東京花の名所 小平あじさい公園 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

東京都小平市にあるアジサイが植栽された無料公園です。開園は1973年。アジサイの名所になることを目指して造園されました。雑木林の中に約1,500株の様々な品種のアジサイと、園内の池には蓮や菖蒲が植栽されています。バリアフリー設計の公園ではありませんが、後付けでスロープを設置。車椅子散策が可能です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。

小平あじさい公園

現地の看板では小平駅から約300ⅿ、小平市のHPでは駅から徒歩5分の案内です。

小平あじさい公園

公園は車が通行できない「多摩湖自転車歩行者道」に面しています。この歩行者道に入れば、車椅子で快適に移動できます。

小平あじさい公園

来園者用の駐車場はありません。車利用の場合は近隣のコインパーキングなどの利用になります。今回取材した限りでは、近隣に身障者に配慮のある有料駐車場は発見できませんでした。もっとも近い有料駐車場は「ECOパーク小平美園町2」ですが、砂交じりの未舗装路面の駐車場です。路面は固いので車椅子は動きますが、タイヤ周辺が砂で真っ白になりました。

あじさい公園は周囲からやや低い窪地にあります。公園内には複数の出入口がありますが、すべて階段路です。

小平あじさい公園

スロープルートは一か所。小川用水路に沿った横道にあります。

小平あじさい公園

傾斜角度は緩く、途中にクランクがありますが、問題なく車椅子で通行できます。

小平あじさい公園

園内のバリアフリー状況です。あじさい公園内の路面は、舗装路面部と未舗装路面部がありますが、未舗装でも固い路面なので、主要な散策路はすべて車椅子で移動可能です。

小平あじさい公園

ただしアジサイ畑内に入り込むような箇所は、車椅子での通行が困難な道があります。

小平あじさい公園

園内にある公衆トイレには、バリアフリートイレはありません。

小平あじさい公園

例年、アジサイの開花時期に「こだいらあじさい祭り」が開催されます。残念ながら2020年と2021年はコロナ対策で中止。それでも現地には、のぼりが一本立てられていました。

小平あじさい公園

一般的なアジサイとガクアジサイが半々程度で、青い花のアジサイが多く、赤い花は少数です。アジサイの名称が掲示されている株があり、多くの品種が植栽されていることが分かります。梅雨の季節、鮮やかな色彩を楽しめる人気の公園です。

園内には小さな池があり、蓮や菖蒲が楽しめます。

小平あじさい公園

池の周囲は未舗装路面ですが、決定的な段差や大きなデコボコはないので、車椅子で近づいて池を鑑賞することができます。

小平あじさい公園

なかなか趣のある池の風景です。

小平あじさい公園

あじさい公園は武蔵野の雑木林でもあります。木々が成長して大きくなると、アジサイに陽が当たらずに弱ってしまいます。そのため15年から20年に一度、雑木を根元から切り倒して再生させる「萌芽更新」と呼ばれる伝統的な手法が行われています。武蔵野の雑木林は、そのようにして管理維持されているそうです。

小平あじさい公園

昭和40年代に開園した公園なので、「小平あじさい公園」はバリアフリー設計ではありませんが、部分的な改修によって、車椅子でアジサイを楽しめる公園に整備されています。

近隣にあるユニークな施設「小平市ふれあい下水道館」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年6月に執筆しました)

ブリヂストンイノベーションギャラリー 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

広大な敷地に広がる東京都小平市の「ブリヂストン技術センター・東京ACタイヤ製造所」の一角に、2020年11月にリニューアルオープンした施設です。入館は無料。ブリジストンの歴史と現在そして未来を紹介しています。新しい施設なのでバリアフリー。車椅子で見学できます。

ブリジストン イノベーションギャラリー

小川駅から徒歩5分の案内です。駅からのルートは、ほとんどアップダウンはありません。車椅子で通行可能です。

車利用なら、来館者用の大きな無料駐車場が用意されています。身障者用駐車区画はエントランス近くに屋根なしで2台分。区画サイズは前後左右に余裕があります。

ブリジストン イノベーションギャラリー

駐車場から段差なくエントランスに移動できます。

ブリジストン イノベーションギャラリー

出入口は段差のない自動ドアです。

ブリジストン イノベーションギャラリー

すぐ正面に受付があるので入館手続きを行います。館内は自由見学ですが、事前予約制のガイドツアーもあります。

ブリジストン イノベーションギャラリー

1Fの半分はフリースペース。今回取材時は企業カレンダーの歴史展が開催されていました。フラットで広いスペースを利用した展示なので、車椅子で問題なく見学できます。

ブリジストン イノベーションギャラリー

館内のバリアフリー概況です。2フロアに4つの展示場がある構成です。各フロア、各展示場内は、ゆとりのあるスペース、そしてフラットな構造。車椅子での移動に問題はありません。エレベーターは1基。かごは大型の車椅子でも入るサイズです。

