山梨県牧丘町の「道の駅花かげの郷まきおか」は、2000年に開業した施設です。車椅子からみたバリアフリー状況を紹介します。
「はなかげの郷」とは、ご当地出身作詞家の童謡「花かげ」にちなんだ名称です。農産物直売所、物産店、テイクアウトの軽食コーナー、トイレ棟があります。また同一敷地内に「牧丘郷土資料館」と「彩甲斐公園」がある施設です。
68台を収容する駐車場があり、身障者用駐車区画は屋根無しで2台分あります。
傾斜地に建つ施設で、駐車場と施設棟は高低差があり階段で上ります。
車椅子では身障者用駐車区画の裏側にある、段差回避スロープを利用します。傾斜角度は強くはありません。一般的な車椅子利用者なら通行可能なスロープです。
バリアフリー用トイレの状況です。トイレは独立棟だけで館内にはありません。バリアフリートイレは男女別トイレの中に各1つあります。入口ではなくトイレの中なので、異性介護での利用は難しいトイレです。
今回取材時の状況では、トイレの設備は長年更新された様子はなく、老朽化が目立つトイレでした。
ショップのバリアフリー状況です。規模の小さい売店です。一棟の中に物産品コーナーと農産物コーナーがありますが、売り場は手動ドアで仕切られた構造で、会計は別々です。
物産品コーナー側の出入口はタッチ式の自動ドアで、ドア下の床面の段差は気にならない程度です。
農産物コーナーの出入口は手動ドアで、ドア下の床面には気になる小さな段差があります。
両コーナーとも店内は狭く通路幅に余裕はありません。車椅子での移動がギリギリの通路幅です。店内の床面はフラットです。
軽食コーナーのバリアフリー状況です。食券を買い、カウンターで注文して商品を受け取ります。
ショップに比べてスペースの余裕はありますが、カウンター席のようなテーブルと椅子席があり、車椅子で利用できるテーブル席は少数です。
牧丘郷土資料館のバリアフリー状況です。明治9年に建てられた学校の校舎を利用した施設で、山梨県の各地にある当時の県令「藤村式」和洋折衷様式の校舎です。入口は階段でスロープはありません。内部も段差がある構造です。
有料の資料館ですが障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の入館料が無料に減免されます。
前庭空間には校歌が刻まれた碑など、いくつかの石碑があります。ここは車椅子で鑑賞出来るフラットな屋外スペースです。
彩甲斐公園のバリアフリー状況です。道の駅の裏山を利用した公園です。ここは県境に近い場所。「彩」は埼玉のことです。公園には長い階段を上がります。段差回避ルートはありません。
「道の駅花かげの郷まきおか」は、車椅子で利用できる範囲が限られる施設です。特に異性介護のトイレ利用は難しいので注意して下さい。
(本稿は2019年10月の取材に基づいています)