千葉県我孫子市、手賀沼のほとりに建つ、日本で唯一の鳥類専門博物館です。隣接して山階鳥類研究所があるので関連施設かと思われがちですが、我孫子市の施設で「人と鳥の共存」を目指す博物館です。開館は1990年。新しい施設でありませんが、車椅子で観覧できる博物館です。車椅子からみた現地のバリアフリー状況を紹介します。
安孫子駅から約2.5㎞。土日祝には博物館行きの直通バスが運行されます。
駐車場は道路の反対側にある、手賀沼親水広場の第二駐車場を利用します。下の写真は水の館展望室からみた第二駐車場と博物館の眺めです。
エントランスの横に、身障者用駐車スペースが1台分用意されています。空いていれば自由に利用できます。ただしバックで駐車すると、後部はあまり余裕がない駐車スペースです。
歩道から博物館のエントランスにかけて、段差のない構造です。出入口は自動ドア。車椅子で問題なく入館できます。
館内に入り、検温、手指の消毒、簡単な記帳をします。
目の前に受付があります。我孫子市鳥の博物館は有料の施設ですが、入館料の障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。受付に障害者手帳等を提示して減免措置を受けます。
1Fには展示室はありませんが、手賀沼の野鳥の剥製が展示されています。
バリアフリートイレは1Fにあります。
スペースはあまり余裕がない個室で、便座はウォシュレット付きです。オストメイトやユニバーサルベッドはありません。
館内のエレベーターは1基。扉に人がいても閉まる、旧型のエレベーターです。かごのサイズは一般的で、車椅子と2~3名は収容可能です。
3Fには3つの展示室と展望テラスがあります。すべて車椅子で問題なく観覧できます。
第一室は「鳥の起源と進化」。展示内容は簡単ではありませんが、大型の展示物もあるので子供でも楽しく観覧できます。
第二室は「世界の鳥」。おびただしい数の標本が展示されるコーナーです。26目157科の世界の鳥を、1科1種を目標に収集した標本268点が並びます。
個人的には鳥の博物館のハイライト展示室だと思います。山階鳥類研究所の標本を借りての展示ではなく、展示標本はすべて我孫子市が集めた市の所有物ということ。その蒐集にあたっては、山階鳥類研究所のメンバーが力を貸したそうです。
よくこれだけの標本を集めたと感嘆する展示です。
そして飛ぶ仕組みの展示解説につながります。
第三室は「最後の一羽にならないために」。その象徴として、1926年長野県南佐久郡岸野村で採集されたトキの標本が展示されています。
展望テラスの出入口は、手動式横開きのドアです。外側は段差解消簡易スロープが設置されています。
水槽があり手賀沼の水生動植物が展示されています。
下の写真は水の館方面。
次の写真は反対側です。
3Fと2Fの間の階段上に鳥の凧が展示されています。車椅子では3Fの踊り場から見学してください。
2Fには常設展示室、企画展示室、ミュージアムショップと図書コーナーなどがあります。いずれも車椅子で問題なく観覧あるいは利用できます。
常設展示室は「手賀沼の自然と鳥たち」。手賀沼を再現したジオラマ展示があります。
今回取材時、企画展示室では「鳥のチャンピオン」が開催中。
最速飛行する鳥など「いろいろな能力のチャンピオン」が展示解説されていました。
コンドルが飛んでいます。
写真はありませんが、ミュージアムショップはオリジナル商品が面白い。巣箱、鳥の足跡トートバック、小鳥のお手玉、鳥の系統樹Tシャツ・・・。車椅子で利用できるスペースがあるショップです。
子供も楽しめますが、内容は大人向けの博物館です「我孫子市鳥の博物館」は、車椅子で観覧できる施設です。
(本稿は2021年8月に書き直しました)