今津ヴォーリズ資料館 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

滋賀県高島市の「今津ヴォーリズ資料館」は、2000棟以上の建築を手がけたヴォーリズを学ぶ資料館です。大正12年築の銀行を改装した施設で、車椅子でなんとか見学できます。現地の状況を紹介します。

なお本稿は2016年9月の取材に基づいています。

 

青い目の近江商人、ウィリアム・ヴォーリズ。宣教師であり、建築家であり、近江兄弟社の創業者です。

彼の設計で大正12年に建設された百三十三銀行今津支店の建物が、資料館として無料公開されています。

無料駐車場があります。

やや段差はありますが車椅子での入館は可能です。

障害者用トイレはありません。

 

2F建ての大きくはない建物です。建物の出入口に低い段差があります。

1Fが公開され、建物内部の壁面周辺にヴォーリズを学ぶ各種の資料が展示されています。

フロア中央部は、テーブルと椅子が設置され、カフェ機能もある市民のための自由スペースです。

館内の床面はフラットで、車椅子での館内移動は可能です。車椅子での資料館の見学は、スペースに余裕はありませんが、十分に可能です。

 

ヴォーリズは活動の拠点を近江八幡においたので、滋賀県には多くの建築物が現存しています。

関東地方では「山の上ホテル」「主婦の友社」「東洋英和女学院」などが有名。生涯で2000棟以上の建築を手がけました。「今津ヴォーリズ資料館」では、それらの建築物の写真パネルと解説、ヴォーリズの経歴年表などが展示されています。

 

ヴォーリズの略歴です。

明治38年に25歳で英語教師として来日し、滋賀県商業高校に赴任。近江八幡を拠点にキリスト教の布教、建築設計、のちに近江兄弟社になる製薬会社を設立、結核診療所を設立、図書館を開設、出版活動も行い、昭和16年に日本国籍を取得。昭和33年に近江八幡市の名誉市民第一号となり、昭和39年に84歳でその生涯を終えました。奥様はもちろん日本人です。

 

今津ヴォーリズ資料館の建物の略歴です。

大正12年に百三十三銀行今津支店として建設され、昭和53年まで銀行の支店として使われました。その後町が買い取り、翌昭和54年からは町立図書館になり、平成13年まで図書館として利用。保存活用することが決まり、建設当初の姿に修復工事が行われ、平成15年から資料館として公開されています。

建築されてから約80年間にわたって、銀行、図書館として実際に使用されてきた建物です。国の登録有形文化財に指定されています。建物だけでも見る価値があります。

 

入口には小さな段差があり、屋内スペースは余裕がありませんが、今津ヴォーリズ資料館の内外は車椅子で見学できます。

琵琶湖畔白髭神社 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

滋賀県高島市、琵琶湖の湖中に建つ大鳥居で有名な「白髭神社」は、本殿は車椅子で参拝できます。2000年の歴史をもつ全国の白髭神社の総本社のバリアフリー状況を紹介します。

なお本稿は2016年9月の取材に基づいています。

 

創建は紀元前とも伝承されます。近江最古の神社であることは事実のようです。

駐車場あり、となっていますが、社務所前のスペースなどに適当に車を停めます。

そこから本殿には、車椅子でそのまま行くことが出来、参拝は可能です。

琵琶湖畔白髭神社 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

車椅子で簡単に移動できるのは、駐車スペースから本殿周辺だけです。有名な琵琶湖の湖中に建つ大鳥居に行くには、国道161号を横断する必要があります。

白髭神社から見える限りの区間、この国道には横断歩道や信号はありません。交通量は多く、それもかなりのスピードで車が走っています。この国道を車椅子で横断するのは危険です。

仮に横断できたとして、湖中の大鳥居により近づくためには、国道脇から階段で湖畔に下ります。

車椅子では、本殿のある境内から国道越しに湖中に建つ大鳥居を眺めてください。

車椅子利用者に限らず、国道の横断は危険です。

琵琶湖畔白髭神社 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

本殿の裏は山。ここを階段で上ると「上の宮」とよばれるパワースポットがあります。

天照皇大神を始め十柱を祀るお社が点在。お社だけではなく、祭祀に使われたらしい大岩や古墳がある、パワースポット感あふれる「上の宮」です。

山登りの階段の先にある「上の宮」なので、車椅子での参拝は出来ません。

 

湖中に建つ大鳥居の由来です。

社伝社記では、2000年前から波打ち際に鳥居が見え隠れしていて、天下変災の前兆として湖中に鳥居が突然姿を現したとされています。

現実には、昭和12年に個人により寄贈された鳥居が湖中に建てられ、現在の鳥居は昭和58年に琵琶湖総合開発の保証事業として建造されています。

伝説伝承はともかく、実際には80年ほどの歴史を有する、湖中に建つ大鳥居です。

 

