広尾の地に建つ「山種美術館」は、バリアフリーな美術館です。車椅子からみた現地の状況を紹介します。
車椅子で快適に利用できる美術館です。駒沢通りから入る正面エントランスは、フラットな路面で自動ドア。エントランスホールの左手に受付があります。
山種美術館の展覧会は、2020年3月中旬までは、障害者手帳の提示で本人と介助者1名の観覧料が無料に減免されていました。2020年3月14日より障がい者減免制度が変更になり、本人と介助者1名の観覧料が団体料金に減免されます。
バリアフリートイレは1Fにあります。展示会場は地階です。車椅子利用者は受付横にある大型エレベーターで地階に下ります。展示会場はフラットな構造です。車椅子での観覧に大きな問題はありません。

地階展示会場の通路は広く、通常は車椅子で快適に移動できます。展覧会の会期末など、とても混みあうこともありますが、それでもメイン展示室はそれほど苦労をせずに車椅子で利用できます。
混雑時に車椅子が苦戦するのは、通路が狭い地階のミュージアムショップと、特別展示室へ向かうやや狭い通路です。混雑時に展覧会を訪れた際は、ミュージアムショップと特別展示室の無理な利用は避けた方がよいでしょう。

車椅子利用者が見逃す可能性がある作品の紹介です。B1へ向かう階段の横に加山又造作の陶板壁画「千羽鶴」が展示されています。階段を利用せずにエレベーターで地階へ行くと、気が付かない可能性があります。車椅子では1Fホールから鑑賞できます。

1F受付の奥に「CaFe椿」があります。人気のカフェで満席のこともしばしばあります。展覧会をイメージした創作和菓子メニュー、イタリア製の調度品、窓の外は銀杏並木、素敵なカフェです。車椅子でも利用できます。ただし混雑していることを想定して利用を計画してください。
美術館内は素晴らしいバリアフリー設計ですが、車椅子利用者にとって山種美術館の最大の課題はアクセスです。恵比寿駅から徒歩10分、またはバスの利用が一般的です。車の方は、美術館前の通りにパーキングメーターが設置されていますが、美術館の近くはすべて満車という可能性はあります。また美術館に車寄せは無いので、タクシー利用でも雨の日は濡れます。

山種美術館に一般駐車場はありませんが、身障者用の駐車場が1台分あります。駐車場は予約制です。公開されているハローダイヤルに電話を入れ、予約が出来る電話番号を確認します。予約は先着順で2時間制です。
身障者用駐車場は美術館の建物の一角で、通常の入口の北側です。入口まで来たら美術館に電話を入れ、到着したことを連絡します。入口はシャッターが閉まっています。ほどなくスタッフが来て、シャッターを手動で開けて下さいます。その間は道路上で待機することになるので、右折入庫は事実上出来ません。美術館には六本木方面からアクセスしてください。

身障者駐車スペースは、機械式駐車場入庫口の手前の左側に1台分。とても狭い駐車スペースです。回転盤を利用した、高いハンドル技術が必要な駐車場です。

山種美術館の概略です。山種証券創業者の山﨑種二氏が集めた、日本画コレクションを展示する美術館です。
山種美術館が最初に日本橋兜町に誕生したのが1966年。その後、千代田区三番町に仮移転したのが1998年。この広尾の地に移転したのが2009年。長い歴史と最新のバリアフリー設備が同居する美術館です。
アクセス方法には多少悩みますが、館内は上質なバリアフリー空間です。山種美術館は車椅子で快適に利用できる美術館です。
港区南青山にある「根津美術館」の詳しいバリアフリー情報を別稿で掲載しています。ぜひご覧ください。
(本稿は2019年の取材に基づいています)