東京都庭園美術館「英国王室が愛した花々」展 車椅子観覧ガイド

東京都港区白金台にある東京都庭園美術館の展覧会です。英国王立植物園「キューガーデン」が所蔵する「ボタニカルアート」が約100点、旧朝香宮邸内に展示されています。会期は2021年9月18日から11月28日までです。

「英国王室が愛した花々」展の観覧料は、障がい者減免制度があり、本人と介助者2名までが無料に減免されます。

旧朝香宮邸は、全館がバリアフリー仕様ではありません。車椅子では2か所でスタッフに簡易スロープを架けていただき、段差を乗り越えます。1Fのエントランスでは2つの簡易スロープ、2F内で1つの簡易スロープを通行します。観覧ルートは、健常者は2Fへ階段を利用。車椅子利用者は外付けエレベーターで移動するので、ルートが異なります。現地のスタッフの誘導に従ってください。新館はバリアフリー仕様で、車椅子で問題なく観覧できます。

アールデコ様式の旧朝香宮邸と、「キューガーデン」の「ボタニカルアート」は、相性抜群な組み合わせです。素敵な室内空間を精密な花の描写絵が華やかに彩ります。

東京都庭園美術館「英国王室が愛した花々」

展覧会の名称は長く「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」。ボタニカルアートの他に、「シャーロット王妃がつないだ文化の開花」のコーナーでは、ウェッジウッドの陶器、ウースターのティーカップ、ジョージアン様式の家具、燭台、王室メンバーの肖像画などが展示されています。

この内、皿やポットなどの多くは、車椅子からの目線とほぼ同じ高さに展示されているので、真横から鑑賞する角度になります。皿の底のデザインなどが車椅子からは見えにくい展示です。絵画の展示はオーソドックスな壁掛け展示なので、車椅子から問題なく鑑賞できます。

館内は一部を除き撮影禁止です。新館のお部屋を模した展示は写真撮影できます。

東京都庭園美術館「英国王室が愛した花々」

東京都庭園美術館「英国王室が愛した花々」

新館のギャラリー2では、「キューガーデン」の紹介映像コンテンツがリピート放映されています。東京都庭園美術館が推奨している鑑賞順ではありませんが、本館の旧朝香宮邸の展示を観る前に、新館ギャラリー2で「キューガーデン」の歴史と現在の活動を学び、それから展示の観覧をするのも、理解が深まる観覧順かと思います。

その場合の車椅子での効率的な観覧ルートは、新館ギャラリー2、新館ギャラリー1、ミュージアムショップ、本館2F、最後に本館1Fの順です。

東京都庭園美術館の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」展 車椅子観覧情報

東京都港区白金台の庭園美術館で開催されている企画展です。アールデコ様式の旧朝香宮邸を舞台に、ジュエリーなどのルネ・ラリックの作品群が展示されます。会期は2021年6月26日から9月5日まで。本館の1Fと2F、そして新館のギャラリーが会場です。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

「ルネ・ラリック リミックス」展の観覧料は障がい者減免制度があり、本人と介助者2名まで無料に減免されます。本館1F受付で障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

なお東京都庭園美術館は来館者用有料駐車場があり、駐車料金も障がい者減免制度があります。庭園入口で障害者手帳を提示して減免措置を受けます。駐車場には1台分、身障者用駐車区画が用意されています。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

旧朝香宮邸とルネ・ラリックという、抜群に相性が良い組み合わせの企画。室内外の装飾、そして127の展示作品群を鑑賞できます。多くの人が満足できる展覧会だと思います。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

ここからは車椅子での観覧コースを紹介します。

本館入口は段差構造です。エントランス周辺のスタッフに声をかけて、2か所に簡易スロープをかけていただきます。通常、利用者から声をかけなくても、美術館スタッフは気が付いて、スロープを用意していただけます。

「ルネ・ラリック リミックス」展の観覧ルートは、本館1F、階段を上がり本館2F、連絡通路を渡り新館という順番です。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

車椅子でも同様。まず本館1Fのすべての展示を観覧します。ジェリーや生物など自然をモチーフにした作品群が展示されています。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

本館2Fへは、外部に増設されたエレベーターを利用します。2Fでも簡易スロープを利用するので、2Fへ上がる前に1Fスタッフにこれからエレベーターを利用することを申告してください。2Fスタッフに連絡していただき、スロープが用意されます。

