秩父三大氷柱「三十槌の氷柱」「あしがくぼの氷柱」「尾ノ内渓谷百景氷柱」。埼玉県秩父エリアを代表する氷柱のバリアフリー状況を紹介します。

秩父三大氷柱のバリアフリー概況です。
身障者専用駐車スペースが用意されて、車で氷柱のすぐ近くにまで行くことができるのは「あしがくぼの氷柱」と「尾ノ内渓谷百景氷柱」です。
「尾ノ内渓谷百景氷柱」は、車椅子でビューポイントまで近づくことが出来ます。
「あしがくぼの氷柱」は電車の駅から徒歩圏ですが、駅から車椅子での徒歩移動は難しいルートです。
「三十槌の氷柱」は、離れた場所にある駐車場から、その時の路面の状況次第で、近づける場所まで進み見学することになります。
以上のことから、車でのアクセスを前提に、車椅子利用者にお薦めする順番は以下です。
①尾ノ内渓谷百景氷柱
②あしがくぼの氷柱
③三十槌の氷柱
そして小規模ですが「久月氷柱」は、駐車場からの見学が可能です。それぞれの氷柱の現地のバリアフリー状況を紹介します。

「尾ノ内渓谷百景氷柱」
百景氷柱の「百景」は「冷やけー」とのゴロ合わせでもあります。国道299号線を群馬県方面に進み、河原沢地区へ向かいます。このあたりまで来ると、299号もところどころ狭くなるので、運転は注意して下さい。
「竜頭神社」入口が「尾ノ内渓谷」へ向かう筋道の入口です。ここに誘導スタッフがいて、奥の「尾ノ内渓谷」付近の駐車場が満車の場合は、「竜頭神社」の駐車場に駐車するように案内します。
「竜頭神社」の駐車場からは、まだ1km以上の道のりがあるので、車椅子利用の旨を相談して、「尾ノ内渓谷」へ車で向かわせてもらいます。
「尾ノ内渓谷」へ向かう筋道は、それほど狭くはありません。反対側から車が来ても、ほとんどの箇所はすれ違いが可能です。ただし、厳冬期は路面が凍結している可能性があります。冬用タイヤの装着を強くお薦めします。
「尾ノ内渓谷」入口に到着します。ここに無料駐車場があり、スタッフが駐車場所を誘導します。ここから氷柱まではまだ距離があり、一般見学者は歩道を歩きます。
歩道の先に身障者用駐車スペースが用意されています。誘導スタッフに車椅子利用の旨を申告し、「尾ノ内渓谷」ギリギリにあるスペースまで車で行かせていただきます。そこに駐車します。窓口があるので、環境整備協力金一人200円を支払います。この協力金には障がい者減免制度はありません。
窓口から「尾ノ内渓谷百景氷柱」の現場まで、木端がまかれた歩道を進みます。とても丁寧に木端がまかれているので、雨上がりなど路面の状態がよほど悪い場合を除き、車椅子での通行は可能です。
吊橋と氷柱の全貌がみえるスポットまで、車椅子で行くことができます。写真撮影用の台が用意されているビューポイントがあります。健常者はこの先の吊橋まで行けますが、吊橋の手前には段差があるので、車椅子では撮影台附近までです。「尾ノ内渓谷百景氷柱」は車椅子で氷柱を楽しめます。

「あしがくぼの氷柱」
秩父三大氷柱の中で、この「あしがくぼの氷柱」が最も大きい氷柱です。幅は125m以上と告知されています。一つの崖を凍らせるのではなく、渓谷全体を凍らせています。夜はライトアップされます。
車椅子で最大限出来ることは、会場入口のすぐ近くにある、身障者用駐車スペースに車を停め、氷柱会場の入口を10mほど進み、見える限りの氷柱を楽しむ。ここまでです。
一般的な来場手段は、電車の芦ヶ久保駅から徒歩、または駅前にある「道の駅果樹公園あしがくぼ」の駐車場に車を停めてそこからの徒歩になります。駅から会場まで徒歩10分という案内ですが、この10分の行程は車椅子では無理な道です。全行程未舗装路で、アップダウンがあり、路面はガタゴトで、一部は濡れてグジャグジャした路面の山道です。
会場の入口で、環境整備協力金を徴収する小屋があります。その手前に駐車場があり、車椅子マークが掲げられています。ここに行ける脇道の入口には、何の案内もありません。事前に主催者側の観光案内所に問い合わせ、駐車の可否をご確認ください。
ここまで車で来ることが出来れば、会場内までは50mほどです。多少デコボコする道ですが、気合を入れて車椅子で通行することは出来ます。会場は渓谷。山の散策路を歩きながら氷柱を楽しむ企画です。会場内に入り、10mほど行くと、最初の絶景スポットがあり、皆さん記念撮影をしています。もちろん未舗装路面ですが、ここまでなら、何とか車椅子でも行くことが出来ます。
その先は、激しい上り坂です。無理はせずに、車椅子での散策は諦めて下さい。足の悪いレベルの人でもこの先は苦戦します。この先は氷柱渓谷を山の散策路から縦横に観ます。散策路の高低差が30mほどはある、健脚の人向きの氷柱渓谷です。
会場入口から、最も高い地点までは、急いでも10分はかかります。往復で20分。駅や一般駐車場から会場までが、片道10分かかりますから、山道を往復40分ほどは歩く観光になります。
氷柱の会場は、西武線の線路に面しています。会場内には、電車の時刻表が掲示され「電車が来たら手を振ろう」という企画が案内されています。電車から見ると、一瞬ですが氷柱渓谷が見えます。電車に乗って氷柱を瞬間的に鑑賞することは出来ます。

「三十槌の氷柱」
アクセスは車です。駐車場はキャンプ場の民間有料駐車場の利用になります。候補の駐車場は2か所あり、それぞれ氷柱まで、徒歩3分、徒歩8分という案内です。この徒歩でのアクセスが、車椅子でどこまで行けるか次第です。
氷柱の時期は厳冬期。未舗装路が雪や氷、霜で覆われます。好天の日中は雪が溶けて路面がより悪くなることもあります。氷柱のすぐ近くまで車椅子で行くことは現実的ではありません。ただ最悪でも遠目で氷柱の一部を見学することは、出来るはずです。

番外編「久月氷柱」
小規模な「久月氷柱」の紹介です。秩父方面から見て「尾ノ内渓谷百景氷柱」よりは手前の、国道299号線沿いにあります。やや狭い側道から未舗装の無料駐車場へ入ります。10台ほどの駐車スペースがあります。
特にスタッフの姿はなく、自主的に観光します。環境整備協力金を入れる箱が置かれています。駐車場からでも、見難いながらも氷柱が見えます。駐車場からオフロードの傾斜路を降りて進むと、はっきりと氷柱の全貌が見えてきます。
傾斜路は木端も敷かれていません。状況に応じて、無理のないところまで車椅子で進み、「久月氷柱」を楽しみます。氷柱の規模や完成度としては、三大氷柱には及びません。その分訪れる人も少なく、混雑する可能性は低い氷柱です。

氷柱に近づくと急に2~3℃気温が下がる感じがします。防寒対策をしっかりして、車椅子で氷柱見学に出かけて下さい。
(本稿は2017年2月の取材に基づいています)