福祉車両の快適装備 消費税が非課税になる純正オプション

福祉車両は、一定の要件を満たすと、消費税が非課税になります。主要メーカーのカタログに「非課税」の案内がある車両はその要件を満たした車両です。

そしてオプションもほとんどのものが非課税になります。これは消費税法別表第一第10号および消費税法施行令第14条の4で明らかにされています。

オプションが非課税になるポイントは以下です。

・引き渡し時に車両に取り付けられていること

・福祉車両本体と一体で取引されるもの

・使用にあたっては常時福祉車両と一体性があるもの

したがって、いわゆるメーカーオプションやディーラーオプションが、一般的には非課税対象になります。

例えば、人気がある福祉車両のメーカーオプションの税抜き価格(2020年4月現在)の例です。

〇トヨタ ノア(サイドリフトアップ仕様車)

パーキングサポート      41,000円

カーテンシールドエアバック  45,000円

スマートエントリーシステム  35,000円

両側パワースライドドア    57,000円

〇日産 セレナ(セカンドスライドアップシート仕様車)

セーフティパックB      202,000円

特別塗装色     40,000円~70,000円

ロングステップ        180,000円

車椅子収納装置        191,400円

フロアカーペット        64,680円

リヤバンパープロテクター    16,500円

ディーラーオプションとして人気があるのは、例えば以下の商品です。

専用シートカバー、胸部固定ベルト、車椅子用ヘッドレスト

他にも、フロントガード、リアスポイラー、カーナビ、最近ではドライブレコーダーも、納車時に装着され、車両と一緒に購入すれば、非課税に認められます。

無駄なオプションを装着する必要はありませんが、福祉車両を購入するなら、最初にメーカーオプションやディーラーオプションを注文すると、消費税が非課税になります。

非課税対象になるオプションであることをディーラーで確認して、発注してください。

(本稿は2020年4月に執筆しました)

別稿で「雪や凍結、悪路に強い 四輪駆動車があるメーカーカタログ福祉車両」を掲載しています。ご参照ください。

雪や凍結、悪路に強い 四輪駆動車があるメーカーカタログ福祉車両

障がいのある家族の通院、通所などのために、福祉車両の購入を検討している方。なかでも雪の多い地方にお住まいの方は、安全のために四輪駆動車の検討が必要です。

主要メーカーのカタログモデルにも、数多くの四輪駆動車が用意されています。

2020年4月現在で、四輪駆動車を選べる主な車種を紹介します。

《軽自動車部門》

「スズキ」では、車椅子のまま乗車するタイプで「エブリイ」、前席昇降タイプで「ワゴンR」に四駆設定があります。

「ダイハツ」は福祉車両を「フレンドシップシリーズ」と名付け、「ハイゼット」「タント」「アトレー」「ムーブ」など、主力車種に様々なタイプの福祉車両の用意があり、そのほとんどの車種・タイプに四駆設定があります。

「ホンダ」は「N-WGN」に四駆設定があります。「N-BOX」はFFのみです。

「スバル」は「シフォン」「ステラ」に四駆設定があります。

《リッターカークラスの小型車部門》

このクラスの福祉車両は、ほとんどが前席への昇降または回転シートのタイプです。

トヨタのヤリス(新型ヴィッツ)は、2020年4月に四駆設定がある仕様で福祉車両が発売される予定です。

トヨタの「アクア」はFFのみで四駆はありません。

日産「ノート」は回転シートタイプに四駆設定があります。

「MATUDA2」は、2グレードでそれぞれに四駆設定があります。

ホンダは全体的に福祉車両の四輪設定車種が少ないメーカーで、現時点では「フィット」「シビックシャトル」はFFのみです。

《コンパクトミニバン部門》

この部門になると、トヨタを中心に選ぶのに困るほどの車種があります。主な車種で、「ポルテ」「スペイド」「タンク」「ルーミー」など。なかでも売れ筋は「シエンタ」です。