2Fの簡易スロープは、少し急な角度と一部カーブがあります。元気な介助者がいると助かるスロープです。

2Fでは古代ギリシアをモチーフにした作品や花瓶、そして香水瓶など女性のための作品が展示されています。小さな作品も多く、車椅子では横から鑑賞する角度になる展示品もあります。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

2F展示を観覧後は、再度スタッフに申告して簡易スロープを設置していただきます。後ろ向きで下りるほうが安全な角度です。そして外付けエレベーターで1Fに戻り、新館へ向かいます。

新館はバリアフリー施設です。車椅子で問題なく観覧できます。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

ギャラリー1の展示テーマは「装飾の新しい視点をもとめて」。多種多様なコレクションが展示されています。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」

またギャラリー2では、現在の工房の様子を紹介するビデオがリピート放映されます。フラットなスペースに可動式の椅子が配置されているだけなので、空きスペースから車椅子でビデオを鑑賞できます。

旧朝香宮邸とルネ・ラリックは相性が良い組み合わせです。東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス」展は、幅広い層にお薦めできる企画展です。

東京都庭園美術館の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。

東京都庭園美術館「20世紀のポスター」展 バリアフリー情報

東京都港区白金台にある東京都庭園美術館の展覧会です。会期は2021年1月30日から4月11日まで。タイトルは「20世紀のポスター(図形と文字の風景)-ビジュアルコミュニケーションは可能か?」。1920年頃から1980年代頃までを中心に世界のポスターが展示され、その発展の歴史を紹介します。

東京都庭園美術館「20世紀のポスター」

東京都庭園美術館は入園料および観覧料の障がい者減免制度があり、本人と介助者2名までが無料に減免されます。庭園入口と旧浅香宮邸エントランスで障害者手帳を提示して減免措置を受けます。

来園者用の有料駐車場があり、この駐車料金も障がい者減免制度があり無料に減免されます。庭園入口で障害者手帳を提示して下さい。駐車場の最も奥に身障者用駐車スペースが屋根なしで1台分用意されています。少しでも移動距離が短いほうが良い方は、スタッフに相談すると、旧浅香宮邸エントランスに近いエリアへ誘導していただけます。それでもエントランスの目の前ではありません。60mほど距離はあります。運転者が別の場合は、エントランス前で乗降することは可能です。

車椅子での旧浅香宮邸内の観覧は、2ヵ所で計3台の簡易スロープを利用して段差回避します。車椅子で観覧に向かうと、気が付いたスタッフが簡易スロープの手配をしていただけます。

最初は旧浅香宮邸エントランスで、2台の簡易スロープを上り段差をクリアします。次は2Fへエレベーターで上がった先のある、2F内の段差箇所です。2Fのスロープはやや傾斜角度があるので、必要に応じてスタッフのサポートを受けてください。元気な介助者がいれば、クリアできます。

どちらの簡易スロープも往復で利用します。近くのスタッフに声をかけて、誘導を受けて下さい。

この段差箇所以外は、車椅子で大きな問題はなく観覧できます。ただし旧浅香宮邸内は、出入口に小さな段差がある部屋があります。近くのスタッフから注意のアナウンスもありますが、部屋の出入口は慎重に移動してください。用心すれば車椅子で通過可能です。バリアフリートイレは、旧浅香宮邸1Fと新館に用意されています。

「20世紀のポスター」展は、3つのパートで構成されます。通常の観覧動線は、1Fの7割を観覧してから2Fへ階段で移動し、2F全てを観覧してから階段で1Fへ下りて、1Fの残り3割を観覧します。

車椅子の場合、エレベーターの位置の都合で、1F全てを観覧して2Fへ上がり、2F全てを観覧して1F に下り、新館に移動するルートが動線としては効率的です。このルートで観覧すると、パート1のコーナーとパート2のコーナーが、1Fと2Fそれぞれで前後して観覧することになります。この点を頭の中で整理して、観覧することをお薦めします。

この展覧会では、単にポスターデザインの変遷を紹介するのではなく、20世紀前半にヨーロッパを中心に起こったアート全般の革命的な取り組み、また印刷される紙の種類やその時代の用いられた字体、インクなど、多彩な角度から20世紀のポスターが解説されます。アバンギャルド芸術や印刷技術に関する事前知識があると、より深く楽しめる展覧会です。

東京都庭園美術館「20世紀のポスター」展は、現在のところ事前予約は不要です。ただし混雑時は入場制限をかけるとしています。

東京都庭園美術館の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ご参照ください。