創建は神代。埼玉県久喜市鷲宮に鎮座する関東最古の大社です。鷲宮神社が記された最古の資料は1251年の「吾妻鏡」なので、「神代の創建」で「関東最古」という史実の明確な根拠はありませんが、境内から縄文時代の「堀之内遺跡」が発掘されているので、神代から人々の生活が営まれていたのは間違いありません。
鷲宮神社の境内は、深い砂利路面のエリアが広がり、車椅子で楽に移動することが出来ません。車椅子からみた現地の状況を紹介します。
鷲宮駅から徒歩8分の案内です。鷲宮神社の周囲は古い街並みが残る、散策が面白いエリアです。
60台程度を収容する参拝者用の無料駐車場があります。車椅子マークがペイントされた身障者用駐車スペースが2台分用意されています。横幅は十分に広い駐車区画です。
参拝者用駐車場に隣接して独立棟の公衆トイレがあり、バリアフリートイレが1つ用意されています。駐車場からは舗装路を通行してトイレ棟まで移動できます。
設備はシンプルで新しくはありませんが、スペースは余裕があるバリアフリートイレです。ユニバーサルベッドはありません。
一の鳥居は2019年に台風の被害で倒壊しました。取材日時点では、再建のための奉賛金の受付が行われています。
境内は車椅子では移動困難な深い砂利路面が広がり、そこに石畳風の参道が敷かれています。参道は小さなデコボコが多々ある路面なので、車椅子は動きますが移動すると車椅子に衝撃がきます。なるべくゆっくりと移動してください。
江戸時代に奉納された「金灯籠」は、石畳風参道から近い場所にあるので、車椅子から鑑賞できます。
龍神様が住む「光天之(みひかりの)池」は、参道から少し離れた、やや浅い砂利路面の先にあります。池に一般的な車椅子で近づくのは、相当な根性が必要ですが、出来ないことはありません。無理のない範囲で神池を参拝してください。
参道の光天之池とは反対側が、お末社があり、その奥に鎮守の森が広がるエリアです。
このエリアの砂利はとても深く、一般的な車椅子での移動は困難です。そして鎮守の森内の散策路は荒れた未舗装路です。特殊なタイヤの車椅子などを利用しないと、参拝が困難な一帯です。
石畳風参道を通行して拝殿の近くまで行くことができます。拝殿は極めてシンプルな構造で、賽銭箱がある参拝所には段差はありません。鷲宮神社の社殿は、車椅子で参拝できます。
拝殿の真後ろ、本殿に正対して神楽殿があります。ここで国の重要無形民俗文化財に指定されている「土師一流催馬楽神楽」、通称「鷲宮催馬楽神楽」が、祭事の際に奉じられます。
史実に基づく由緒がわからないほど、古くから信仰される社です。境内全域を車椅子で参拝するのは困難ですが、鷲宮神社の拝殿は車椅子で参拝可能です。
(本稿は2021年6月に書き直しました)