熊野古道 那智の滝 飛瀧神社車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

名瀑「那智の滝」は、飛瀧神社の階段を通り滝壺拝所へ向かうのが通常の参拝ルートです。このルートは車椅子では通行不能ですが、その横に車椅子用通路が用意されています。「那智の滝」へのバリアフリールートについて、詳しく紹介します。

アクセスは車が便利です。車椅子用通路の起点は、飛瀧神社の関係者専用駐車場です。車椅子利用者は関係者専用駐車場の利用が認められます。

場所は飛瀧神社の鳥居の横。46号線の上り坂、急カーブの箇所です。付近には那智の滝観光用の有料駐車場が幾つか在ります。

関係者専用駐車場の入口にはパイロンが置かれています。スタッフがいない場合は、自分でパイロンを動かす必要があるので、健常な同行者がいると助かります。

関係者専用駐車場に車を停めます。駐車場の奥に柵があり、その先が車椅子用通路です。柵の横にインターフォンがあるので、車椅子利用の旨と人数を申告してください。インターフォンの連絡先は、飛瀧神社の社務所です。そこからスタッフが来ていただけます。したがってスタッフの到着まで数分は待ちます。

那智の滝バリアフリー情報

滝壺拝所へ行くのに志納料1人300円を納めます。志納料に障がい者減免制度はありません。スタッフが到着すると柵を開けていただけます。そしてここで志納料を支払います。支払いは現金のみなので、小銭を用意しておくと便利です。志納料を支払うとその場で「延命御守」がいただけます。

スタッフから「車椅子の介助はできないことになっています」という説明がありました。滝壺拝所までそれなりのアップダウンがあるルートで100m強。舗装路ですが路面は荒れています。腕力のある人なら自力でも行けるかもしれませんが、一般的な人なら介助者が必要です。

帰るときに出入口の柵の開閉を行うので、今回参拝時はスタッフが同行してくださいました。写真を撮りましょう、とカメラマンにもなってくださいました。このあたりの運用はケーズバイケースだと思います。

滝壺拝所は2段あり、車椅子用通路からは上段に到着します。下段へは階段移動なので、車椅子では降りることはできません。

那智の滝バリアフリー情報

那智の滝は飛瀧神社の御神体です。作法を守り参拝しましょう。熊野三社である那智大社は、近くですが別社です。

那智の滝は飛瀧神社の御神体

神社スタッフのお話しでは、7月の例祭「那智の火祭り」は、前日から参拝者の場所取りが始まるということです。この日にお出かけの場合は、状況が全く違うことを想定してください。

車椅子で行くことができる滝は希少です。しかもこの名瀑にこれほど車椅子で近付けるとは驚きです。快適なバリアフリールートではありませんが、志納料を納めて那智の滝への車椅子参拝に挑戦してください。

なお熊野速玉大社の詳しいバリアフリー情報は、別稿「熊野古道 熊野速玉大社 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

南紀白浜 車椅子観光ガイド 主な観光地のバリアフリー情報  

温泉と風光明媚な景観、温暖な気候。日本を代表するリゾート地、南紀白浜。人気の「景勝地」や「とれとれ市場」を中心に、車椅子から見た現地のバリアフリー状況を紹介します。

南紀白浜

○観光は車利用がお薦め

白くまぶしく輝く白良浜。三段壁に千畳敷。海に浮かぶ名勝円月島。南紀白浜の景勝地を車椅子で巡るなら、移動手段は車に限ります。

三段壁から円月島方面までは、歩けないほどの距離があります。また高低差がかなりあり、車椅子ではアップダウンの移動がたいへんです。そして歩道の整備が進んでいないため、車椅子で路側を通ると、場所によっては車の通過に怖い思いをします。車椅子利用者は、車での移動をお薦めします。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

○白良浜は道路からの観光

輝くような白い砂浜「白良浜」。といっても砂浜ですから、車椅子ではすぐにスタックします。浜のすぐ脇を道路が通ります。車に乗りながら白良浜を眺める。これが一番無難な楽しみ方です。

白良浜

○三段壁洞窟は車椅子可

名勝三段壁。近くに無料駐車場があります。駐車場から三段壁へのアクセスルートは、快適なバリアフリー路ではありません。

三段壁

有料施設「三段壁洞窟」は車椅子で利用でき、入場料は障がい者減免制度があります。三段壁の上部から三段壁下部の洞窟へは、エレベーターで移動します。自然の洞窟ですからデコボコは有りますが、決定的な段差箇所はスロープがあります。

※2018年9月に台風21号の影響で三段壁の一部が崩落しましたが、「三段壁洞窟」は営業しています。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

○千畳敷は駐車場からの観光

千畳敷には隣接した広い無料駐車場があります。ここに車を停めて、そのまま駐車場から見える限りを鑑賞するのがお薦めです。千畳敷に車椅子で降り立つのは、デコボコが激しく困難です。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

