス停群を東に進み、信号のある最初の横断歩道でロータリーを北上してください。そこに像があります。車椅子での鑑賞に大きな問題はありません。
井の頭恩賜公園は2017年で開園100年。「はな子像」の設置には100周年記念の意義もあります。
井の頭公園は未だにあまりバリアフリーではなく、ルートを下調べしないと車椅子では苦戦します。トイレの新設など少しずつ改良は行われていますが、現在のところ大幅なバリアフリー改修はありません。
はな子には3つのストーリーがあります。タイの王国および篤志家による戦後日本の復興支援の象徴であったこと。事故により殺人象と批判されたこと。そして動物園での劣悪な飼育環境が国際的に問題になったこと。「はな子像」には、何もそのような解説はありません。
戦争による国家の破たんと復興への国際援助。娯楽と動物愛護の価値観の変遷。環境意識の高まり。学ぶことが多々ある「はな子」の物語です。
(本稿は2017年12月に執筆しました)