ブリジストン イノベーションギャラリー

バリアフリートイレは1Fに1つあります。スペースは一般的なサイズの個室で、ウォシュレット付き便器が備えられています。

ブリジストン イノベーションギャラリー

通常の見学コースは、1Fから2Fへ、そして1Fへ戻る順で、4つの展示を見学します。

ブリジストン イノベーションギャラリー

最初の展示ではブリヂストンおよびタイヤの歴史を解説。映像や音響を用いた展示です。

ブリジストン イノベーションギャラリー

2Fでは製品やサービス、ソリューション、ブリヂストンの広範な事業領域に関する解説があります。

ブリジストン イノベーションギャラリー

見学者のゴルフスイングを分析するコーナーや、ゴムの性質を解説する展示など、体験参加型の展示物もあります。

ブリジストン イノベーションギャラリー

車椅子から見難い気になる展示はありません。

ブリジストン イノベーションギャラリー

1Fに戻って見る最後のコーナーは、先端技術の紹介。月面用タイヤの展示や、両面スクリーンの映像プロモーションなどがあります。

ブリジストン イノベーションギャラリー

展示そのものに先端技術が取り入れられています。タイヤ専門の資料館ではなく、様々な分野の紹介ある「ブリヂストン イノベーションギャラリー」は、幅広い層の方にお薦めできるバリアフリー施設です。

小平市にある東京ガスの資料館「ガスミュージアム」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2021年1月に執筆しました)

小平市ふれあい下水道館 車椅子見学ガイド バリアフリー情報

東京都小平市にある「日本で唯一、誰でも自由に本物の下水道管の中に入って体験ができる施設」です。「ふれあい下水道館」は車椅子で見学ができます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

小平市ふれあい下水道館

鷹の台駅から徒歩7分の案内です。駅からのルートは、ほとんどアップダウンはありません。近隣には津田塾大学があり、近くを流れる玉川上水には遊歩道があります。

来館者用の無料駐車場があります。

小平市ふれあい下水道館

身障者用駐車区画の設定はありませんが、フラットな舗装路面の駐車場なので、空いて入れば車椅子で問題なく乗降できます。

小平市ふれあい下水道館

エントランスは駐車場から建物を半周回った先にあります。

小平市ふれあい下水道館

下水管をイメージしたオブジェの横を通り、エントランスに向かいます。

小平市ふれあい下水道館

エントランス周辺は、水の環境問題をテーマにしたビオトープが設けられています。

小平市ふれあい下水道館

そのままスロープ通路を進み、エントランスに向かいます。

小平市ふれあい下水道館

この間のルートに段差はありません。出入口は自動ドアです。

小平市ふれあい下水道館

小平市ふれあい下水道館は、入館無料の施設です。エントランスホールの名称は「水の風景」で、水槽に魚が泳ぐ「来館者に清流のイメージ空間を提供」しています。

小平市ふれあい下水道館

バリアフリートイレは1Fに1つあります。スペースは一般的なサイズで、ウォシュレット無しのシンプルな設備のトイレです。

小平市ふれあい下水道館

展示室はB2からB5まであります。一般来館者は「洞窟階段」で下りて、エレベーターで上がることが推奨されています。

小平市ふれあい下水道館

「洞窟階段」も展示物のひとつです。

小平市ふれあい下水道館

車椅子利用者はエレベーターを利用して、各階の展示を見学します。

小平市ふれあい下水道館

B1は講座室、そして本物の下水道管は、地下25mのB5にあります。B2からB4の3フロアが、下水道に関する展示室です。B2の最初の展示は下水と汚水が発生するイメージです。

小平市ふれあい下水道館

各階ごとに展示解説のテーマがあります。

小平市ふれあい下水道館

B2「暮らしと下水道」、B3「小平の水環境」、B4「特別展示室」です。

小平市ふれあい下水道館

いずれのフロアも車椅子で問題なく展示見学ができるバリアフリー仕様です。

小平市ふれあい下水道館

B5が「ふれあい体験室」です。本物の下水管がある「体験コーナー」への入口は階段です。

小平市ふれあい下水道館

その横に車椅子用の昇降機が用意されています。

小平市ふれあい下水道館

昇降機を下りて、小さな段差があるコーナー入口を通過した先に、下水管の入口の厳重なドアが見えます。今回取材時は、コロナ対策で本物の下水管見学は中止されていました。一般的な車椅子利用者なら、小さな段差を乗り越えて、下水管見学ができるそうです。ただし強烈な臭気と、目が痛くなるほどの刺激があるかもしれないということ。見学には覚悟が必要です。

小平市ふれあい下水道館

B5の展示室には「小平市のマンホール」の展示もあります。

小平市ふれあい下水道館

この見学は何の覚悟もいりません。

小平市ふれあい下水道館

館内には様々な「微生物キャラクター」がいます。小平市ふれあい下水道館は、車椅子で見学ができるユニークな資料館です。

近隣にある都内最大級の遺跡を紹介する「鈴木遺跡資料館」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2020年12月に執筆しました)