○円月島はサンセットを鑑賞

南紀白浜を代表する景勝「円月島」。中央部が浸食されて円い穴があいている島です。夕陽に浮かぶ円月島は素晴らしい景観です。

夕陽を見るのにちょうど良いポジションに、道路脇に車を停められるスペースがあります。ここに車を停めて車窓から、あるいは車外に出て、夕陽に照らされる円月島を眺めるのがお薦めです。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

○「とれとれ市場南紀白浜」はバリアフリー

漁協が運営する海鮮マーケット「とれとれ市場南紀白浜」は、車椅子でとても利用しやすい施設です。

とれとれ市場南紀白浜

正面は手動ドアですが、横にまわるとすぐに自動ドアがあります。フロア内は段差がありますが、迂回スロープが施設両端に設置されています。通路幅が広く、車椅子での店内移動が快適な施設です。

バリアフリートイレはドラッグストアの先。正面入口からもっとも遠い、施設の奥にあります。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

マーケットの品揃えは圧巻です。鮮魚、海鮮加工食品、お菓子、お酒、梅・・・。和歌山土産になりそうな商品は全てあります。フラットで広く、車椅子で買い物がしやすい売り場です。

食事処も広くてスペースに余裕があります。メインダイニングは「とれとれ横丁」。テーブルと椅子が並んでいるだけですが、一般的な車椅子利用者なら食事ができます。海鮮バーベキューコーナーの席は、背もたれのない長椅子。少し動かして車椅子の場所を確保する必要がありますが、大きな問題はなく利用できます。

車椅子で行く南紀白浜バリアフリー情報

歴史あるリゾート地なので、必ずしも全ての景勝地、観光施設がバリアフリーではありません。車椅子での南紀白浜観光は、計画的に行動する必要があります。

なお南紀串本のバリアフリー情報は、別稿「南紀串本 橋抗岩と虫喰岩 車椅子観光ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

南紀串本 橋抗岩と虫喰岩 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

和歌山県南紀串本にある約40本の岩柱が850mも続く名勝「橋抗岩」は、ビュースポットに道の駅が整備されて、車椅子で観光することができます。「高池の虫喰岩」も、同様に道の駅が整備されています。2つの奇岩観光のバリアフリー状況を紹介します。

○道の駅くしもと橋抗岩のバリアフリー状況

「道の駅くしもと橋抗岩」は、橋抗岩を眺めるベストポジションにあります。駐車場の収容台数は50台超で、身障者用駐車区画は2台分あります。

トイレ棟にバリアフリートイレがあります。造りは古いトイレですが、設備は更新されて綺麗で、ウォシュレット付き便器が備えられています。

駐車場から、施設の海沿いから、橋抗岩をバリアフリーに見学することができます。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

商業施設としては小型な道の駅です。トイレ棟の他に、ソフトクリームなどを販売するテイクアウト系飲食店と観光情報コーナー、そしてショップがあります。ショップの規模は中規模クラス。串本の物産品などが並びます。通路幅にはそれほど余裕はありませんが、極端な混雑がなければ、一般的な車椅子での利用は可能です。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

干潮の時間帯は、道の駅の外側から海に出て橋杭岩に近づくことができます。しかし道の駅施設から海に出るルートは階段なので、車椅子では海には行けません。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

橋抗岩は、本州最南端の町串本町の紀伊大島に向かい、橋の杭のような奇岩が並ぶ名勝です。岩の数は約40本。その距離約850m。弘法大師が一夜にして建てた橋の杭、という伝説がある国指定天然記念物です。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

現地には橋抗岩の科学的な解説板があります。要約すると、約1500万年前におこった大規模なカルデラ噴火により噴出したマグマが、波の浸食で堅い部分だけが残ったとのこと。見事な自然の造作です。

○道の駅虫喰岩のバリアフリー状況

紀伊半島には巨岩奇岩が数多くあります。その中で橋抗岩と同様に道の駅が整備され、車椅子で観光できる奇岩「虫喰岩」のバリアフリー状況を紹介します。

高池の虫喰岩

国の天然記念物指定、虫に喰われたような巨大な奇岩、古座川町の「高池の虫喰岩」は、全高が約60m、幅が100mほどの巨大な岩です。1500万年ほど前に噴出したマグマが、風化により表面に穴があいた自然が生んだ奇岩です。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

道の駅は「高池の虫喰岩」の道を隔てた正面にあります。道の駅の駐車場から虫喰岩を観ることができ、道を渡って虫喰岩に更に近づくこともできます。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

道の駅認定を受けているので、24時間利用できるトイレが有り、バリアフリートイレがあります。物販コーナーは平日休業。原則土日祝だけの営業です。

南紀串本 橋抗岩バリアフリー情報

南紀エリアは、太古の自然活動が生んだ奇岩の景観を車椅子で楽しめます。その中でも「橋杭岩」と「虫喰岩」は、道の駅が整備されて、車椅子で観光ができる奇岩です。

なお南紀白浜のバリアフリー情報は、別稿「南紀白浜 車椅子観光ガイド 主な観光地のバリアフリー情報」を参照してください。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)