現在の歌舞伎座は2013年竣工の施設。車椅子で利用できるバリアフリー設計です。観劇席はもちろん、屋上庭園から地下駐車場まで、車椅子で利用できます。現地のバリアフリー状況を紹介します。
車椅子での観劇は電話予約です。1Fの花道横に2台分車椅子用のスペースがあり早い者勝ちです。チケットは当日B2切符売り場で引き換えます。
車椅子専用スペースからの観劇なので、健常者と車椅子利用者は並んで観劇できません。専用スペースのすぐ前の列の席を予約できれば、前後に並んで観劇することは可能です。16列の4番から6番になります。
4Fの一幕見席にも2席分の車椅子用スペースがあります。利用した方の話しでは、前席の背もたれシートが邪魔で、よく見えないということ。背の低い人は、特別なシートクッションでも用意して座高を上げる工夫が必要かもしれません。
一幕見席は予約不可の早いもの勝ちです。おおよそ開幕の1時間前くらいから席の販売が始まり、20分前から4Fへの案内が始まりますが、その間は歌舞伎座の前の吹きさらしで待ちます。寒い日、暑い日などは、ご自身の障がいの状況に応じて、万全の対策でお出かけください。4Fへはエレベーターで上がります。4Fにバリアフリートイレがあります。
一般商業施設としては5Fが最上階で、写真スタジオ、お土産ショップ、お茶処、屋上庭園、有料の歌舞伎座ギャラリーなどがあります。
歌舞伎座ギャラリーの障がい者減免制度は、障害者手帳の有無は関係なく、車椅子に乗っている人の介助者1名の入場料が無料に減免されます。車椅子利用者本人は有料です。入場チケット発売窓口に、その趣旨を説明したボードが配備されています。
屋上庭園へは車椅子で出ることができます。そこから4Fへ屋外階段で下りるルートが楽しい一般観光コースなのですが、車椅子では屋内に戻りエレベーターで4Fへ下ります。

4Fは観光客が少ないのが魅力のフロアです。現在の歌舞伎座は4代目。建物としての銀座歌舞伎座4代のジオラマが展示され、ハードとしての歌舞伎座の変遷がよく解ります。またギャラリーには歴代歌舞伎名優の写真が展示されています。このフロアにバリアフリートイレがあります。
1F正面入口は晴海通り側。地下や観劇フロアへ行くエレベーターはすぐに分かります。1Fから4F、5Fの一般商業フロアに行く場合のエレベーター乗降口は、歌舞伎座ビルを半周まわった先の北側にあります。
歌舞伎座は地下鉄駅に直結しています。地下B2の玄関口はお土産ショップと情報コーナーの「木挽町広場」。このフロアはバリアフリー仕様で、車椅子で利用できます。

地下駐車場の詳細です。地下駐車場は、歌舞伎座が混雑している日でも、滅多に満車になりません。入場口は昭和通りからで右折入場は不可。機械式に入庫した場合、待合室から上階に向かうのはエスカレーターになります。入口に誘導スタッフがいるので、車椅子利用の旨を申告相談してください。
身障者用駐車スペースを希望した場合、機械式駐車場待合室の近くに2台分と、そこから半地下分下がった箇所に数台分、2か所に平置きの身障者用駐車スペースがあります。機械式駐車場の待合室近くのスペースに停めると、鉄の扉を開けてスロープを通り、半地下分下がってエレベーターに乗ることになります。エレベーター乗り口に近い、半地下分下がった先の身障者用駐車場がお薦めです。なおこのエレベーター乗り口の横に、バリアフリートイレがあります。一幕見席ではない通常席での観劇の方には、駐車料金の減免サービスがあるのでご利用ください。
銀座歌舞伎座は、地下鉄駅から、あるいは地下駐車場利用で、雨の日でも濡れずに利用できる施設です。
「銀座三越」のバリアフリー状況を別稿で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2018年に執筆しました)