福島県いわき市小名浜にある東北最大級の水族館です。施設全域がバリアフリー仕様で、車椅子やベビーカーで楽しく利用できます。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
アクセスは車が便利です。アクアマリンふくしまの周辺には、イオンモール小名浜の駐車場も含めて、13エリアに区分けされる無料駐車場があり、全体で1,500台を収容します。
アクアマリンふくしまの入口に最も近い駐車場は「PE1」駐車場です。そこには身障者用駐車スペースが17台分も用意されています。
ただし屋根なし駐車場で、駐車スペースから水族館エントランスであるメインゲートまでの区間は、屋根はありません。
メインゲート内に入ります。アクアマリンふくしまの入館料は障がい者減免制度があり、本人は無料、障がいの等級によっては介助者1名が無料に減免されます。受付スタッフがいる窓口に障害者手帳を提示して減免措置をうけてください。無料入館券を発券していただけます。
以下、アクアマリンふくしまが推奨するルート順に、現地の状況を紹介します。バリアフリートイレは本館内に3つ、アクアマリンえっぐ棟に1つ用意されています。ルート順に進むと、最初のバリアフリートイレは本館4Fのトイレになります。
最初は洞窟のような通路を移動しながら各種の展示物を観覧する「わくわく里山・縄文の里」です。ほぼフラットな舗装路面を移動します。
小型ケース内での展示、動物園のような狸等の展示、縄文の里をイメージした屋外展示などが連続します。
洞窟通路は円を描くカーブで、屋外の山、渓流、河原など里山を再現した施設の周囲をまわります。下の写真は滝越しにみる里山の様子です。
最後が「カワウソのふち」。そこを出るとフラットな舗装路面が広がり、「伝馬船工房」の船の展示があります。
そこから本館に移動します。「カワウソのふち」から本館近くまでの間は、屋根がありません。
雨天の場合は「わくわく里山・縄文の里」の入口まで戻ると、本館まで続く庇の下に入ることができます。
今回取材時は、本館エントランス付近が工事中でした。それでも車椅子で問題なく通行できました。
本館内に入ると広いガラス張りの空間が広がります。最初の展示は1Fの「海・生命の進化」。照明を落とした空間で、車椅子から見難い展示はありません。これ以後の展示も、ほぼすべて車椅子からの目線で観覧可能です。
本館は4フロア構造です、1Fからエスカレーターで4F に上がり、そこからスロープ路を下りながら展示を観覧します。車椅子ベビーカーは、1Fからエレベーターで4Fへ上がります。スタッフの誘導に従ってください。
4Fから始まる下りスロープ路の傾斜は緩やかです。一般的な車椅子利用者なら問題なく移動できます。
4Fから3Fにかけては植物園のような展示でもあります。車椅子から水槽内の展示鑑賞は可能です。
水槽の近くにいくのに、階段を利用する展示が一か所あります。「北の海の海獣・海鳥」です。車椅子ベビーカーはデッキからの観覧になります。
デッキからでもこの迫力です。水槽に近づけないデメリットはほとんどありません。
館内の所どころ、周囲を見渡す展望コーナーが設置されています。写真は陸側のイオンモール小名浜方面を見渡すコーナーからの眺望です。
目玉施設である「潮目の海」のトンネルも、車椅子ベビーカーで問題なく通行して水槽を観覧できます。ここにテクアウトの寿司処「潮目の海」があります。カウンターでお寿司を注文して、近くのベンチなどでいただきます。その気になれば車椅子でお寿司をつまめます。
本館最後の展示は「友好提携国情報コーナー」。パネル解説と自然環境を再現した展示があります。
本館2Fからスロープ路で1Fに下ります。左手がミュージアムショップ、奥がレストランです。
1Fには自由に本を閲覧できる図書コーナーがあります。
次は全面ガラス張りの「展望室」に向かいます。
1Fからエレベーターで最上階の展望フロアに上がります。展望室はバリアフリー仕様で、車椅子ベビーカーで利用できます。
展望フロアはスペースに余裕があります。車椅子からこのような眺望を楽しめます。
無料で利用できる固定型望遠鏡が設置されていますが、望遠鏡の高さは車椅子仕様ではありません。
えっぐ棟内にも各種の生物展示があります。フラットでスペースに余裕がある構造なので、車椅子ベビーカーで観覧できます。
海鵜の屋外展示、砂漠に生きる動物の屋内展示コーナーなどもあります。
えっぐ棟から屋外に出ます。「えっぐの森」は未舗装路面で、車椅子ベビーカーでは無理をして移動するデコボコ広場です。蛇の目ビーチ方面は、舗装通路が整備されています。ここから先の屋外エリアは屋根なしです。屋外への段差のないルートは、釣った魚をから揚げにする調理カウンター側にあります。
蛇の目ビーチは砂浜ですが、その周回路は車椅子ベビーカーで通行可能な舗装路面です。
釣り場や餌やり場などの周囲は、若干デコボコした路面がありますが、慎重に移動すれば車椅子ベビーカーで通行できます。
その先の「BIOBIOかっぱの里」エリア内の通路も舗装路面で、車椅子ベビーカーで散策可能です。
えっぐ棟方面から本館1Fに戻ります。本館を出て「クウェート・ふくしま友好記念日本庭園」と最後の展示施設「金魚館」に向かいます。この間の移動ルートはフラットな舗装路面です。
日本庭園の横を通り金魚館へ入ります。
館内は金魚一色。フラットな構造でスペースに余裕がある、車椅子から観覧しやすい展示です。
多種多様な貴重金魚が泳ぐ、贅沢な展示です。
これで展示は最後です。メインゲートから退出します。ゲートの横にはショップ「JOHMON」があります。
子どもから大人まで楽しめる展示内容。アクアマリンふくしまは、車椅子ベビーカーで利用できるバリアフリー施設です。
いわき市小名浜にある大型観光施設「いわき・ら・ら・ミュウ」の詳しいバリアフリー情報を別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2021年5月に執筆しました)