神社として正確な記録が残っているのは、慶長年間の1603年に、豊臣秀吉の遺命により、豊臣秀頼が本殿を建立したということ。檜皮葺の入母屋造りで、これは桃山時代特有の建築様式です。

屋根続きの拝殿は明治時代、1879年の築。この様式は明治時代の特徴的な増築構造です。

本殿は昭和13年に国の重要文化財に指定されています。戦災にあわずに現存する桃山建築です。

琵琶湖畔白髭神社 車椅子参拝ガイド バリアフリー情報

昭和30年代の写真をみると、琵琶湖畔沿いには江若鉄道が走り、国道の道幅は狭く、神社と琵琶湖の距離が近い印象を受けます。

その後鉄道が廃線になり、国道の道幅が拡充され、現在の景観になりました。

桃山建築を残す本殿、パワースポット「上の宮」を有する神社境内と、湖中に建つ大鳥居の間に、交通量が多い国道があります。

観光情報で、それぞれを別々のショットでみると素晴らしい景観に思えますが、現地は国道で分断されています。

車椅子では、本殿を参拝して、国道越しに湖中の大鳥居を見て下さい。

車椅子で行く琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

琵琶湖に行ったら車椅子で立ち寄りたい、バリアフリーな観光施設を紹介します。

なお本稿は2016年9月の取材に基づいています。

○琵琶湖博物館

草津市にある琵琶湖を学ぶ施設です。2016年7月にリニューアルオープン。車椅子で展示を見学しやすい、バリアフリー博物館です。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

障害者用駐車区画は、エントランス前に屋根付で6台分、少し離れた場所に屋根無しで6台分あります。館内の段差はスロープ及びエレベーターでバリアフリー対応。障害者用トイレは6箇所。入館料は障害者本人と介助者1名は無料に減免されます。

「淡水魚の水中トンネル」は特殊な音響装置を用いて琵琶湖の水中の音も楽しむことが出来る展示で、車椅子で利用できます。建物中央部には1F・2F吹き抜けの琵琶湖ビューの大きな窓があり、車椅子でインドアから琵琶湖の雄大な景観が楽しめます。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

 

○佐川美術館

守山市のバリアフリー美術館です。立地は琵琶湖畔、遠くに比叡山を仰ぎます。

水庭に浮かぶ建物はそれ自体がアートで、各種の建築賞を受賞しています。

駐車場は十分なスペースが用意されていますが、障害者用駐車区画も含めてフラットな舗装面ではなく、駐車区画の後ろ側が側溝のような構造でややデコボコがあるので注意してください。美術館正面で乗降することも出来ます。

障害者手帳の提示で入館料は本人と介助者1名が無料に減免されます。すべての通路は広くフラット。すべての展示物が車椅子から見やすい展示。障害者用トイレは2か所あります。

常設展示は絵、彫刻、陶器の「日本三大高峰の発信地」がコンセプト。絵画は「平山郁夫氏」、彫刻は「佐藤忠良氏」、陶器は「樂吉左衛門氏」の個人展示です。

「平山郁夫館」と「佐藤忠良館」は1998年に開館した佐川急便40周年事業。水庭に浮かぶ切妻造の2棟の平屋建てです。切妻造の2棟の平屋建ては連結しています。その連結部には、車椅子でも利用できる素敵なカフェがあります。

「樂吉左衛門館」は2007年に開館した50周年事業。水庭の底に広がる展示館で、天井の一部に明かり窓があり、幻想的に水越しの光が降り注ぐ素敵な地下空間です。車椅子での地下への移動はエレベーターを利用します。

敷地面積28,871㎡、建築面積8,280㎡で、建物の外にも「佐藤忠良」作の彫像が複数展されています。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

 

○道の駅アグリの郷栗東

琵琶湖周辺には数多くの道の駅があります。その中から栗東市にある個性的な施設「道の駅アグリの郷栗東」を紹介します。

2003年の開業。古い施設ですが道の駅なので、障害者用トイレ、障害者用駐車区画など、最低限のバリアフリー要件は満たしています。

新幹線の線路のすぐ近くにある道の駅で、そのことをセールスポイントにしています。「ドクターイエローをみて幸せになろう」は、架線や線路の点検をするドクターイエローを道の駅から見よう、という企画です。そして新幹線の轟音に負けないように、BGMとして昭和の歌謡曲が大音量で流れます。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

