横浜三溪園 車椅子観光ガイド バリアフリー情報

横浜三溪園

明治39年から公開されている三溪園は、舗装路が全くない日本庭園です。園のHPで案内されている「車椅子で鑑賞可能な区域」内も、砂利が浅く車椅子が動き、かつ決定的な段差はない区域という意味です。現地の状況を紹介します。

アクセスは車が便利。来園者専用の有料駐車場があります。駐車料金の障がい者減免制度はありません。

三溪園は人気施設。週末、特に梅や桜、紅葉の時期は駐車場が満車になります。数台程度なら空き待ちで並べますが、それを超えると三溪園前に向かう道の入口で一般車両の進入が禁止されます。混雑が予想される日に駐車場を利用する場合は、ピーク時間をずらした利用をお薦めします。

駐車場には整備された身障者用駐車区画はありません。混雑時は誘導スタッフに車椅子利用と乗降方法を相談してください。その時点で最善の駐車場所に誘導していただけるはずです。

駐車場内にある公衆トイレにはバリアフリートイレが1つ用意されています。

入園料は障がい者減免制度があり、本人と介助者1名が無料に減免されます。入口で障害者手帳等を提示して入園します。発券所に立ち寄る必要はありません。

園入口で車椅子の貸し出しサービスがあります。用意されるのは砂利路面に強い太いタイヤの車椅子で、サイズは大小2種類。自走機能はなく、キャリパーブレーキや安全ベルト、ヘッドレストなどの装備はないタイプです。

通常の細いタイヤの車椅子よりも、園内の移動が楽な車椅子です。障がいの状況によっては、入口で車椅子を乗り換えるのも作戦です。その場合、マイ車椅子は預かっていただけます。また貸し出し用の車椅子は駐車場まで利用することが出来、その場合は駐車場のスタッフに返却する運用です。

車椅子で移動が楽な範囲を紹介します。砂利路面で小さなデコボコはありますが、それでも車椅子での移動が比較的楽な範囲は「正門」から「大池」の右側を通り「三溪記念館」周辺までです。

「三溪記念館」はバリアフリー施設です。入口は自動ドアで、館内はフラット構造、バリアフリートイレがあります。展示室、お茶処は車椅子で利用可能です。

その気になれば移動可能な範囲を紹介します。路面の砂利が深い箇所や傾斜路、数センチの段差が連続する箇所がありますが、車椅子で移動出来ないことはないのは「鶴翔閣」周辺、内苑の「臨春閣」周辺の「三溪記念館」寄り、「大池」の左側です。

特に「大池」の左側は、園の案内では「車椅子で鑑賞可能な区域」ですが、数多くの小さな段差箇所があるルートです。それを避けるなら、帰りも「大池」の右側を通ることをお薦めします。

段差がある箇所です。「内苑」の奥は階段ルートです。「三重塔」に向かうルートも同じく階段です。「旧東慶寺仏殿」などがある「外苑」の奥へのルートは、園の案内では「車椅子で鑑賞可能な区域」ですが、小さな段差が連続する難所があります。

三溪園では、無料でボランティアのガイドを受けることができます。車椅子で無理なく移動できる範囲から三溪園の魅力を知るには、ボランティアガイドのお力を借りるのも良い方法です。

三溪園は明治時代からの庭園です。基本的にバリアフリーではない庭園だと理解した上で、車椅子で利用してください。

横浜の憩いの森「根岸森林公園」と公園内にある「馬の博物館」を、別稿で紹介しています。ぜひご覧ください。

(本稿は2019年3月の取材に基づいています)