道の駅吉野路大淀iセンター 車椅子で行く奈良バリアフリー情報

奈良県大淀町の「道の駅吉野路大淀iセンター 」は、奈良の名産品が豊富に並ぶ、車椅子で利用しやすい大型道の駅です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

読み方は「アイセンター」。地元の人を中心に人気の道の駅です。館内中央部にあった生鮮野菜コーナーが、新設された別棟に独立しました。また元の売場はスペースが広々した新たな販売企画売場に変わりました。スペースに余裕がある、車椅子で利用しやすい道の駅です。

場所は吉野山と明日香村のほぼ中間地点。どちらからも車で15分程度の距離です。特産品は山の恵みが中心。新鮮野菜、山菜、木材及び木製加工品。吉野山が近いので、葛餅や柿の葉寿司なども販売されています。

身障者用駐車スペースは屋根無しで2台分あります。2000年の施設ですが、施設内はほぼ段差構造がない設計です。施設奥にバリアフリートイレがあり、設備は更新されて綺麗です。

特産品コーナーの通路幅は余裕があります。情報コーナー内の休憩スペースも広さに余裕があります。食事処は車椅子で利用できます。

車椅子で少々苦戦したのは、新設された直売所内です。細長い建物で、売り場の通路幅が狭く、混雑すると車椅子での移動が難しくなります。空いていれば車椅子での利用に大きな問題はありません。

木造平屋構造の施設で、中央部が開放的な設計です。元野菜売り場であった中央広場では、ワゴンなどが置かれ名産品を販売。たこ焼き屋台や焼きまんじゅう屋台が出店。様々な企画が展開され、イベントスペースのようになっています。ここはスペースに余裕があるので車椅子で利用可能です。

食事処の名称は「トキン」。修験者の額につける「頭巾」が語源です。施設建物にある二つのトップライトも、頭巾からのインスパイア、ということです。建物で使用している木材は「吉野材」です。

奈良観光のお土産ならなんでも揃う品揃え。観光地の吉野山と明日香村に近い道の駅です。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

奈良 吉野山 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

奈良県庁屋上広場 車椅子で行く奈良公園 バリアフリー情報

奈良公園に隣接する奈良県庁は屋上が無料開放されています。県庁屋上広場は奈良市街を眺望するビュースポットして人気。車椅子で利用できる施設です。現地のバリアフリー状況を紹介します。

県庁は近鉄奈良駅から東へ300mほどの場所。興福寺とは南側で隣接。東側は奈良国立博物館に隣接し、その先は東大寺です。奈良公園で鹿と遊び、大仏殿を見るコースのルート上にあります。

奈良県庁はとても立派な建物です。その入口までのルートは、歩道から車道へと何度か渡りますが、ポイントでバリアフリー改修されて段差解消箇所があり、県庁のエントランスまで車椅子で移動できます。

県庁内に入るとすぐ左手に屋上行きエレベーターがあります。屋上も全域フラット構造。車椅子での利用に大きな問題はありません。県庁内にはバリアフリートイレがあります。

360°眺望できる屋上広場です。屋上に出た最初の向きは南、興福寺側です。興福寺の五重塔がよく見えます。東向きでは東大寺や若草山、東大寺の大きな大仏殿を眺めることができます。北向きは奈良の市街地で、高い建物が全くありません。西向きは平常宮跡や市街地、遠くには生駒山。奈良中心部から360°の眺望を楽しめます。

屋上広場のエレベーターホールの上に、さらに高い位置の展望台があります。ここは階段のみで、車椅子では行けません。上の展望台からは、絶対的な高さの違いではなく、屋上広場のふちが視野に入らないため、よりよい眺めに感じます。階段は2フロア分相当です。

県の職員食堂は一般利用可能です。セルフサービスのカフェテリア方式で、席自体は車椅子で利用できる、一般的な稼働式テーブル席です。

屋上広場開放時間は原則平日が8:30、土日は10:00からで17時まで。例外の日があるので県庁HPで開放時間を確認して利用してください。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

飛鳥 奈良県立万葉文化館 車椅子観覧ガイド バリアフリー情報

万葉のふるさと奈良県明日香村飛鳥にある「奈良県立万葉文化館」は、車椅子利用者にとって素晴らしいバリアフリー施設です。万葉文化館は2001年の開館ですが、当時としては10年先をいくバリアフリー設計で、車椅子からみると2010年代の施設に見えます。

駐車場は無料で一般展示室及び万葉庭園などの利用も無料です。有料の日本画展示室は障がい者と介助者1名は無料。その時々の企画展は有料ですが、障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料になることが多いようです。車椅子で飛鳥に来たら、奈良県立万葉文化館は是非立ち寄って下さい。

万葉文化館バリアフリー情報

アクセスは車が便利。周辺道路の一部はやや狭く、飛鳥を観光する歩行者に注意が必要です。

駐車場には身障者用駐車区画があります。そこから館内まではゆるい上り坂で50mほどです。この間屋根は無いので雨の日は濡れます。

エントランスから素晴らしいバリアフリー設計です。フロア間移動は、健常者はエスカレーターですが、車椅子利用者はエレベーターを利用します。館内には3カ所トイレがあり、それぞれにバリアフリートイレが用意されています。

万葉文化館バリアフリー情報

B1には無料入場できる一般展示室があります。飛鳥時代、万葉の時代の人々の生活を再現した民俗資料館的な展示があります。とてもセンスがよく、車椅子で見学しやすい展示です。

「万葉劇場」というシアタールームがあり、10分から15分程度のオリジナル作品が30分毎に放映されていました。今回取材時の歌劇作品は「額田王」と「柿本人麻呂」でした。

万葉文化館バリアフリー情報

1Fには「万葉図書情報室」「カフェ」「ミュージアムショップ」などがあります。

「ミュージアムショップ」は広くて通路幅に余裕のあるお店で、よほどの混雑でなければ、車椅子での店内移動に大きな問題はありません。

施設には中庭的な空間があり、遺跡が発掘調査時の状態に復元され展示されています。ここは「飛鳥池工房遺跡」。飛鳥時代に様々な手工業が行われた遺跡です。ここで発見された「富本銭」は7世紀に鋳造されたもので、「和銅開珎」よりも20年早い貨幣。日本史が書き換えられた遺跡です。

万葉文化館バリアフリー情報

中庭半地下部にあるこの遺跡復元部には、ロングスロープが用意され、車椅子で近付くことができます。万葉文化館は、細部にわたりバリアフリーが徹底しています。

万葉文化館バリアフリー情報

万葉文化館のお庭は「万葉庭園」です。万葉集にうたわれた植物を植栽、四季折々のお花が楽しめます。また万葉庭園の一部は「飛鳥池工房遺跡」を復元した施設となっています。

万葉庭園は、一部段差路や、車椅子で立ち入りにくいオフロード箇所がありますが、フラットルートに迂回して、そこからお庭を眺めるだけでも十分に楽しめます。

万葉文化館バリアフリー情報

上質で快適なバリアフリー空間にハイレベルな展示。「奈良県立万葉文化館」は、車椅子利用者にお薦めできる施設です。

(本稿は2018年6月の取材に基づいています)

奈良 国営飛鳥歴史公園 車椅子利用ガイド バリアフリー情報