 

○ラコリーナ近江八幡

近江八幡市にある、お菓子と自然がテーマのたねやグループの施設です。2015年1月にメインショップがオープン。広大なスペースと広い店舗群ですが、大変な人気で大混雑します。

敷地内へ正面入口から車で入ると、一般駐車場は左手へ、二輪車、大型バス、障害者用駐車場は右手へと、駐車場の場所が完全に区分けされています。障害者用駐車区画は10台分以上を確保。障害者用駐車場からの歩道はほぼ溝無しの構造で、車椅子で快適に進めます。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

メイン棟は2階建てで、1Fがお菓子のショップ、2Fはカフェ。エレベーターがあるので、車椅子での上下移動に問題はありません。1Fに障害者用トイレがあります。

メイン棟から手動ドアがある裏口へと抜けると、田園風景を再現した中央サークルに出ます。

「フードコート」は一段高い段差の上ですが、スロープがあるので車椅子利用は可。ただし店舗の出入り口は、やや狭い手動ドアに小さな段差があるショップもあります。注意して車椅子でご利用ください。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

 

○醒井宿

大人の観光地として人気の米原市の醒井(さめがい)。日本遺産認定の街で、静かな宿場町に清流「地蔵川」が流れ、水中藻「梅花藻(ばいかも)」が咲き、淡水魚「ハリヨ」が泳ぎます。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

特別なバリアフリー対策があるわけではありませんが、駅からは近く、駐車場はあり、障害者用トイレもあり、「地蔵川」沿いの道はフラットで車椅子での通行が可能です。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

駅に隣接して「醒井水の宿駅」という2階建て構造の商業施設があります。1Fも段差の上で、車椅子では急なスロープを上ります。駐車場は施設正面に3台分、施設裏側の狭い通路を抜けた先に20台分ほど。障害者用駐車区画はなく、狭い、傾斜、など車椅子で利用しやすい駐車場とはいえません。梅花藻の花盛りの夏休みシーズンは、駅改札を挟んだ反対側の駐車場が有料開放されます。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

「地蔵川」沿いにある観光施設は「木彫美術館」。彫刻家森大造の個人美術館で、4月から11月の土日祝のみの開館。「木彫美術館」が閉館している日は、「地蔵川」沿いにある美術館の駐車場が無料開放されています。「地蔵川」の「梅花藻」や「ハリヨ」を楽しむなら、この駐車場利用が便利です。

「旧醒井郵便局」は大正4年築の「ヴォーリズ建築」です。昭和48年まで、郵便局として使用されていたということ。現在は1Fが観光案内所兼歴史資料館として無料公開されています。車椅子で入館可能です。

「加茂神社」はヤマトタケルが飲んだという「居醒(いざめ)の清水」がある、ヤマトタケル立像がある神社です。神社崖下の「地蔵川」沿いの風景は、見る価値のある清流と緑の風景です。ただし「地蔵川」からだと、「加茂神社」の本殿は階段の上なので、車椅子での参拝は出来ません。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

 

○マキノピックランド

琵琶湖の北岸、高島市にある、全長2.4kmのメタセコイア並木が有名な、50年以上の歴史がある大規模農業公園です。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

果樹園、産直ショップ、お土産&レストラン、グランドゴルフ場、野球やサッカーができる多目的グランドなどがあります。

現在の主要な施設は1999年に完成しているで、今どきのバリアフリー施設ではありませんが、車椅子での利用に大きな問題はありません。駐車場は広く、障害者用駐車区画が設定されています。

駐車場から「センターハウス」方面に向かうルートは段差構造で、迂回スロープが設置されています。他に「野菜直売所」「レストラン」があります。

「野菜直売所」は30坪ほどの小型の施設。「レストラン」はホール60席、テラス60席の規模。段差解消スロープがあり、可動式のテーブルと椅子席なので車椅子での利用は可能です。

「センターハウス」には、お土産ショップ、ソフトクリーム、自由に使える休憩コーナー、授乳室などがあります。この建物は広く、内部の通路幅も余裕があります。ただし入口ドアは手動ドアです。

琵琶湖~お薦めバリアフリー観光情報

障害者用トイレは、独立棟の公衆トイレが2か所と「センターハウス」にもあります。

ぶどう、栗、りんごなどの各種の果樹園は、「メタセコイア並木」を隔てた反対側の敷地に広がります。果樹園はバリアフリーではありません。

 

 

琵琶湖周辺には、車椅子での利用に問題がある施設も多々あります。周到な行動計画を立てて、快適な車椅子観光を楽しんで下さい。