銀座三越 車椅子買物ガイド バリアフリー情報

銀座のランドマーク「銀座三越」。元々は二棟の建物を一体化したため、車椅子で利用すると思わぬ段差があるフロアがあります。車椅子からみた銀座三越のバリアフリー状況を紹介します。

銀座三越

銀座四丁目に建つ銀座三越は、様々な建築制限をクリアしたリニューアルを行っています。交差点からみると8階建ての建物に見えますが、実際にはB4から12Fまでの構造で、M2とM5フロアもあります。車椅子で利用する場合、多頻度の上下階移動と同フロア間移動での思わぬ段差に注意する必要があります。

銀座三越

旧本館と旧新館が組み合わさった構造です。それぞれの1Fと2Fは構造的に分離しています。1Fは地上通路で連絡しますが、2Fは全く連絡しません。そのため旧本館の2階を2F、旧新館の2階をM2としています。

銀座三越

同様の表記で5FとM5があります。このフロア間は段差がありますが、エレベーターで車椅子で移動できます。そしてM5と6F間も、車椅子では段差をエレベーターで解消する構造です。

銀座三越

8Fも旧本館と旧新館で段差があります。このフロアはエレベーターに加え、段差解消スロープが設置されています。

銀座三越

エレベーターは2系統。5Fと8F間はもう1基、段差解消用エレベーターがあります。2系統のエレベーターに、それぞれ車椅子ベビーカー優先エレベーターが1基指定され、多言語でその趣旨が案内されています。それでも運が悪いとエレベーターはかなり待ちます。混雑時はこの点を覚悟して下さい。

銀座三越

銀座の中心地なのでアクセスは抜群です。地下鉄駅とは段差解消エレベーターを利用してB1に直結。B4フロアは駐車場で身障者用駐車スペースがあります。ただし地下駐車場は満車になることが多いので、周辺にいる三越の看板を掲げた駐車場スタッフに、車椅子利用の旨を申告相談して誘導に従ってください。

銀座三越

車椅子でのお薦め観光スポットは、9Fの「銀座テラス」です。テラスはバリアフリー。屋内のテラスルームから、屋外のテラスガーデンまで、車椅子で利用できます。

銀座三越

銀座テラスには、歴史ある銀座出世地蔵が鎮座しています。神社は「三囲(みめぐり)神社」。弘法大師の建立で三井家の守護神です。車椅子で参拝できるバリアフリー神社で、小さな社務所がありスタッフが1名常駐。おみくじやお守りなどを頒布していただくことが出来ます。銀座四丁目で、出世と商売繁盛、家内安全を祈願できます。

銀座三越

銀座テラスの高さは、和光の時計台とほぼ同じ。テラスから眺める和光時計台の景観もお薦めです。銀座四丁目の時計台をバックにした自撮も、高い場所からなら頑張れば可能です。

銀座三越

8Fは「空港型市中免税店」があります。お買い物が出来るのは、出国チケットがある外国人観光客だけ。商品の引き渡しは出国手続き後の空港になります。この売り場が誕生した当初、ここには「ゴールデンパンダ」が鎮座していました。現在はいません。

銀座三越

旧新館の晴海通り側1Fにはフラワーショップが入店。そのお店の横の出入口が「フラワー口」。季節によりますが、花のディスプレイが登場することもあります。

銀座三越

銀座三越は、慣れないと構造が分かりにくいかもしれませんが、車椅子で利用できます。バリアフリートイレは数多くあり、ユニバーサルベッド(大型の介助シート)を備えたバリアフリートイレがあります。銀座の老舗は改装が進みました。いまでは先端のバリアフリー施設です。

銀座四丁目交差点にある「銀座プレイス」のバリアフリー状況を別稿で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2018年に執筆しました)

銀座歌舞伎座 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

現在の歌舞伎座は2013年竣工の施設。車椅子で利用できるバリアフリー設計です。観劇席はもちろん、屋上庭園から地下駐車場まで、車椅子で利用できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

車椅子での観劇は電話予約です。1Fの花道横に2台分車椅子用のスペースがあり早い者勝ちです。チケットは当日B2切符売り場で引き換えます。

車椅子専用スペースからの観劇なので、健常者と車椅子利用者は並んで観劇できません。専用スペースのすぐ前の列の席を予約できれば、前後に並んで観劇することは可能です。16列の4番から6番になります。

4Fの一幕見席にも2席分の車椅子用スペースがあります。利用した方の話しでは、前席の背もたれシートが邪魔で、よく見えないということ。背の低い人は、特別なシートクッションでも用意して座高を上げる工夫が必要かもしれません。

一幕見席は予約不可の早いもの勝ちです。おおよそ開幕の1時間前くらいから席の販売が始まり、20分前から4Fへの案内が始まりますが、その間は歌舞伎座の前の吹きさらしで待ちます。寒い日、暑い日などは、ご自身の障がいの状況に応じて、万全の対策でお出かけください。4Fへはエレベーターで上がります。4Fにバリアフリートイレがあります。

一般商業施設としては5Fが最上階で、写真スタジオ、お土産ショップ、お茶処、屋上庭園、有料の歌舞伎座ギャラリーなどがあります。

歌舞伎座ギャラリーの障がい者減免制度は、障害者手帳の有無は関係なく、車椅子に乗っている人の介助者1名の入場料が無料に減免されます。車椅子利用者本人は有料です。入場チケット発売窓口に、その趣旨を説明したボードが配備されています。

