横浜 山下公園・マリンタワー 車椅子利用ガイド バリアフリー情報

「山下公園」と隣接する「マリンタワー」。港横浜を代表する施設の車椅子からみたバリアフリー状況を紹介します。

「山下公園」

関東大震災で発生したガレキを埋めて誕生した山下公園。公園全体の面積は74,121㎡。海沿いに細長く広がる公園です。

車椅子で行く横浜 山下公園・マリンタワー バリアフリー情報

東側から「世界の広場」「石のステージ」「おまつり広場」「未来のバラ園」「中央広場」「芝生広場」「レストハウス」があり、ほぼ全域が車椅子で移動可能です。

3カ所の公衆トイレにはすべてバリアフリートイレが併設されています。

山下公園・マリンタワー バリアフリー情報

海沿いは快適なバリアフリー歩道。2か所あるバルコニーは車椅子で利用できます。ただし「氷川丸」は段差構造で、車椅子での内部見学は出来ません。

山下公園・マリンタワー バリアフリー情報

氷川丸の前にある沈床式のバラ園は、2016年に新たなバラとバラ以外の草木を大量に新規投入し、アーチやオベリスクを使い立体的に演出。「未来のバラ園」に進化しました。一部スロープを通れば車椅子で鑑賞できる、入園無料のバラ園です。

山下公園・マリンタワー バリアフリー情報

バラ園だけではなく、どの季節でもお花が綺麗な山下公園。中央広場花壇、赤い靴花壇、そして桜並木など、園内各所で車椅子からお花が楽しめます。

車椅子で行く横浜 山下公園・マリンタワー バリアフリー情報

山下公園駐車場のバリアフリー状況です。公園の東側にある「横浜市緑の協会」が管理する「山下公園駐車場」は、身障者用駐車スペースが出口寄りに用意されています。

山下公園駐車場

横幅に余裕がある駐車スペースです。

山下公園駐車場

身障者用駐車スペースから歩行者出口まで、段差解消された屋内通路を移動します。

山下公園駐車場

また駐車料金の障がい者減免制度があり、障害者手帳の提示で駐車料金が6時間まで無料になります。身障者用駐車区画から出口に向かう途中、出口精算機の手前にある管理事務所に駐車券と障害者手帳等を提示すると、無料減免処理された駐車券と引き換えられます。

山下公園駐車場

1985年に開催された「横浜博覧会」に合せて、この駐車場と駐車場上部の公園が整備されました。山下公園・マリンタワー バリアフリー情報

公園部には大階段や広場が整備され、人形の家と駐車場はスカイブリッジでつながっています。公園部からスカイブリッジを通り、人形の家の2Fへ車椅子で行くことが出来ます。そこにエレベーターがあり、1Fへ下りることができます。

山下公園・マリンタワー バリアフリー情報

「横浜マリンタワー」

1Fから4Fの一般商業フロア、タワー上部の展望フロアとも、車椅子での利用に大きな問題はありません。バリアフリートイレの用意もあります。山下公園から中華街にかけてのエリアの中で、最もバリアフリーな施設といっても過言ではありません。

横浜マリンタワー

1Fから4Fの一般商業フロアは無料ゾーンです。1Fには山下清画伯が描いた2つの壁画の模写があります。横浜の景観の今昔で、今がマリンタワー開業時の1961年。昔がその100年前の横浜開港時の風景です。

横浜マリンタワー

1Fにマリンタワーが「灯台」であった頃に使用された「発光レンズ」などの現物が展示されています。マリンタワーが「灯台」であったとは大昔のことのようですが、実は2008年までは「灯台」でした。世界一高い灯台としてギネス認定も受けています。

横浜マリンタワー

2Fはギャラリーやオリジナルグッズを販売する売店ががあります。

横浜マリンタワー

3F結婚式がでっきるイベントホール。4Fはレストランです。1Fにはカフェやバーも入店しています。バリアフリートイレは1Fにあります。スペースに余裕がある個室で、ウォシュレット付き便器、オストメイト装置、ユニバーサルベッドなどが備えられています。

横浜マリンタワー

タワー上部の展望フロアは有料ゾーンで、障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が正規料金より減免されます。

横浜マリンタワー

1Fでチケットを購入し、2Fから専用エレベーターで展望室に昇ります。展望室にはトイレはありません。

横浜マリンタワー

山下公園とマリンタワーは、車椅子で利用できます。氷川丸の内覧と、山下公園駐車場の公園部及び連絡ブリッジは、段差があります。

「横浜元町・港の見える丘・アメリカ山」のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2023年3月に加筆しました)