「シエンタ」のライバルである、ホンダの「フリード」はFFのみです。

《5ナンバーサイズのミニバン部門》

人気が高いこのクラスでは、トヨタの「ボクシー」「ノア」。そして日産「セレナ」に四駆設定があります。

ホンダの「ステップワゴン」はFFのみです。

《ステーションワゴン部門》

市場で人気がないため、福祉車両にも車種が少なくなりました。四駆を選べるのはスバル「レガシィアウトバック」「レボーグ」です。

トヨタの「カローラツーリング」の福祉車両は、現時点では発売されていません。

《フルサイズミニバン部門》

主要車種にはすべて四駆が用意されています。

トヨタ「アルフォード」「ヴェルファイア」「ハイエース」、日産「エルグランド」、ホンダ「オデッセイ」、以上すべてに四駆設定があります。

ちなみに、メルセデスベンツの「Vクラス」は、日本にはFRしか導入されていません。

《SUV部門》

マーケットで大人気のこの部門で、前席乗車の福祉車両が用意されている車種があります。

日産「エクストレイル」、マツダ「CX-5」、スバルは「XV」と、SUVの範疇に入るかは微妙ですが「インプレッサ」にも設定があります。

いずれの車種も、そもそも四輪駆動設計なので、悪路でもそれなりの4WD走行が楽しめます。

障がいのある家族と一緒に、福祉車両で安全安心な外出ができる社会になることを願います。

(本稿は2020年4月に執筆しました)

別稿で「車好きが斬る 主要メーカー福祉カー 間違いのない選び方」を掲載しています。ご参照ください。

車好きが斬る 主要メーカー福祉カー 間違いのない選び方

障がいのある家族のために福祉車両を購入する場合、どのメーカーのどの車種を選ぶべきか。高額品なのに商品情報が少なく、悩まれている方が多いようです。

2020年4月時点で、主要メーカーがカタログモデルにしている主な車種の、自動車としての基本機能や特徴を紹介します。

《トヨタ》

〇アルフォード/ヴェルファイア

国内のミニバン市場の頂点に立つ兄弟車種で、販売系列店と多少の外観デザインが違うだけで、車としては同じです。

派手な外観と豪華な内装でミニバン好きに支持され、ライバル車種を打ち負かしました。このデザインセンスを好むか嫌うかが、この車を選ぶ際の最大の問題です。

現行モデルは2015年の発売で、2017年にマイナーチェンジ。次期新型は2020年の登場が予定されています。福祉車両は新型発売から半年~1年遅れの発売が予想されますが、車としてはモデル末期です。

〇ヴォクシー/ノア

5ナンバーサイズミニバンの双子車です。ヴォクシーが若者向け、ノアがファミリー向けという微妙な色分けがあります。

現行モデルは2014年のデビューで、2017年にマイナーチェンジ。次期新型は2021年の発売が予想されています。

欠点の少ない万能車で、福祉車両としてのバリエーションが豊富です。もっとも売れている福祉車両はこれです。迷ったときは、ヴォクシー/ノアを選べば間違いはありません。ただし無難すぎて、車好きからすると、面白みや華やかさは足りない車ではあります。

〇シエンタ

ホンダの「フリード」を追撃するコンパクトミニバンとして、現行モデルは大胆なデザインで2015年にデビューしました。2018年にマイナーチェンジ。現時点では次期新型に関する正確な情報はありません。

性能、価格のバランスがとれた良い車です。室内の狭さと、大胆な外観デザインが気にならなければ、お薦めできます。ホンダ「フリード」の福祉車両も良い車なので、比較検討してください。

〇プリウスα

ミニバンが嫌いなら、現行のトヨタ福祉車両カタログモデルで唯一のステーションワゴンが「プリウスα」です。他にはスバルの「レボーグ」があります。

現行のプリウスαは、2009年に発売された3代目のプリウスをベースにしたワゴンモデルで、2011年にデビューし、2014年にマイナーチェンジを受けています。プリウスは2015年に4代目に進化し、すでに2018年にマイナーチェンジしています。

プリウスαは、設計の古さが問題です。正式なアナウンスはありませんが、近いうちに新型カローラツーリングの福祉車両が発売される可能性があります。ミニバン嫌いの方は、それを待つのも作戦です。

《日産》

〇エルグランド

日産のトップグレードになるフルサイズミニバンです。現行モデルは2010年のデビューで、2014年にマイナーチェンジしています。次期新型の正式なアナウンスはまだありません。

設計の古さが最大の問題です。現時点では積極的に選択する理由はない車です。

〇セレナ

5ナンバーサイズのミニバンです。ライバルはトヨタの「ヴォクシー/ノア」、ホンダの「ステップワゴン」で、国内ミニバン市場の最激戦クラスです。

現行モデルは5代目で2016年にデビュー。その後にマイナーチェンジ、e-powerモデルの投入などが行われています。このクラスで販売台数一位を記録した年もある人気車種です。デザインさえ嫌いでなければ、迷ったらセレナを選べば、大きな問題はありません。

