2021年7月、東京駅日本橋口の前、地下鉄大手町駅の上に誕生した38F建てのタワーです。

B1から3Fが商業施設「TOKYO TORCH Terrace」、広場が「TOKYO TORCH Park」として一般利用できます。車椅子からみた開業直後の現地のバリアフリー状況を紹介します。

アクセス上の注意点です。日本一の高さになるB棟を含めたTOKYO TORCH全体の完成は、2027年度の予定です。現在は未完成な街。大手町駅地下コンコースから常盤橋タワーB1に直結する「B9」出口は、現在閉鎖されています。2022年1月に供用開始予定です。

それまでは「B8a」出口の利用が推奨されていますが、この出口はエレベーターがありません。車椅子利用で最寄りの出口は「B10」のエレベーター出口です。常盤橋タワーとは永代通りを挟んだ反対側、鉄鋼ビルディング横の地上出口に上がります。そこから呉服橋交差点の横断歩道を渡り、地上から常盤橋タワーにアクセスします。JR東京駅からも同様に、日本橋口から地上でのアクセスになります。

常盤橋タワーの地階は丸の内パーキングがあります。出入口は呉服橋の北側405号線で左折入庫、左折出庫です。機械式駐車場で入出庫口は一つ。乗降スペースに余裕があるので、車椅子で利用できます。

「TOKYO TORCH Terrace」のバリアフリー概況です。3Fは8月以後の開業。現時点ではB1から2Fで先行営業している店舗のみ利用できます。なかには緊急事態宣言中は、開業を見合わせている店舗もあります。

店舗はグルメ店、カフェ、CVSです。グルメ店はコロナ対策が施されています。テラス席があるお店が多く、間仕切りがなく空気が入れ替わる店舗設計です。

コロナ禍以後の商業施設の新しいあり方を感じさせます。

多くの店舗は基本的にバリアフリー仕様で、可動式のテーブル席は車椅子で利用できます。カウンター席を設けたグルメ店が複数ありますが、カウンターの高さが低く足が入る構造で、車椅子のまま利用できそうです。地階のグルメ店のカウンター席は、車椅子では少し高いかもしれません。その人の障がいの状況によるので、詳細は各店舗に確認してください。

2Fに日本橋川方面を見渡す、自由に出入りできるテラスがあります。

テラスと「TOKYO TORCH Park」は階段路で結ばれています。

バリアフリーの観点から知っていると便利な2つのポイントを紹介します。
エレベーターは2系統あります。この内B1の商業スペースに行くのは、呉服橋交差点よりにあるエレベーターです。日本橋川よりのエレベーターは、B1は駐輪場に行きます。

現時点で3Fはまだクローズのため、バリアフリートイレの状況が確認できていません。また2Fはオフィスエントランス内にトイレがあるようですが、今回取材時はエントランスがクローズされていて、確認できませんでした。1FとB1には、バリアフリートイレがあります。
この内、1Fのバリアフリートイレは、男性用トイレの入口にあります。一歩入る場所なので、女性は少し利用しづらいかもしれません。

一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

B1のバリアフリートイレは一般的な位置にあります。

B1トイレも一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置が備えられています。

「TOKYO TORCH Park」のバリアフリー概況です。50匹の「錦鯉が泳ぐ池」は、車椅子で利用できます。

周囲の散策路はフラットな構造で、高台へは段差回避スロープ路が整備されています。

池の周囲から錦鯉が泳ぐ姿を鑑賞できます。

また周囲にはパイプスピーカーが設置され、耳を澄ますと、錦鯉の故郷、小地谷市の水の流れる音が聞こえます。

デンマークの遊具制作会社による錦鯉遊具が共用されています。これは錦鯉の滑り台。

こちらは船のアスレチック。子供たちに人気です。

パーク全体に段差などはありません。全面開業時には大きなパークが整備される予定です。

予定では2021年8月中旬には3Fが開業。2022年1月に地下コンコースと直結します。TOKYO TORCH常盤橋タワーは、これからより便利になるバリアフリー施設です。
別稿で2016年に開業した「大手町フィナンシャルシティ」を紹介しています。ご参照ください。
(本稿は2021年7月に執筆しました)