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社 車椅子バリアフリー情報

横浜駅東口周辺はバリアフリーなエリア。車椅子で利用しやすい施設が並びます。現地のバリアフリー状況を紹介します。

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社

「横浜ベイクォーター」

「横浜ベイクォーター」は約75店舗が入るショッピングモールです。第一期開業が2006年、第二期の別棟開業が2010年。開業年次が新しい「ユザワヤ」などが入る別棟のほうが、より細やかなバリアフリー設計になっています。

バリアフリートイレは各階に配置。3F・4F・5F・6Fには2か所バリアフリートイレがあります。エレベーターは3系統配置。バリアフリー設備が複数配置されています。

アクセスは良好。「横浜そごう」経由になりますが、横浜駅から濡れずにアクセス可能です。

「横浜ベイクォーター」専用駐車場があります。市営の「ポートサイド地下駐車場」からも、エレベーターやペデストリアンデッキを通り、バリアフリーに小雨程度なら濡れずに来館できます。市営駐車場は、駐車料金の障がい者減免制度があり、3時間までは無料、以後は半額になります。

6Fには「ベイガーデン」と呼ばれる屋上公園があり、車椅子から、みなとみらい地区の眺望が楽しめます。

3Fのメイン広場周辺からでも、みなとみらい地区の眺望を楽しめます。むしろ海に近いのは3Fです。

更に2Fに降りれば「シーバス乗り場」へ。海沿いの「プロムナード」もあります。

横浜ベイクォーター

次は隣接する「そごう横浜店」のバリアフリー状況です。

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社 バリアフリー情報

「そごう横浜店」

アクセスは便利です。地階B1・B2は横浜駅に直結。1Fはバスターミナル直結。2Fはパーキングとペデストリアンデッキに接続。8F・9F・10Fは隣接する「スカイビル」と連絡。B3は公共地下駐車場です。

1985年に開業した「横浜そごう」。バブル期直前の高揚感を体現した百貨店として、一世を風靡した店舗です。開業当時は「東洋一の売り場面積」で、キャッチコピーは「横浜が生んだ、世界最大級の百貨店」でした。

2012年から2014年にかけて、段階的に大規模な改装が行われ、バリアフリー面でも進化をしました。

以前は手動ドアしかない出入口もありましたが、現在では自動ドアになっています。店舗内のエレベーターは3系統あり上下階移動は便利。B2のデパ地下食品売り場の通路は、余裕のある通路幅です。

バリアフリートイレは、約半数のフロアに配置されています。

横浜そごう

次は「はまみらいウォーク」を渡った先の「日産グローバル本社ギャラリー」のバリアフリー状況です。

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社

「日産グローバル本社ギャラリー」

「日産グローバル本社ギャラリー」は、横浜駅方面からバリアフリーに移動出来ます。「はまみらいウォーク」他通路には屋根や庇があるので、ある程度の雨なら濡れません。

はまみらいウォーク

ショールーム機能に加え、日産の歴史を知るコーナー、オリジナルグッズを扱うショップ、カフェなどがあるバリアフリー施設です。

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社

ギャラリー全体は基本的にバリアフリー。実車が展示され、多くの車は自由に乗降できます。

はまみらいウォーク

もちろん、コンセプトカーも展示されます。

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社

横浜駅方面から「はまみらいウォーク」で来場した場合、みなとみらい地区方面から「みなとみらい歩道橋」で来場した場合、いずれも日産グローバル本社の2F「NISSAN ウォーク」に到着します。

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社

車椅子利用者はここからエレベーターで1Fへ。「NISSAN ウォーク」中央部にある、空中通路のような通路を進むと、エレベーターが1基あります。

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社

このエレベーターは1Fと2F間の移動専用。両ドア式のエレベーターで、1Fと2Fで開くドアが変わります。

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社

両ドア方式は乗った方向のまま降りることができるので、車椅子には便利です。

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社

バリアフリートイレは1Fにあります。ギャラリーの裏側で解り難い場所にトイレがあるので、不明な場合はスタッフに確認してください。男女別トイレの入口から一歩入った場所にそれぞれバリアフリートイレがあります。異性介護では、やや利用しにくいトイレです。

日産グローバル本社前の川から海にかけての遊歩道は「水際線プロムナード」。みなとみらい大通りには、階段とスロープで繋がり車椅子で利用できます。

横浜ベイクォーター・横浜そごう・日産本社

みなとみらい地区方面に抜ける交差点デッキは「みなとみらい歩道橋」。エレベーター付きの歩道橋です。

はまみらいウォーク

横浜駅東口周辺は、車椅子で快適に利用できるバリアフリーエリアです。

「アウトレットパーク横浜ベイサイド」のバリアフリー状況を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2022年1月に加筆修正しました)