屋上庭園へは車椅子で出ることができます。そこから4Fへ屋外階段で下りるルートが楽しい一般観光コースなのですが、車椅子では屋内に戻りエレベーターで4Fへ下ります。

銀座歌舞伎座

4Fは観光客が少ないのが魅力のフロアです。現在の歌舞伎座は4代目。建物としての銀座歌舞伎座4代のジオラマが展示され、ハードとしての歌舞伎座の変遷がよく解ります。またギャラリーには歴代歌舞伎名優の写真が展示されています。このフロアにバリアフリートイレがあります。

1F正面入口は晴海通り側。地下や観劇フロアへ行くエレベーターはすぐに分かります。1Fから4F、5Fの一般商業フロアに行く場合のエレベーター乗降口は、歌舞伎座ビルを半周まわった先の北側にあります。

歌舞伎座は地下鉄駅に直結しています。地下B2の玄関口はお土産ショップと情報コーナーの「木挽町広場」。このフロアはバリアフリー仕様で、車椅子で利用できます。

銀座歌舞伎座

地下駐車場の詳細です。地下駐車場は、歌舞伎座が混雑している日でも、滅多に満車になりません。入場口は昭和通りからで右折入場は不可。機械式に入庫した場合、待合室から上階に向かうのはエスカレーターになります。入口に誘導スタッフがいるので、車椅子利用の旨を申告相談してください。

身障者用駐車スペースを希望した場合、機械式駐車場待合室の近くに2台分と、そこから半地下分下がった箇所に数台分、2か所に平置きの身障者用駐車スペースがあります。機械式駐車場の待合室近くのスペースに停めると、鉄の扉を開けてスロープを通り、半地下分下がってエレベーターに乗ることになります。エレベーター乗り口に近い、半地下分下がった先の身障者用駐車場がお薦めです。なおこのエレベーター乗り口の横に、バリアフリートイレがあります。一幕見席ではない通常席での観劇の方には、駐車料金の減免サービスがあるのでご利用ください。

銀座歌舞伎座は、地下鉄駅から、あるいは地下駐車場利用で、雨の日でも濡れずに利用できる施設です。

「銀座三越」のバリアフリー状況を別稿で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2018年に執筆しました)

銀座メゾンエルメスフォーラム 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

銀座五丁目の「銀座メゾンエルメス」は、エルメスジャポン(株)の本社ビルです。B1から4Fまでが店舗、そして8Fと9Fにアートギャラリー「フォーラム」があり、展覧会が開催されます。2001年竣工の銀座メゾンエルメス。「フォーラム」を中心にバリアフリー状況を紹介します。

銀座メゾンエルメスフォーラム

「銀座メゾンエルメスフォーラム」では、エルメス財団の主催で、年間3本から4本の展覧会が開催されています。入場無料、期間中無休、開館時間は11時から20時、銀座の一等地で、無料で、アート展が楽しめるギャラリーです。展覧会によって開催要領が変るかもしれません。個別に確認して下さい。

銀座メゾンエルメスフォーラム

銀座メゾンエルメスの晴海通り側入口は段差があります。車椅子ではソニー通り側の入口から入館します。

銀座メゾンエルメスフォーラム

エルメス店舗入口スタッフの誘導に従ってください。店内の動線はフラットで車椅子での移動に大きな問題はありません。1F奥にエレベーターが2基あるので「フォーラム」がある8Fまたは9Fへ向かいます。

また店外から利用するエレベーターもあります。スタッフの誘導に従ってください。コロナ禍以後は、店外エレベーターが利用されています。

銀座メゾンエルメスフォーラム

店内エレベーターのかごはやや小さいサイズで、一般的なサイズの車椅子はギリギリで入ります。エレベーターの手すりは革張です。

ギャラリーには相当数のスタッフがいます。車椅子利用で困ることがあったら、スタッフに相談してください。

銀座メゾンエルメスフォーラム

8Fのフロアは完全な仕切り構造ではありませんが、ギャラリーは2室に分かれる構造です。フロアの構造はフラットで車椅子で移動できます。

銀座メゾンエルメス フォーラム

9Fは8Fからの吹き抜けがある中二階のような構造です。

銀座メゾンエルメスフォーラム

その展覧会の展示手法次第ですが、これまで車椅子で鑑賞が出来なかった経験はありません。

銀座メゾンエルメスフォーラム

壁面はガラス外壁がそのまま利用されています。自然光が入る展示室です。

銀座メゾンエルメスフォーラム

開催される展覧会は現代アート展が多く、パッと見てよく解るというアートではない企画が主流です。展覧会によっては、フォーラムスタッフが解説する「ギャラリーツアー」が開催されることもあります。深く作品を理解したい方は、チェックしてください。

銀座メゾンエルメス フォーラム「転移のすがた」

10Fには40席を備えたミニシアター「ル・ステュデイオ」があり、無料事前予約制の映画上映会が開催されます。

銀座メゾンエルメス

10F会場へのアクセスは、通常は1Fからソニービル側の店外エレベーターの利用になります。その時々の状況で変わることもあるので、予約時の案内を確認してください。会場は車椅子用の特別なスペースはありませんが、最前列からの観覧は可能です。10Fフロアのトイレには、バリアフリートイレはありません。

ル・ステュデイオ

「銀座メゾンエルメスフォーラム」は、スタッフの誘導を受ければ、車椅子での利用が可能です。

グラフィックデザインの展覧会が開催される「ギンザグラフィックギャラリー(ggg)」のバリアフリー状況を別稿で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年6月に加筆しました)