福祉車両も複数のタイプとグレードがあり、選択肢は豊富な車種です。次期新型モデルは2021年の発売が予想されています。

〇エクストレイル

世界で売れている人気のSUVモデルです。福祉車両のタイプとしては「助手席スライドアップシート」しかありませんが、それでよければ面白い存在です。

ただしトランクスペースは、あまり余裕がありません。またSUVなので、やや高い位置に車椅子を担ぎ上げて収容します。実車で車椅子を積載して、実用可能かどうかを確認する必要があります。

現行モデルは2013年のデビューで、2020年にも新型が発売される予想です。車として評価は高いのですが、すでにモデル末期です。

《ホンダ》

〇オデッセイ

現行モデルは、ミニバンらしいルックスに変わって2013年にデビューした5代目です。2017年にマイナーチェンジ。次期型は2021年から2022年に登場すると予測されています。

ミニバン好きで、トヨタのアルフォード/ヴェルファイアのデザインが受け入れられない人は、オデッセイは有力な選択肢です。

3列目シートはスライド機能がなく、3列目を使用した状態のトランクスペースは案外余裕がありません。福祉車両ではない一般車両でも同じなので、車椅子が縦積みで搭載できるか、実車で確認することをお薦めします。

〇ステップワゴン

5ナンバーサイズ箱型ミニバンの元祖。前席乗車、後席乗車、車椅子乗車と、すべてのタイプが用意されている、ホンダ福祉車両の中核車種です。

現行モデルは2015年にデビューした5代目。次期モデルの登場は未定です。

華やかさとは逆の機能美を追求した箱型デザインが嫌いでなければ、万能型福祉車両としてお薦めできます。

〇フリード

走りと装備、そして価格のバランスがとれた、人気のコンパクトミニバンです。現行モデルは2016年にデビューした2代目で、2019年にマイナーチェンジを受けています。

ステップワゴンと同様に、福祉車両には前席乗車、後席乗車、車椅子乗車と、すべてのタイプが用意されています。小さいので車としての取り回しも楽です。

このサイズの車両で問題のない人には、一番のお薦め車種です。ライバルはトヨタのシエンタ。ぜひ比較検討してください。

《マツダ》

〇CX-5

人気のSUVモデルで、助手席リフトアップシートのタイプしかありません。また荷室はそれほど余裕がないので、車椅子を搭載するとほぼいっぱいになります。この条件でも構わない人で、SUV好きな人にとっては、有力候補です。

現行モデルは2017年のデビューですが、マツダは年次あるいは随時にモデルをアップデートしています。今購入できる福祉車両のCX-5のベース車両が何年何月式なのかによって、仕様が異なります。直近では2020年1月に年次改良モデルが発売されています。

カタログ上選択できる福祉車両は、ディーゼルとガソリン、そして2WDと4WDの組み合わせの4通りあります。車好きにとっては魅力的な福祉車両です。

《スバル》

〇レボーグ

レボーグの他に、スバルはレガシィアウトバックとインプレッサにも福祉車両を用意しています。この3車種はいずれも助手席リフトタイプです。

現行レボーグは2014年のデビューで、2020年中に新型が発売される予定です。モデル末期ですが、走りを重視したい人にはお薦めできる車種です。

これまでの経験では、スバルの福祉車両は実際には受注生産です。カタログモデルとして発表されていますが、仕様、価格などは未公表で、販売店経由で本社に確認する必要があります。その時点でベース車両に指定できるグレードは限定され、そのグレードによって価格が変わります。納期は不安定で、工場の生産計画によっては、かなり時間がかかるケースがあるようです。もっとも困るのは、福祉車両のデモ実車がないので、実際の助手席リフトがどうなっているのか確認ができません。過去の経験では、群馬工場で福祉車両の完成車を見学できるかもしれない、と回答されたことがあります。

スバルも日々サービスの改善に努めるはずなので、状況は好転するかもしれませんが、上記のような対応もありえる覚悟で、販売店に照会してください。

以上、2020年4月時点でカタログに掲載されている主な福祉車両の状況です。障がいのある家族と、安全で安心な外出ができる社会であることを願います。

(本稿は2020年4月に執筆しました)

別稿で「家族のための福祉カー選び 障がいの状況にあった車両タイプ」を掲載しています。ご参照ください。