1955年から営業していた通称「赤プリ」を再開発して、2016年に東京ガーデンテラス紀尾井町が誕生しました。住所は東京都千代田区紀尾井町1番。36階建ての紀尾井町タワー、21階建ての紀尾井町レジデンス、歴史的建造物「赤坂プリンスクラシックハウス」で構成される施設です。横のお濠は江戸城「弁慶濠」です。

車椅子での地下鉄駅からのアクセス状況です。永田町駅9a出口と2Fで直結していますが、このルートは途中でエスカレーターや階段があるので、車椅子ではアクセスできません。永田町駅の地上行きエレベーターは5番出口「都道府県会館」にあり、東京ガーデンテラス紀尾井町の4Fの高さに近い場所にでます。赤坂見附駅からはA・B・C出口から赤坂地下道経由で地上エレベーターを利用し、東京ガーデンテラス紀尾井町の1Fの高さに近い場所にでます。東京ガーデンテラス紀尾井町への地下鉄駅からの車椅子でのアクセスは便利ではありません。
駐車場は車椅子で利用しやすいバリアフリー仕様です。入口はプリンス通り側と紀尾井町通り側の2か所にある屋内機械式駐車場です。機械式ですが乗降スペースに余裕があり、車椅子で乗降できる駐車場です。駐車場から紀尾井町タワー1Fへ直結します。

商業フロアは紀尾井町タワー1Fから4Fの「紀尾井テラス」です。紀尾井テラスの各フロアは、1F「弁慶濠テラス」、2F「小左衛門テラス」、3F「達磨坂テラス」、4F「御門テラス」という名称がつけられています。飲食店、物販店、サービス店などが営業しています。

4フロア構造の紀尾井テラス内は、フラットな構造でバリアフリー仕様です。バリアフリートイレは1F・2F・3Fに用意されています。エレベーターは1Fからは1基、2Fからは2基あり、上下階移動はスムースにできます。

紀尾井テラスの2F部から4F部にかけて、弁慶濠沿いに造られたウッドデッキの散策路があります。石垣を眺めながらの散策が楽しめるですが、途中に段差があるので、車椅子では散策できません。
1Fエントランス前の広場は「花の広場」です。フラットで開放的な空間で、クリスマスシーズンはツリーが飾られます。

4Fの広場は「水の広場」で、その先に「赤坂プリンスクラシックハウス」があります。

赤坂プリンスクラシックハウスは、昭和初期に建てられた旧李王家東京邸で、その後長く「赤坂プリンス旧館」として利用されてきました。現在はウェディング会場などに利用されています。

赤坂プリンスクラシックハウスの周囲はローズガーデンで一般公開されています。車椅子でバラの園を散策できます。

クラシックハウスを背景に見事なバラが楽しめるバリアフリー空間です。

バラ園は大きく4つに区分され、それぞれがテーマのあるローズガーデンとして造園されています。

クラシックハウスの正面からフラットにプリンス通りに出ることが出来ます。

赤坂プリンスクラシックハウスが建つ、紀尾井テラス4Fはビオトープがあるエコロジカルゾーン「芽生えの庭」「光の森」へなどがある空間です。

東京ガーデンテラス紀尾井町の敷地内全域の緑地は「都市のオアシス」認定を受けています。

車椅子で都市のオアシス内を散策することができます。

エコロジカルネットワークに貢献するビオトープには、木製デッキの散策路が整備されています。

都市の空間とは思えない自然環境が再現されています。

皇居周辺で生息が確認されている「ヘイケボタル」の自然繁殖などに挑戦しているビオトープです。

紀尾井テラス4Fと1Fを直行でつなぐエレベーターが屋外部に設置されています。大きなエレベーターで、車椅子で問題なく乗り込めます。

18mの高低差があるパブリックゾーンを繋ぐバリアフリー施設です

1Fのエレベーター乗降口は紀尾井町通りの高さで、そこから1F「花の広場」へほぼフラットに移動できます。

紀尾井町の語源は「紀伊徳川家」「尾張徳川家」彦根の「井伊家」の屋敷があったことに由来します。東京ガーデンテラス紀尾井町は、江戸時代からの歴史に、最新の環境とアートを取り入れた施設です。

車椅子での地下鉄駅からのアクセスは便利ではありませんが、東京ガーデンテラス紀尾井町の商業施設と、赤坂プリンスクラシックハウス周辺は、車椅子で利用できます。
近隣の人気店「とらや赤坂店」を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2022年5月に書き直しました)