東京都奥多摩町から檜原村へと続くドライブルート「奥多摩周遊道路」には、車椅子で休憩ができる施設が2か所あります。その内、奥多摩町にあるのが「東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村」、「山ふる」の愛称で呼ばれる都の施設です。
山のふるさと村には、レストランと展示情報室がある「ビジターセンター」、木工教室など開催される「クラフトセンター」、そしてキャンプ場があります。車椅子で休憩に利用できるビジターセンターとクラフトセンターを中心に、現地のバリアフリー状況を紹介します。
なお檜原村にある檜原都民の森については、別稿「奥多摩周遊道路 檜原都民の森 車椅子利用ガイド バリアフリー情報」を参照してください。

奥多摩周遊道路から山のふるさと村へ行く側道に入ります。キャンプ場の駐車場は別にありますが、側道の終点にビジターセンターとクラフトセンターの共通駐車場があります。身障者用駐車スペースはビジターセンター前に1台分用意されています。

ビジターセンターは2フロア構造の施設で、駐車場の高さのフロアがビジターセンター、下のフロアにレストランがあります。ビジターセンターへは身障者用駐車スペースからフラットに移動できます。出入口に段差はありません。

ビジターセンターには、自然を紹介した展示や、各種のパンフレットや資料が置かれています。奥多摩の自然に詳しい専門職員が常駐しているので、自然情報や施設案内、周辺案内などを聞くことができます。今回は奥多摩湖周辺に住むアナグマの生態について教えていただけました。

センター内にある薪ストーブが暖かい。松ぼっくりや木の実などを拾ってくると、ストーブの中で炭を作る実験をしていただけるそうです。

レストランに移動します。屋内に階段がない構造で、屋外から下のフロアに移動します。車椅子ルートを案内するサインが設置されています。

スロープの入口にも車椅子のサインがあります。

緩やかなスロープを下りると、トイレがある半地下の高さにでます。

ビジターセンターのトイレは外側から利用するタイプで、中央部がバリアフリートイレです。今回取材時は、故障で使用できませんでした。

レストランへは、もう一つスロープを下ります。このスロープも緩やかな傾斜です。

レストラン「ごはんCaféやませみ」の入口は手動ドアですが段差はありません。

店内はフラットでスペースに余裕があります。可動式のテーブル席を選べれば、車椅子で利用できます。

食券制やセルフサービスではなく、本格的なレストランです。美味しい定食、単品、バーガーやカレー、ケーキやドリンクなど多彩なメニューが用意されています。内装も素敵なレストランです。

レストランの前庭にはベンチシートが置かれ、水車小屋、太陽光発電施設などがあります。この先は奥多摩湖畔です。

次にクラフトセンターを紹介します。この中に綺麗なバリアフリートイレがあります。

ビジターセンターとクラフトセンターの間には、車椅子対応型の水飲みがあります。

クラフトセンターの正面は階段です。車椅子では横側からの迂回ルートが案内されています。

迂回ルートの入口にも車椅子のサインが掲示されています。

車椅子ルート上の小さな段差箇所には、段差解消スロープが設置されています。

クラフトセンターの出入口は段差の無い構造です。

クラフトセンターのエントランスロビーは、フラットな構造でスペースに余裕があります。

ロビーの奥に館内トイレがあります。

バリアフリートイレはスペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置、ユニバーサルベッドが備えられています。

山のふるさと村は、奥多摩周遊道路ドライブの休憩に、車椅子で利用できる施設です。
(本稿は2022年1月に執筆しました)