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 車椅子散策ガイド バリアフリー情報

車椅子で横浜を楽しむ。人気の「横浜元町」から「港の見える丘」一帯のバリアフリー状況を紹介します。

元町ショッピングストリートに面したお店の多くは、車椅子での利用が可能です。基本的にはバリアフリー商店街ですが、車椅子でより快適に利用するポイントがあります。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

元町ショッピングストリートは、歩行者天国実施時は車道を通れますが、車道は煉瓦敷きをイメージした舗装がされていて、デコボコしています。車椅子ではこのデコボコが負担になります。なるべく歩道部分を通行されることをお薦めします。

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元町通りの一本奥になる「元町仲通り」。この道にも多数のお店がありますが、狭い道を車が通り、車椅子では車をよけるのが厳しい箇所もあります。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

バリアフリートイレがある店舗があります。必要であれば借りさせてもらいましょう。公衆トイレは「元町オアシス」で、ビルの2Fへ専用エレベーターで上がります。バリアフリートイレは1つ用意されています。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

「アメリカ山公園」は、地下鉄元町・中華街駅の駅舎の上に整備された、ビル5Fの空中庭園です。全国で初めて立体都市公園制度を活用し、2009年に開園しました。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

1Fは地下鉄の駅舎で改札口があります。エレベーターは1Fの奥に1基。改札口の先に進んでください。

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2Fは地下鉄事業会社の事務所。3Fは貸し会議室や子供向けの体験学習施設。4Fは結婚式が出来る施設。そして屋上部が地上18mの「アメリカ山公園」です。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

屋上庭園の「アメリカ山公園」は全体が傾斜地です。エレベーター乗降口が最も低地で、その先を車椅子で移動可能な緩やかな坂を上って進みます。

5500㎡ほどの敷地に、西洋風庭園や芝生広場などが広がります。庭園にトイレはありません。開園時間は6時から23時までと時間制限があります。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

「アメリカ山公園」の横は「外人墓地」が広がり、その先に「港の見える丘公園」があります。「アメリカ山公園」の中なら、傾斜路といっても車椅子で楽なレベルですが、「港の見える丘公園」は傾斜路をさらに上がります。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

「アメリカ山公園」の外にでて、「港の見える丘公園」に向かうルートは、傾斜がある上り坂です。元気な介助者がいると助かります。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

車で「港の見える丘公園」を目指す場合は、公園の目の前に障がい者減免制度がある公営の「港の見える丘公園駐車場」がありますが、この駐車場の収容台数は17台と狭く、身障者用駐車区画もない駐車場で、休日ともなると満車確率が高い駐車場です。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

「港の見える丘公園」の広さは約1800坪、1962年開園の公園です。戦後のヒット曲「港の見える丘」よりも後に出来た公園で、ヒットの曲のタイトルが公園名になりました。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

「ブルーライトヨコハマ」は開園の後に、この公園をモチーフにしたヒット曲です。

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園内には公衆トイレがあり、バリアフリートイレが2つあります。設備としてはやや古いトイレですが、清掃が行き届いているので実用に耐えます。公園の公衆トイレですが、今回取材時はトイレットペーパーが用意されていました。

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港を臨む公園の展望台には、スロープが設置されています。

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ただし車椅子で展望台に上がって港を眺めると、手すりや柵が邪魔をして、車椅子からの眺めはギリギリです。また公園からは、角度的に「みなとみらい地区」はよく見えません。

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四季を通じて様々な植栽が楽しめる「イングリッシュローズガーデン」は、段差や階段の箇所はありますが、ルートを選べば、車椅子で全方面からお庭を鑑賞することができます。

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「イギリス館」には、車椅子専用のスロープ入口があります。スロープの入り口にあるインターホンでスタッフを呼ぶと、スロープの先にある勝手口のようなドアを開けていただけます。そこから入り、厨房などを通り館内へ進みます。エレベーターは無いので、2Fへは車椅子では行くことができません。

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「大仏次郎記念館」は、観覧料の障がい者減免制度がありますが、段差があるので車椅子では利用できません。

横浜元町・港の見える丘・アメリカ山 バリアフリー情報

「横浜元町」から「アメリカ山公園」まではバリアフリーです。「港の見える丘公園」へは、きつい傾斜路があり、園内には車椅子で利用できない施設があります。

 

(本稿は2018年10月に執筆しました)